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科学と社会の幸せな関係

2012-01-29 19:12:39 | アラカルト
日経新聞のWEBサイトを見ていたら、トップに「科学技術を立て直せ 合言葉は「社会に役立つ」」という見出しが出ていた。
詳細については、会員登録などが必要な記事であるためUpすることができないが、この合言葉の意味は、とても深いと思う。

随分前のコトとなってしまったが、事業仕分けで蓮舫さんがスーパーコンピューターの開発に対して「1位じゃなきゃダメなんですか?」という問いかけをしたことがあった。
このコトバだけが一人歩きをしたようなところがあったが、その後スーパーコンピューター「京」は世界1位になった。
その直後、「1位じゃなきゃダメなんですか?」の揚げ足取りのような質問に対して、蓮舫さんは「おめでとうございます」という言葉とともに「その技術をどう生かすのかが大事だと思います」といった内容のコメントをしていたと思う。

おそらく「1位じゃなきゃダメなんですか?」の発言意図は、「その技術で何ができるのですか?それは、国民にとってどれだけ有益なものなのですか?」というコトだったのだと思う。
そして昨年起きた東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故によって、科学が机の上だけのモノだけでは、意味が無いのでは?という機運が、科学者の方たちの間で起こり始めたというコトなのでは無いだろうか?

実際、東京電力福島第一原子力発電所事故発生直後、米国が日本の様々なツテを頼って「SPEEDI」のデータを取り寄せていた。
日本では、そのデータが活用されぬまま時間だけが経過し、国民不安を煽る結果となってしまった。
いくら科学的なデータや技術があっても、机の上においてあるだけでは意味が無いという一例だと思う。
単に、文科省と経済産業省とのセクショナリズムによるものだったかもしれないが(というより、たぶんにそれが原因だろう)、「SPEEDI」の関係者は誰一人そのことに関して、発言することも無かった。
そのことのほうが、科学者として問題だったのでは?という考えから、このような合言葉が出てきたのではないだろうか。

それが「科学と社会の幸せな関係」というコトになるコトが、一番大切なことだと思うし、科学の発達の過程というのは、歴史を見ても社会と大きく関係していたはずなのだ。
とすれば、日本の科学者たちはもっとごく普通の生活者の中に飛び込んでいく必要がある。
「科学」という箱の中だけでは、「社会に役立つ科学」にはならないからだ。
そしてその行動が、日本の経済にも与える影響は大きいと思っている。

「科学」は決して机の上のものではない。
生活の中にあるコトで、初めて科学は生き生きと変化することができるのではないか。
そんな思いがしている。


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