日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

3.11以降の社会

2011-06-08 15:25:43 | アラカルト
拙ブログでも「3.11以降」をテーマに、エントリをしてきた。
そして、最近フッと思ったというか感じたことがある。
それは「3.11という大きな変革」というコトだ。

例えば、「東日本大震災」の津波の映像を数限りなくニュース映像として見た人の中には「モノの価値」というコトを考えるようになった。
そして「これまでのブランド信仰」のような価値観に、虚しさを感じるようになった人も少なからずいる。
「震災にあえば、一瞬のうちにあらゆるモノを失ってしまう」と、感じ始めているからだ。

他にも、これまでのような「お金が解決できる」コトよりも「お金で解決できないコト」に注目しはじめているような気がするのだ。
その一つが「被災地ボランティア」だろう。
ボランティアとして活動をするということは、お金ではなくある種の「達成感」があり、同時に「認められ感」もある。
「人様のお役に立った」という実感だ。

そのような意味で、「東日本大震災」は日本人の価値観を大きく変えてしまった。
それだけではなく、世界に対しても代えてしまったかもしれない。
それは震災直後の日本人の行動だ。
余りにも自然に、人と分かち合い、譲り合う姿というのは、世界各中から賞賛の声となったが、同時に日本人自身も忘れていた価値観が復活したような気がしている。
いみじくもそれは、マイケル・サンデル教授は「地球市民」というコトバで表現した。
日本人が持っている善良的な価値観は、これから先、世界のスタンダードとなる価値観かも知れない。
むしろそうなるために、必要なことは何なのか?というコトを、真剣に私たち自身が考えなくてはならないような気がしている。

もう一つは、東京電力「福島第一原子力発電所事故」だ。
この事故によって、世界のエネルギー政策に問題点を投げかけた結果となってしまった。
例え、後手後手となっている対応策であろうと、大きな教訓と新しいエネルギー政策を市民レベルで考えるキッカケとなったことだ。
一部では中国は「トリウム型原発」を進めはじめている、という報道があったり、ドイツでは「自然エネルギー・循環型エネルギー」の本格的な運用を検討し始めている。
問題なのは、この事故が起き収束の目途も立たぬまま、様々な情報が飛び交い生活者を不安に陥れている日本が、何のビジョンも語られていないという点だろう。

ソフトバンクの孫さんは、自費で「自然エネルギー政策所」のようなモノを立ち上げたりして、話題となり注目されているのだが、個人やある特定の団体で解決できるような問題では無い。
その事は、十二分に政治家の方たちも理解しているはずだ(と、願っている)。

世界は、3.11以降様々なコトを感じ、考え、行動に移し始めている。
でも本来であれば、その中心にいなくてはならないのは、日本なのだ。
その事に、早く気づいて欲しい・・・政治家のみなさん。