今年は、夏と冬の間が無かった様な気がする。
その為か?小売の現場では秋物という商品をほとんど見るコトなく、冬物が並ぶ様になったように感じる。
そんな売り場を歩いて見ると、一つ気になった商品があった。
それは「スープジャー(または「スープポット」)」と呼ばれる商品だ。
2,3年前だったと思うが、「弁当男子」という言葉が流行った。
お弁当を持参する男性のことではなく、自分でお弁当を作る男性のコトだ。
この「弁当男子」の登場は、社会人男性のライフスタイル(と言う程大袈裟ではないが)の変化のように言われた。
何故なら、男性が積極的に料理をしなければ、お弁当を作るコトができないからだ。
その意味で「弁当男子」の登場は、男性の家事労働への参加意識のハードルが下がったのでは?と言うことも言われたように思う。
その頃から、お弁当箱売り場を見ていると、随分「男性向けお弁当箱」がバラエティになったように感じる。
それまで「男性向けのお弁当箱」と言うと、大きさ重視でお弁当箱そのもののデザインや素材は二の次三の次・・・と言う感じだった。
それが、塗りのお弁当箱やビジネスカバンにもスッキリ収まる「スリムタイプ」などが登場する様になった。
そんなお弁当箱だが、やはり寒くなると登場するのが「保温型お弁当箱」。
この「保温型お弁当箱」、女性向け商品よりも男性向け商品として登場したのが始まりだったと思う。
何故なら、容量と言うよりもその外装がとても大きく、とても女性のカバンに入る様な仕様ではなかったからだ。それが、最近では随分オシャレになり、女性が持ってもおかしくないデザインになってきている。
そんなお弁当箱売り場の一角に「スープジャー」と呼ばれる、スープ専用の保温容器が置かれているのだ。
その売り場を見ていて、世界中でこれほどバラエティーに富んだ「お弁当箱売り場」は、日本くらいだろうな~、と思ったのだ。
海外でも「ランチボックス」と呼ばれる、お弁当箱はあるし、様々なスープジャーの中で一番保温力が高いのは、日本製ではなく海外の製品だと言われている。
海外での「ランチ」と言えば、おそらくサンドウィッチ+コーヒーと言う感じだと思う。
日本の様に、ご飯+主菜+副菜という、自宅で食べる食事をコンパクトにした様な内容の食事を持って歩く、と言う食文化は珍しいのでは?それに加え、お味噌汁まで持ち歩くために、スープジャーなのだ。
海外の「スープジャー」は、どちらかと言えばアウトドア向けの商品で、決して日々のお弁当向けに作られている訳ではない。事実、サイズも日本の場合200㎖~350㎖程度なのに対して、海外の製品は500㎖と、大きい。3~4人分のスープを持ち歩くことを想定して作られているのだ。
そう考えると、「お弁当」という文化は日本独特のもので、その文化があったからこそ「保温型お弁当箱」とか「一人用スープジャー」が誕生したのだと思う。
それだけではなく、もしかしたらこの「一人用スープジャー」、海外でも人気になるのでは?と言う気がしたのだ。
それは、「スープジャーで作る簡単レシピ本」などに紹介されているメニューを見ると、実に多彩で、食事制限やダイエットをしている人にとっても、とても便利だからだ。
日本の進化し続ける「お弁当文化」は、マンガなどとは違う「CoolJapan」なのでは?
そんなことを考えた、お弁当売り場だった。