女流の甲斐智美さん(24歳)がネット将棋の女流最強戦で優勝しましたが、このときの彼女の戦法も「ゴキゲン中飛車」。ほんと、これ、流行ってますね。タイトル戦にも必ず出てくるし、プロでもアマでも、3割くらいはコレじゃない?
10年ほど前には、中飛車党は絶滅寸前で、近藤さん(近藤正和現六段)くらいだったのに。その近藤さんが『将棋世界』にその得意な中飛車の講座を書くことになって、当時編集長だった大崎善生氏が命名したのが「ゴキゲン中飛車」。以前にも書いたけど、この指し方は昔からあって、「力戦中飛車」などと呼ばれていたのが、すっかりこの「ゴキゲン」の呼び名が定着しました。そのほうが血が通っていて呼びやすいからでしょうね。近藤さんの性格が、よくしゃべって明るいところからそういう命名になったようです。
しかしそういった、おふざけ的な名前が本になって「研究」などという堅い言葉とくっついて後世に残るってのは妙な感じでもありますね。「ゼット(Z)」というのも今よく使われますが、あれも「ぜったい詰まない」から変じた言葉でしょ? 若者の言葉遊びですよね。でも、むかしも「ガッチャン銀」(真部九段の師匠の加藤治郎九段の命名)なんかありますし、だいたい将棋ってのはどこまでいっても「遊び」ですからね。
スキージャンパー札幌オリンピック金メダルの笠谷幸生選手もこう言っていました。
「スキージャンプは遊びです。遊びだから、仕事以上に真剣にやるんですよ。」
僕は30代なかばになって将棋に「現役復帰」しましたが、なかなか勝てないでいました。『羽生の頭脳』を買ってみましたが、さっぱりわかりません。そんなときに『将棋世界』の近藤さんの講座を読みました。ゴキゲン中飛車をおぼえ、すると、勝てるようになったのです。
この戦法のいいところは、これを覚えてしまうと、他の定跡を覚えなくていいというところです。先手でも後手でも使える。自分の土俵に引き込むことができる。それにその頃はゴキゲンが流行っていなかったので、解説書もないし、相手もどう指すか迷ってしまうのでした。
その点、いまは全く違います。プロのお手本が沢山あります。
最近の僕は、もっぱら「ゴキゲン退治」の側につくことが多いです。わりと好きです、ゴキゲン退治。でも時にはゴキゲンも指します。しかしそうすると「問題」が起ります。「問題」とはこうです。
相手も「ゴキゲン中飛車」、私も「ゴキゲン中飛車」、相ゴキゲン中飛車となることがあるのです。プロの将棋では見たことのないこの戦型が、アマではけっこう出現するのです! (おれはこれしかしらねえヨ)って人がわりと多くいるのではないでしょうかね。
この「相ゴキゲン」、わからないんですよ、指し方が。
こっちから角交換すると損だから▲7七角と指すと、相手も同じように△3三角。こっちが銀をくりだせばあっちも銀を…。先に仕掛けたら不利になりそうだし、仕掛けなかったら… どうなる? ん? などと考えて時間がなくなって、テキトー指しに…。
これ、アマ将棋の研究課題ですね。
東公平さんの観戦記の中でだったとおもいますが、大内(延介現九段)さんと升田(幸三ヒゲ九段)さんのこういう会話がありました。
「中飛車か。」
「そう。男は中飛車。それが正攻法。」
僕は中飛車をやるときに、いつもこの言葉をおもいだします。
10年ほど前には、中飛車党は絶滅寸前で、近藤さん(近藤正和現六段)くらいだったのに。その近藤さんが『将棋世界』にその得意な中飛車の講座を書くことになって、当時編集長だった大崎善生氏が命名したのが「ゴキゲン中飛車」。以前にも書いたけど、この指し方は昔からあって、「力戦中飛車」などと呼ばれていたのが、すっかりこの「ゴキゲン」の呼び名が定着しました。そのほうが血が通っていて呼びやすいからでしょうね。近藤さんの性格が、よくしゃべって明るいところからそういう命名になったようです。
しかしそういった、おふざけ的な名前が本になって「研究」などという堅い言葉とくっついて後世に残るってのは妙な感じでもありますね。「ゼット(Z)」というのも今よく使われますが、あれも「ぜったい詰まない」から変じた言葉でしょ? 若者の言葉遊びですよね。でも、むかしも「ガッチャン銀」(真部九段の師匠の加藤治郎九段の命名)なんかありますし、だいたい将棋ってのはどこまでいっても「遊び」ですからね。
スキージャンパー札幌オリンピック金メダルの笠谷幸生選手もこう言っていました。
「スキージャンプは遊びです。遊びだから、仕事以上に真剣にやるんですよ。」
僕は30代なかばになって将棋に「現役復帰」しましたが、なかなか勝てないでいました。『羽生の頭脳』を買ってみましたが、さっぱりわかりません。そんなときに『将棋世界』の近藤さんの講座を読みました。ゴキゲン中飛車をおぼえ、すると、勝てるようになったのです。
この戦法のいいところは、これを覚えてしまうと、他の定跡を覚えなくていいというところです。先手でも後手でも使える。自分の土俵に引き込むことができる。それにその頃はゴキゲンが流行っていなかったので、解説書もないし、相手もどう指すか迷ってしまうのでした。
その点、いまは全く違います。プロのお手本が沢山あります。
最近の僕は、もっぱら「ゴキゲン退治」の側につくことが多いです。わりと好きです、ゴキゲン退治。でも時にはゴキゲンも指します。しかしそうすると「問題」が起ります。「問題」とはこうです。
相手も「ゴキゲン中飛車」、私も「ゴキゲン中飛車」、相ゴキゲン中飛車となることがあるのです。プロの将棋では見たことのないこの戦型が、アマではけっこう出現するのです! (おれはこれしかしらねえヨ)って人がわりと多くいるのではないでしょうかね。
この「相ゴキゲン」、わからないんですよ、指し方が。
こっちから角交換すると損だから▲7七角と指すと、相手も同じように△3三角。こっちが銀をくりだせばあっちも銀を…。先に仕掛けたら不利になりそうだし、仕掛けなかったら… どうなる? ん? などと考えて時間がなくなって、テキトー指しに…。
これ、アマ将棋の研究課題ですね。
東公平さんの観戦記の中でだったとおもいますが、大内(延介現九段)さんと升田(幸三ヒゲ九段)さんのこういう会話がありました。
「中飛車か。」
「そう。男は中飛車。それが正攻法。」
僕は中飛車をやるときに、いつもこの言葉をおもいだします。
棒銀とかね!
そうですか。指しますか。
僕らの年代の男はまあみんな指せますね。
>K島さん
>そうか、先に角を換えたら損なんだ。
一手、手損になるということです。そんなことにこだわらないほうが男らしくって好感もてます。
>勝てると午後の勤務が晴れやか気分、絶妙手思い出したりしています(笑)。
そうなんですよねー。勝ったときはね。ええ。