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サンフレッチェ広島にみる、地域の関係と人材育成

2015-12-21 19:08:18 | 徒然

昨日試合があった「サッカー世界クラブ選手権」。
優勝したのは、バルセロナ。
随分前から「異次元サッカー」と言われてきたバルセロナが、優勝したコトにはあまり驚かない。
もちろん、試合そのものは素晴らしい内容であったと思う。

そのバルセロナの優勝の陰に隠れてしまった感があるが、3位決定戦で見事逆転で広州恒大に勝ったサンフレッチェ広島も、素晴らしい試合運びだったと思う。
というのも、サンフレッチェ広島は同じJリーグのチームの中でも、決して潤沢な資金があるチームというわけではなく、いわゆる「育成型」のチームだからだ。
メンバーの多くは、他チームから移籍してきた選手であっても、サンフレッチェ広島で長い間活躍している選手が多い。
今年、Jリーグ通算得点記録がトップタイとなった佐藤寿人選手などは、その象徴的選手かもしれない。

監督をしている森保一さんは、サンフレッチェ広島出身で、選手時代は「ドーハ組」と呼ばれる日本代表経験がある人物。
その後、チームの若年世代の指導者として監督経験をスタートさせ、ユースチーム監督時代には日本一に導いた経験を持っている。
言い換えれば、監督自身がサンフレッチェ広島というチームを十分に知っているだけではなく、今のチームの基礎をトップチームの監督前からしていた、と言えるかもしれない。

今回優勝したバルセロナなどは、同じスペインリーグのレアルマドリードと肩を並べるほど、「お金持ちチーム」だ。
優勝した試合で活躍した前3人の選手たちの年棒を見れば、日本のJリーグチームとは桁違いの資金力を持っている、ということがわかる。
3位決定戦で対戦した広州恒大なども、サンフレッチェ広島とは比べものにならないほどの資金力を持っているからこそ、ルイス・フェリペというW杯優勝監督を招聘するコトができたはずだ。

そんなサンフレッチェ広島を支えているのは、ユニフォームの前に広告を出している「エディオン」であったり、地元の企業の支援が大きいように感じている。
今では「エディオン」という名前になっているが、「エディオン」そのものは名古屋の「栄電社(その後「エイデン」と社名変更)」と広島の「第一産業(その後「デオデオ」と社名変更)」が一緒になってできた、家電量販店会社。
その後、業界最大手であるヤマダ電機に対抗するように、ローカル家電量販店をグループ化してきた企業だ。

好調なマツダを支えているのは、企業規模や業種を超えた広島の地元企業によるところが大きい、という話がある。
そのマツダと同じように、サンフレッチェ広島もまた、地元地域のサポートがあってこそのチームだという気がしている。
おそらく広島およびその周辺地域以外のサンフレッチェ広島サポーターは、あまりいないと思う。
代わりに広島のサッカーファンの多くは、サンフレッチェ広島の熱心なファンなのでは?
新潟のアルビレックスもまた、老若男女関係ない熱心な地元サポーターに支えられたチームとして、有名なチーム。

このようなチームが活躍するコトができたことを考えると、これからの一つの「地域と企業、スポーツ」のモデルケースとなるかもしれない。