天の海に 雲の波立ち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ
柿本人麻呂
この写真は、何日か前の、早朝の月の船。
月の光はどこからくるのか?
そのこたえはもう大概の人が知っている。もちろん太陽から来た。
では、その太陽の光はどうやってうまれたのか?
そのこたえは、「核融合によって生まれた」、である。
「核融合反応」に最初に気づいた人物はアーネスト・ラザフォードである。
1917年イギリス・マンチェスター大学の実験室で、その核融合反応は偶然に起こっていた。ラザフォードはアルファ粒子(アルファ放射線、その正体はヘリウムの原子核)の実験を行っていた。ところがその中に、予測値を越える飛距離を出すアルファ粒子があることが認められた。どういうことだろうか? 「とてつもない重大なことが起こってるのではないか?」 ラザフォードは実験を繰り返し、考え、やがて1919年結論を得た。
空気中の「窒素原子(原子番号7)」が、アルファ粒子によって、「酸素原子(原子番号8)」に変換していたのだ!
これは、錬金術ではないか!
「窒素原子」にアルファ粒子の「陽子1個」が飛び込んで融合したのである。窒素原子は「酸素原子」に換わり、同時に、そこにはエネルギー(つまり光)が発生する。(アルファ粒子の飛距離が大きくなったのはそのためである。)
A・ラザフォードはニュージーランド人である。やがて彼はイギリス人となり、多くの貢献によって“ラザフォード卿”となった。その紋章には、放射能曲線、キウィ(ニュージーランドの鳥)、マオリ族、ヘルメス神(錬金術の神様)がデザインされている。
J・J・トムソンの後を継いで4代目のキャベンディッシュ研究所所長に就任したのがこの男である。
しかし核融合といってもいろいろある。太陽の光(エネルギー)はどのようにした生まれるのか? 具体的にどのような核融合反応が太陽の中で起こっているのか?
そのからくりが解明されたは、1930年代後半のことになる。
われわれの太陽で行われている核融合は、陽子(水素)が融合してヘリウムになるという型のもので、陽子-陽子連鎖反応という。これはドイツのフォン・ヴァイツゼッカーらによって考案された。
ところが、実のところ、太陽の温度はこのタイプの「核融合」を行うには温度が低すぎる(!)と考えられていた。 この核反応は、要するに、「陽子」と「陽子」が近づいて「融合」するのだが、それぞれの陽子にはバリアー(障壁)があってそう簡単には近づけない、そんなふうになっている。近づくためには、バリアーを壊すために大きなエネルギーが必要なのだが、それが「熱」というわけだ。ところが太陽の温度は15000000Kだが、計算上それでは足らないというわけだ。
だがやがてその問題は解決された。「トンネル効果」がそれを解決した。「トンネル効果」を使えば、少し低い温度でも「核融合」は起こり得るではないか…! それに気づいたのは、ドイツに生まれ、オーストリア人として育ったフリッツ・フスターマンスである。
なお、「トンネル効果」とは、ウクライナ生まれソビエト連邦の物理学者(後にアメリカに亡命)のジョージ・ガモフが、ドイツ・ゲッチンゲンに留学して量子力学を学んだ時に発見した理論である。量子の世界では、‘粒子’は同時に‘波’でもあるという。重ね合わせた存在なのだ。だから、‘粒子’では越えられない「壁」も、‘波’に変身することで越えることがあるのだという。それが「トンネル効果」である。
フスターマンスはドイツ・ゲッチンゲン大学でガモフと知り合い、「トンネル効果」のアイデアを吸収したのであった。 (ゲッチンゲン大学は量子力学の中心地だった。)
太陽の中では、「トンネル効果」を使って、水素と水素がぶつかり合い、「融合」してヘリウムとなり、同時に、「光」が生まれているのである。
(この反応ははつまり‘水爆’の基本原理である。)
フスターマンスは恋人と共によく晴れた夜空を眺めていた。彼女はこう言った「ねえ、星って本当にきれいね!」 彼はこう応えた「実はね、僕は昨日、星が輝いている理由を突き止めたんだ。」 2年後、彼は彼女と結婚した。
と、このように、水素の「核融合」には、巨大な「熱」(つまりエネルギー)を必要とする。太陽並みの「熱」を。 融合してしまえば、それ以上の見返り(エネルギー)が得られるのだが…。そういうわけで核融合の実用化はなかなか大変なのだ。
ふと、以前、‘常温核融合’がどうのという騒ぎがあったことを思い出した。あれはなんだったのだろう。
それは20年ほど前のことだが、ある科学者が「常温核融合に成功した」と発表したのだ。それが本当ならばすごい、というわけで、研究に乗り遅れてはいかん、と各国政府も色めきたった。
ところがどうも、その後それに成功したという話は全くない。
(追記; 全くない、というわけでもなさそうです。昨年日本で成功したとかそういう話があるようです。それが今後どう役に立つのか等は、僕にはさっぱりわかりません。)
そういえば同じ時期、‘常温超伝導’に成功したとか、そういう話もあった。
柿本人麻呂
この写真は、何日か前の、早朝の月の船。
月の光はどこからくるのか?
そのこたえはもう大概の人が知っている。もちろん太陽から来た。
では、その太陽の光はどうやってうまれたのか?
そのこたえは、「核融合によって生まれた」、である。
「核融合反応」に最初に気づいた人物はアーネスト・ラザフォードである。
1917年イギリス・マンチェスター大学の実験室で、その核融合反応は偶然に起こっていた。ラザフォードはアルファ粒子(アルファ放射線、その正体はヘリウムの原子核)の実験を行っていた。ところがその中に、予測値を越える飛距離を出すアルファ粒子があることが認められた。どういうことだろうか? 「とてつもない重大なことが起こってるのではないか?」 ラザフォードは実験を繰り返し、考え、やがて1919年結論を得た。
空気中の「窒素原子(原子番号7)」が、アルファ粒子によって、「酸素原子(原子番号8)」に変換していたのだ!
これは、錬金術ではないか!
「窒素原子」にアルファ粒子の「陽子1個」が飛び込んで融合したのである。窒素原子は「酸素原子」に換わり、同時に、そこにはエネルギー(つまり光)が発生する。(アルファ粒子の飛距離が大きくなったのはそのためである。)
A・ラザフォードはニュージーランド人である。やがて彼はイギリス人となり、多くの貢献によって“ラザフォード卿”となった。その紋章には、放射能曲線、キウィ(ニュージーランドの鳥)、マオリ族、ヘルメス神(錬金術の神様)がデザインされている。
J・J・トムソンの後を継いで4代目のキャベンディッシュ研究所所長に就任したのがこの男である。
しかし核融合といってもいろいろある。太陽の光(エネルギー)はどのようにした生まれるのか? 具体的にどのような核融合反応が太陽の中で起こっているのか?
そのからくりが解明されたは、1930年代後半のことになる。
われわれの太陽で行われている核融合は、陽子(水素)が融合してヘリウムになるという型のもので、陽子-陽子連鎖反応という。これはドイツのフォン・ヴァイツゼッカーらによって考案された。
ところが、実のところ、太陽の温度はこのタイプの「核融合」を行うには温度が低すぎる(!)と考えられていた。 この核反応は、要するに、「陽子」と「陽子」が近づいて「融合」するのだが、それぞれの陽子にはバリアー(障壁)があってそう簡単には近づけない、そんなふうになっている。近づくためには、バリアーを壊すために大きなエネルギーが必要なのだが、それが「熱」というわけだ。ところが太陽の温度は15000000Kだが、計算上それでは足らないというわけだ。
だがやがてその問題は解決された。「トンネル効果」がそれを解決した。「トンネル効果」を使えば、少し低い温度でも「核融合」は起こり得るではないか…! それに気づいたのは、ドイツに生まれ、オーストリア人として育ったフリッツ・フスターマンスである。
なお、「トンネル効果」とは、ウクライナ生まれソビエト連邦の物理学者(後にアメリカに亡命)のジョージ・ガモフが、ドイツ・ゲッチンゲンに留学して量子力学を学んだ時に発見した理論である。量子の世界では、‘粒子’は同時に‘波’でもあるという。重ね合わせた存在なのだ。だから、‘粒子’では越えられない「壁」も、‘波’に変身することで越えることがあるのだという。それが「トンネル効果」である。
フスターマンスはドイツ・ゲッチンゲン大学でガモフと知り合い、「トンネル効果」のアイデアを吸収したのであった。 (ゲッチンゲン大学は量子力学の中心地だった。)
太陽の中では、「トンネル効果」を使って、水素と水素がぶつかり合い、「融合」してヘリウムとなり、同時に、「光」が生まれているのである。
(この反応ははつまり‘水爆’の基本原理である。)
フスターマンスは恋人と共によく晴れた夜空を眺めていた。彼女はこう言った「ねえ、星って本当にきれいね!」 彼はこう応えた「実はね、僕は昨日、星が輝いている理由を突き止めたんだ。」 2年後、彼は彼女と結婚した。
と、このように、水素の「核融合」には、巨大な「熱」(つまりエネルギー)を必要とする。太陽並みの「熱」を。 融合してしまえば、それ以上の見返り(エネルギー)が得られるのだが…。そういうわけで核融合の実用化はなかなか大変なのだ。
ふと、以前、‘常温核融合’がどうのという騒ぎがあったことを思い出した。あれはなんだったのだろう。
それは20年ほど前のことだが、ある科学者が「常温核融合に成功した」と発表したのだ。それが本当ならばすごい、というわけで、研究に乗り遅れてはいかん、と各国政府も色めきたった。
ところがどうも、その後それに成功したという話は全くない。
(追記; 全くない、というわけでもなさそうです。昨年日本で成功したとかそういう話があるようです。それが今後どう役に立つのか等は、僕にはさっぱりわかりません。)
そういえば同じ時期、‘常温超伝導’に成功したとか、そういう話もあった。
その考える理由、事例をまとめパワーポイントにまとめました。7MBもあるファイルになりました。お返事がいただけるなら資料をお見せしたいと思います。GOOGLEやブログでお返事を頂く方法連絡を取り合う方法を知らないのでこれきりの一期一会になってしまうかもしれません。名前はばんまさのぶ伴 公伸といいJCFという研究会と電子情報通信工学会、日本物理学会に属しています。もしはぐれてしまったら探してみてください。インターネットでも私の論文が見つかると思います。
実験研究環境を持たない老人なのです。若い人に考えを伝える機会を持ちたいと思います。JCFの小島先生にはお渡ししたばかりですが、ことし2016のJCF17ではこのパワーポイントを使って皆さんにお披露目する予定です。