今日の昼間に、スマホの「ニュース速報」が鳴った。
何事か?!と思い見てみると、円買いが進み遂に150円までになってしまった。
40年ほど前は、1ドル250円位だったことを考えれば、十分円高という気ににもなってしまうのだが、当時と現在とでは様々な面で大きく違う。
その代表的なのは、日本の自動車メーカーが、米国に現地法人をつくっていなかった、という点だろう。
違う言葉でいうなら、当時の自動車メーカーは海外に生産拠点を持っていなかったため、輸出産業の花形と見られていたのだ。
だからこそ、円安になっても日本全体の雰囲気が明る感じで、活気もあったのだ。
それが今現在は、自動車メーカーの多くは全世界に「生産拠点」をつくり、「現地生産の充実を図り、生産国での消費」が、当たり前になってしまっている。
ということは、いくら自民党の人たちが「自動車産業」を輸出産業の代表格扱いのように考え、「輸出産業に力を入れたい」と言ってもどこかミスマッチがするのだ。
このような発言をされるのは、日本の産業構造が大きく変わってきていることを知らない、とご自身で言っているに過ぎない。
毎日新聞:岸田首相「円安メリット生かす1万社を支援」表明
「日本は工業製品の原材料となる資源が少ない為、工業製品を製造するために原材料を輸入し、生産をして海外へ輸出する」と、社会科の教科書で習ったのは、昭和の時代だ。
それだけではなく、「円安メリットを生かす」産業そのものが見当たらないような気がするのだ。
何故なら、何かしらの商品をつくる過程において、「円安」による材料の高騰が起きているからだ。
様々な物流コストも値上がりをしている為、「生産品を輸出する為のコスト」そのものが高騰していることも、「円安のメリット」にはならない。
にもかかわらず、政府が円安に対する為替介入をしたのは1回だけ(のように記憶している)。
いくら「経済を市場に任せる」という考えがあるとしても、それは大きなリスクでしかない。
Presidenton-line:あなたは”紙の見えざる手”を誤解している (2018年1月25日記事)
「積極的に為替介入をして、円安を食い止める」という方法もあるが、今の状況では期待できるほどの効果に、疑問を感じてしまうのだ。
とすれば、為替介入をしつつも「国内産業の建て直し」という考えもあるのでは?
工業製品を輸出産業の中心と考えるのでなく、観光産業であってもこれまでのような「団体旅行」の爆買いではない、本格的な旅行者自らがプランするツーリズムのような「体験型旅行」、工業製品であっても日本の伝統のようなものを感じさせながら最新のテクノロジーを搭載しているような「日本らしさ」のようなモノを輸出産業として育てるような、新しい視点・新しい発想の産業支援が必要な気が知るのだ。
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