日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

兵どもが夢の後-愛知万博-

2005-09-26 20:53:31 | トレンド
「ホワイトバンド、LOHAS・・・流行に注意」のエントリーに、コメントを下さった「お疲れ」さま、ありがとうございました。
「ロハス・メディカル」からすれば、「安心できる医療サービスの提供」という目的があると思うのですが、利用者である患者サイドからすれば当然のことだと思うのです。
とすれば、医療サイドが患者に対して「ズレ」が、あるということなんですよね。
こういう指摘をすることも、マーケティングの仕事だと思っています。
決して金儲けというだけではなく、「ソーシャル・マーケティング」という視点もあるので。

昨日、半年に及んだ「愛知万博」が終わった。
今日の新聞などでは、会期間中毎日通ったという主婦や、海外パビリオンの備品などがネットオークションなどが、取り上げられている。
そして、今日の夕刊になると閉幕から一夜、リニモはガラガラ 前途多難?(毎日新聞より)などの記事へと変わってきた。
今回の万博で「名古屋経済が元気」というイメージが、全国的に根付いたような気がするのだが、実のところブログで何度か書いている通り名古屋の経済は決して元気ではない。
元気なのはトヨタ自動車とその関連会社に代表されるように、極々一部の企業なのだ。
その実、「何とか万博が終わるまでに再就職をしないと・・・」と、不安げに話をしていた友人もいたし、名古屋市内でも一番古く繁華街にある「ダイエー」も、営業不振により来月の撤退が決まっている。
名古屋名物?地下街でも、「リニューアル・店舗改装中」という紙が張られている店舗がいくつもある。
現実は、そんなものなのだ。

何よりも、「万博」が果たした役割りはこれから検証がされていかなくては、膨大な費用を掛けた意味が無い。
「一体、何を世界に発信をし、世界が何を感じたのか?」ということが、なければ単なる「企業の技術発表会と、万国物産展」で終わってしまう。
そして、入場者数についても「数字のマジック」に、騙されてはいけないのではないだろうか?
「入場者数が、目標よりも多かった」と言っても、リピーターが多かったはずだ。
「期間パス」によって、上述したようなリピーターが多かったというのも、今回の万博の特徴だからだ。すなわち、「入場者数=延べ人数」ということなのだ。
単純に、「つくば万博の入場者数を超えた」、「目標人数を超えた」と言っても、その根拠となる数字が「延べ人数」なのか?否か?
一番問題になってくるのは、会場となった場所の跡地利用。
「さつきとメイの家」等一部は、そのまま保存されたりすることが決まっているだけだ。
当初計画のように団地が作られるとは思わないが、「自然の叡智」というテーマを掲げた万博だったことを、自治体は考えて欲しいものだ。

それにしても・・・既に「リニモ」の負債を抱えるようになるのかも知れない現実って・・・。