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かつてのライバルは、良きビジネスパートナーとなった‐ホンダがヤマハ発動機へ電動二輪を供給‐

2024-08-08 19:53:31 | ビジネス

今日の夕方、宮崎県を震源地として発生した、震度6の地震。
被災地の方々にとって、不安な夜を迎えられているのでは?と、心配をしている。
このような殺暑の中での復興は、大変厳しいモノがあると思うし、何よりお盆休み直前に起きた地震、交通網の乱れも心配なところだ。

さて、このような災害時に機動力を発揮するモノとして、バイクがある。
トラック輸送のような、荷物を運ぶことはできないが、小回りが利くので安否確認など行政の人たちが行動しやすいのでは?と、考えている。
その中でも、ガソリンの高騰で注目されているのが「電動バイク」だろう。
太陽光発電などと組み合わせれば、ガソリンを必要とせずにエネルギー供給ができ、使うことができる。
そのような「機動性のある電動バイク」について、興味深い記事が日経新聞にあった。
日経新聞:ホンダ、ヤマハ発に電動の「原付1種」を供給 規制に対応 

実は、この見出しを読んだとき、3回位確認をしてしまった。
ご存じの方も多いと思うのだが、ホンダとヤマハ発は「バイク市場」における、ライバル企業だからだ。
それは「市場」というビジネスという点だけではなく、その創業の地にも関係しているからだ。

現在ホンダの本社は東京となっているはずだが、創業の地は浜松だ。
個人的な話で申し訳ないのだが、実は私が通っていた小学校の学区の外れに、ホンダの2輪工場があり、社会見学では徒歩で行ったことがある。
一方、ヤマハ発は天竜川を越えた磐田市に現在でも本社がある。
クラスメートの何人かの父兄はホンダやヤマハ発にお勤めをされている、という小学校だったのだ。
クラスメートとして仲が悪いわけではないのだが、このような位置関係にあったことや企業スポーツとして力を入れていたのが、サッカーということもあり、両企業のサッカーの試合は「天竜川決戦」とまで言われていた。
今でいうなら「天竜川ダービーマッチ」という感じだろうか?
現在は、ヤマハ発はプロチーム・ジュビロ磐田となりホンダは、アマチュアのチームとしてHONDA FCとなっている。
同業企業としてのライバルだけではなく、企業スポーツのライバルという、関係を長い間続けてきた2社だからこそ、今回の記事の内容には、驚いた、という訳だ。

考えてみれば、先日ホンダは「スーパーカブ」50CCの製造の中止を発表している。
その時も「バイクの銘品」として、EVバイクとして残してほしい、という趣旨のエントリをしたのだが、「スーパーカブ」とはデザインが違うが、EVバイクとしてライバル企業に供給することで、「ホンダイズム」のようなものを継承したかったのかもしれない。
そのように感じるのは、互いに良きライバルであり、互いがいたことでバイクの市場を創っていきたい、という考えがあるからなのでは?という気がしている。
そして今回2輪の50㏄の市場から撤退する、というホンダの判断に対して、ライバル企業であるヤマハ発も寂しいと感じた部分があったのでは?と勝手に想像している。

ホンダはより自社の強みである大型バイク市場に対する投資をしていく中で、「スーパーカブ」の思いを何等かのカタチで残したいと思ったのであれば、託したい企業がヤマハ発だったのかもしれない。
とすれば、良きライバルは良きビジネスパートナーとなる、ということなのかもしれない。



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