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JAL再建の一歩となるか?「JALパック」復活

2010-01-24 22:38:28 | ビジネス
朝日新聞のWEBサイトに「JALパック」復活という内容の記事が掲載されていた。
ご存知の通り、JALが事実上の破綻をし、直後には大幅なリストラ策が発表された。
その一方で、Jリーグチーム清水エスパルスが、無償でJALのロゴをユニフォームの左肩に使うと発表している(紹介記事は静岡新聞)。
旅行代理店の最大手であるJTBも、JALの支援を表明している。
旅行業界だけではなく、様々なJAL支援策が発表されている中での「JALパック復活」というニュースだった。

ただこの記事を読んだ時、不安に思ったことがある。
それはJALがどれだけ、今の生活者の旅行スタイルを理解しているのか?というコトだった。
「JALパック」というパック旅行が、海外旅行の代名詞のように言われていた頃は、「一生に1回は海外旅行がしたいな~」という感じだったのではないだろうか?
今から、30年くらい前の日本人の海外旅行の感覚というのは、そんな感じだったと思う。
それから、海外旅行そのものが身近なモノとなり、今では「年に1回海外旅行」という人も少なくない。
それほど、海外旅行が特別なモノではなくなってきたのだ。
「JALパック」が無くなった理由も、そこにあったのではないだろうか?

海外旅行のスタイルは、人様々でそれぞれの希望に合わせようとすると、それまでの「パッケージツアー」では対応できない。
だから、ある程度のグレードが保たれたホテル、添乗員の同行・・・至れり尽せりのツアーと、現地で自分スタイルの旅行を格安で楽しめるツアーという棲み分けのために、名前を変えたのでは無かったのではないだろうか?
それを統合するというのは、果たして・・・???というコトなのだ。

今の生活者は、「JALパック」が無くなった頃よりも、もっと多様化している。
それに応えられなければ、意味がなくなる。
何よりも「JALパック」という商品は、JALそのものを象徴するような商品なのだ。
これまでの「ナショナル・フラッグ・キャリアーが作る旅行」という視点から、どれだけ脱却できるのか?その視点があるのだろうか?
そんな不安を持ってしまった、記事だった。