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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

現場だけが頑張る介護でいいのか?

2007-06-06 22:02:08 | 老親介護
昨日起きた「コムスン」の指定介護業者停止という厚生省の通達は、1日過ぎてまた新たな動きを見せている。
グッドウィルグループ内の同じ介護企業へと譲渡することで、サービスの維持を図るということなのだが、既に各方面から反発の声が出ている。

そんな中、たまたまテレビのチャンネルを合わせたNHK教育テレビで、「福祉ネットワーク」という番組に目が止まった。
NHK総合などは、大掛かりな番組作りばかりが目に付きまず見ることはないのだが、NHK教育は時々良質な番組を提供しているという印象をもっている。
そして、以前から予定されていたとはいえ、このタイミングで「介護保険や介護事業者の問題」を取り上げていた番組の再放送というのは・・・。
番組の主な内容は「介護保険」の問題点だったのだが、その中でゲストの方が「一生懸命、受益者である人たちのことを考え、事業を細々とやっている地元の小さな事業所が潰れ、儲かりそうな事業だからという理由で大きな企業が、参入し(現場の努力など関係なく)儲けを優先させることが多くなってきている」と言っていたことだ。
機会があれば、見ていただきたいとおもうのだが、残念なことに、この番組がWEBサイトなどで見ることができない。

番組を見ていて感じたことなのだが、政府も事業者も「現場の頑張りだけに頼っている」という、現実だ。
現場で一生懸命にホームヘルパーやケアマネージャーとして仕事をしている人たちは、誇りを持ち、担当している要介護者に対して接している。
だからコムスンのヘルパーさんなども、サービスを受けている人たちから「困ってしまう」という声があがるのだろう。

一方、今回の件でグッドウィル・グループという企業のもう一つの顔が、浮かびあがってきている。
それが「コムスン」と譲渡先として名前の挙がった「日本シルバーサービス」という企業は、グッドウィル・グループが事業を買い取った企業だということだ。
「人材派遣」というキーワードで、(儲かりそうな)事業を次々と様々な企業を買収してきたことだ。
その一つが「介護」という分野だったのだ。
それは、老人介護という分野だけではなく、「障害者サービス」という分野も含めての事業なのだ。

「障害者サービス」といった場合、経済的自立を目指すことを目的している授産施設などが一般的だが、こちらは生活自立支援を目的としていて、高齢者介護と似ている。
そして同じことが、この障害者サービス事業でも行われていたようなのだ。
私が、福祉事業の法的内容を知らないためでもあるが、ある意味、福祉事業の盲点を突いているような印象がある。

「福祉を食いモノにしている」というのは、とても簡単なことだ。
本当の問題は、儲けを優先する事業体だけではないはずなのだ。

これで信用できるのか?

2007-06-06 21:47:35 | 徒然
今日、社会保険庁のミスが新たに発覚した。
ニュース等々で、既に報道されているのでご存知の方ばかりだろう。
その言い訳?が「厚生年金などへの脱退者だったから」だったようだが、二十歳からの加入となれば、学生から企業に就職したりすれば当然、国民年金から厚生年金へと変わる。
社会保険庁職員という「プロ」でなくても、分かることだろう。
それを・・・、呆れてモノがいえない。
この人たちが、現在の支給対象者に対して再調査を1年以内に完了させる、といっているのだが、どう考えてみても「不明」は増えても、減ることはないだろう。
どう考えてみても、無理な話だということが良くわかる。
そして、そんなことを平気で国会などで話している人たちを見ると「信用できないな~」と確信していまうのである。

そして「コムスンの営業停止通達」が、今日出されている。
コムスンだけではなく、このような事件は後を絶たない。
それだけ「介護ビジネス」は、難しいものなのだ。
そのことを如実に表しているのが、ホームヘルパー資格者数と就労数の格段な差だろう。
現場で働いている人たちの就労定着率の悪さから言えば、介護などは極めて悪いといわれている。
重労働の割に、それに似合っただけの収入が得られないことや、実際の労働で体を痛めてしまう人が多いからだ。
もう一つの原因が、「介護」に対する世間的な見方だ。
「要介護状態になったとき、誰に面倒を見てもらいたいか?」という質問に対して、その多くが「家族」と答えている。
そこには、介護をする家族への負担は二の次となっている。
それは政府も同じ考えのようだ。
脳疾患などで、半身不随などになった場合のリハビリや介護応援について、具体的な対策など検討されているようには思えないのだ。
確かに、「民間でできることは、民間でする」メリットは大きい。
だがそれには、それ相応のお金もかかるし、それなりの社会制度も必要なはずだ。

「コムスン」のやったことは、許されることではないだろう。
その制裁として、事業の停止が通達されたのだ。
今、街中で見かける多くの「○○ケア・サービス」という名前の入った車を見るたびに、ビジネスの難しさを感じているし、介護ビジネスと医療ビジネスは儲けよりも、社会責任が先に要求されるビジネスでもある。
タテノリ音楽に合わせて、ボディコンに扇子片手で、お立ち台で踊り狂うのとは訳が違う「ビジネスチャンス」の本当の姿を、キチンと見なくてはいけなかったということだ。

今の日本、信用できるモノ・コト・人はどこにいってしまったのだろう?
そんなニュースばかりが、最近目に付く。