はんどろやノート

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次の一手 問11 答えあわせ(シンプルver.)

2014年04月08日 | 次の一手
                        次の一手 問11 出題図



正解図


 正解は、「 4三角 」です。



 この▲4三角を、△同金なら――

図1
 3二飛と打ちます。
 後手は、(a)2二桂合か、(b)2二角合。
 どちらでも、そこで7八金と「銀」を補充すれば、後手玉には“詰み”が生じていて、先手が勝つ、という仕組みです。


図2
 「(a)2二桂合」に、「7八金」。 これを後手が「同銀不成」なら、「2一飛成、同玉、3一金、1二玉、2一銀」まで後手玉の詰み。

 (注意:7八金と銀を取らず3一飛行成では、先手負けになる。8八歩成、同玉、7六桂、同歩、7九角以下、先手玉は詰まされてしまう!)


図3
 「(b)2二角合」にも、やはり「7八金」とする。

図4
 「同銀不成」に、「2二飛成、同玉、3三角」(図)以下、詰み。
 同玉なら、3一飛成、3二合、2二銀まで。 他の駒で取っても、簡単ですね。



 上はしかし、正解手の「4三角」に対し、後手が“素直に同金”と取った場合でした。

 この角を取る前に、「8八歩成、同玉」、あるいは「8八歩成、同玉、7六桂、同歩」と細工をし、「4三金」とそれから角を取る変化などあって、するといろいろ複雑になります。
 先手も正確に対応しないと、負けになる筋も存在します。その例を少し説明しておきます。


変化図1
 「4三角」に、“8八歩成”。

変化図2
 8八同玉、4三金、3二飛、2二桂。 ここで「7八金」ですが――この場合は、7八同銀成が先手玉への“王手”になっておりまして――

変化図3
 しかも7八同玉なら、先手玉は詰んでしまう! (その場合はもちろん、負けです。)
 ですので、7八銀成には、「8七玉」と逃げますが、さらに後手は7七成銀(図)があります!
 これも取ると詰み。よって、「8六玉」とさらに逃げる。これでなんとか先手が助かっています。あぶない、あぶない。(後手の持駒は「角角金桂歩2」とたくさんあり、怖いところでしたがなんとかセーフでしたね。)

 ここで、後手陣には先ほどの、「2一飛成、同玉、3一金」以下の詰みがありますから、そこで後手はいったん受ける必要があります。受けるとすれば、4二角くらいですが…。

変化図4
 上の図から、4二角、3一銀、3三角打、4一飛成と進んで、この「変化図4」。 次に2二飛成~3二金の詰みがあり、それを受ける手段もないので、これは「先手勝ち」が確定です。


変化図5
 これはまた別のアヤシイ変化。正解手「4三角」に、“8八歩成、同玉、7六桂、同歩、7九角”。
 この7九角を同金は、同銀不成以下、詰まされてしまう! 取ってはいけない。
 
 でも大丈夫。ここは「9八玉」と逃げておく。
 そこで後手が4三金と角を取れば、先手玉は次に8七角までの1手詰め。ですが、それには、「3二飛、2二桂、7八金」が、“詰めろ逃れの詰めろ”になっていて、「先手勝ち」になります。


 このように、いろいろあるも、後手が4三金と角を取る変化は、正しく指せばいずれも「先手勝ち」。 


正解図(4三角)
 さて、もう一度、正解手「4三角」の図に戻って、ここで後手が4三角を取らずに放置して、先手玉に“詰めろ”をかけてきたらどうするか。
 その「答え」を示しておかないといけませんね。

図5
 仮に、後手が、「7六歩」とした場合。
 この手は“詰めろ”になっています。先手3二角成なら、8八歩成、同玉、7七歩成、同桂、8七歩(9八玉なら8九角までの詰み)、同角成、同銀成、同玉、7八角、同金、7六角、8八玉、7八銀成以下、詰みますから、先手負けです。

 じゃあどうするか。

図6
 「 2一飛成 」とする。
 「4三角」は、「2一飛成、同玉」以下の、後手玉への“詰めろ”になっていたのです!



塚田詰将棋200題』(金園社) 9手詰め第46問


 最初にこの問題を見たとき、悩んだなあ。
 今回のこの「次の一手」の問題図は、この塚田正夫の9手詰め詰将棋から発想してつくりました。
 実戦で、いつかこの詰めのパターンで勝つんだと、以前から僕は夢見ているのですが、いまのところはまだ実現しておりません。

 一応、『次の一手 問11 答えあわせ(ロングver.)』を書く予定でいるので、この詰将棋の答えはその時に。 (書かないかもしれないが。)
コメント
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