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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「言葉」と「イメージ」

2022-04-21 22:02:53 | ビジネス

そろそろ「吉野家取締役」の話が、話題にならなくなってきたような気がする。
時間としては3,4日間であった、ということになるのだろうか?
今回の問題で忘れてはいけないことは、「言葉とイメージ」ということかもしれない。
吉野家の取締役で早稲田大学の社会人講座を受け持った人は、あまりにも言葉に対して無神経であった、ようにも感じている。
それは例えとして使った言葉そのものが、差別的な印象を与えるだけではなく、不快感をもたらす言葉だったからだ。

そんな問題がメディアに登場しなくなった今日、個人的には「ギョッとする言葉」を再び見るコトになった。
Huffpost:「日の丸半導体」の現在地と未来が分かる。世界を「中毒化」させる戦略に活路を見よ

私が「ギョッとした」したのは、「中毒化させる戦略」という言葉だ。
「中毒(化)」という言葉そのものに、あまり良い印象を持っていない、ということが大きいのだが、このような言葉を日本の大学の中でもトップクラスの教授が使ったとすれば、やはりどうなのだろうか?と、考えてしまうのだ。

マーケティングの仕事の中には、広告・広報がある。
ドラッカーの言う「マーケティングの4P」の中の一つ、プロモーションのことだ。
そのため、マーケティング担当者は、「言葉」に対しても敏感でなくてはならない、と思っている。
特に昨今は、「差別語」ととらえられる言葉が、以前よりずいぶん増えた。
10年ほど前なら、社会が問題にしなかったような言葉であっても、今使うと大きな問題となり、時には企業のイメージを大きく損ねるだけではなく、場合によっては「不買運動」のようなことにまで発展する、ということがあるほどだ。
だからこそ「人に伝える言葉」には、受け手となる生活者の気持ちや感性に、敏感でなくてはならない。

さて、本題となる「日の丸半導体」だが、1990年代までは日本の半導体は世界を席巻するほどだった。
それが、市場どころか性能などでも台湾などの国々から遅れを取り、今や風前の灯状態となっている。
この間、政府は何度も資金融資などの投資を行ってきたのだが、まったくと言ってよいほど成果が出ていない、というのが現状だ。
記事中の内容に関しては、その理由や今後の展望などについて図を交えながら丁寧に書かれていると思う。

問題だと感じたのは、日の丸半導体復活の為に「世界を中毒化させるような…」という部分だ。
「中毒」の意味の説明をされているので、問題はなさそうに思えるのだが、「世界中の企業が唯一無二の半導体製品と認め、引く手あまたとなるような状況にならなくてはいけない」という表現でも、十分に伝わるのでは?ということなのだ。

最近ネット広告などを見ていても、コピーなどで使われる言葉が直接的で、ギョッとすることが多くなった。
確かに直接的な表現は伝わりやすいかもしれないのだが、このような言葉ばかりを使っていると、社会が荒んでいくような気がするのだ。
コピーにしても記事の見出しにしても、受け手となる生活者に不快感を与えない、わかりやすい表現をするということに、もっと注意を払う必要があるのでは、という気がしている。

「判りやすさ」と「伝わりやすさ」のほかに、「不快感を与えない」ということも必要なのではないだろうか?



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