朝日新聞のWebサイトを見ていて、「動物保護団体の皆さん、出番です!」と思うような記事があった。
朝日新聞:巨大ヒツジ、違法にクローン作製か 狩猟愛好家向け 米国で高額取引
欧米の富裕層の中には、ハンティングを趣味としている人達が一定数いる。
特に米国等では、その傾向が強いようだ。
これまでも、野生のライオンをハンティングする人達が後絶たず、問題になってきていた。
ハンターが、大きな個体を選ぶ理由が「トロフィー・ハンティング」という言葉がある通り、「自分のハンティング力の凄さを示す、トロフィー」だからと、再三指摘されてきた。
ナショナルジオグラフィック:なぜライオンは今も狩猟の対象なのか?
ハンティングした動物の個体が大きく、健康的であればあるほど、トロフィーとしての価値がある、という訳だ。
しかし、このような野生動物に対するハンティングそのものは、様々な規制がされるようになってきている。
「保護区内でのハンティングの禁止」などになるのだが、それでも「自分のハンティング力の誇示」という欲求は、終わりないようだ。
その終わりなき欲求が、今回希少性の高い動物をクローン技術を使って、複製だけではなく巨大化させることとなったのだろう。
高額値段で取引されている、という点から考えると、希少性と巨大化という2点で、ハンターの満足度を上げているのだろう。
このような、人の欲によって本来あるべき姿ではない形に作り替えられる、ということは動物保護という点においてどうなのだろう?
確かに、現在人気となっているペットの一部は、人工交配によってつくられてきている、と言われている。
室内でも飼いやすい毛の短い(あるいは、ほとんど毛がない)犬等は、わかりやすい例だろう。
結果として、このような形で作られたペットたちの多くは、病気になりやすかったり短命である傾向が強いと、言われている。
このような人の都合によって、異形化される動物たちの存在は、果たして人間にとってプラスなのだろうか?
ハンティング用の場所で、飼われているのだから関係ない、と「動物愛護団体」の方たちは、言い切れるのだろうか?
かつてのように、ハンティングそのものが暮らしの中にあった時代や、日本で行われているような害獣駆除目的と、趣味としてのハンティングとでは、目的が違う。
毛皮等に対して「反対」を訴えるのであれば、まず「トロフィーハンティング」や、ハンティングの為に異形化させられる動物たちに対して、まず声を上げるべきなのではないだろうか?