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十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

八名川句会

2010-05-18 | ジュニア俳句


一時は、つぶれてしまうのではないかと心配したこともあった八名川句会。しっかりした句会になってきました。
地域の方々が参加してますますおもしろい。
今回は11人の参加でした。

そして、今回の句会では、前PTA会長の津野さん圧勝。
二句とも最高点の五点。すげえものだなあ。

清水の舞台から飛ぶ気の蛙

このチョコに手は出せぬ夜の冷蔵庫

そして、その他三点句は、

青芝にわんぱく力士の笑顔あり

水鳥も屋形ものせる春の水

気に入らぬ風に遊ぶよ鯉幟

草いきれ君の首すじの匂ひかな

前髪を切りし少女に夏来たる


といったところでした。


来月の八名川句会は、6月22日(火)の予定です。


おくのほそ道追体験クルージング

2010-05-17 | ジュニア俳句

深川芭蕉まつりの一環として、「おくのほそ道追体験クルージング」が行われた。
芭蕉庵から門前仲町を散策した後、黒船橋の桟橋から千住まで船の旅。



運営にあたっているNPO本所深川から 船内で「俳句体験教室」をしたいので協力してほしいとの話があった。
私も、本所深川の一員なので、喜んで協力することにした。
「変身俳句」方式で、「やってみましょう」
ところが、朝、乗船名簿を見て驚いた。

奥坂まや という名前があるのだ。

奥坂さんと言えば、

万有引力あり馬鈴薯にくぼみあり

つばくらめナイフに海の蒼さあり

などの句で有名な俳人である。まいったなあと思ったが、仕方がない。



奥坂さんは、実に気さくな方で最後には、講評までして下さって、俳句づくり、そして帰りの簡易句会と楽しく過ごすことができ、役を果たすことができた。
良い経験だった。

高点句を紹介しよう。

風薫る若洲の海に都鳥

緑さす隅田涼しや舟の旅

夏場所ののぼり旗めく隅田川

新緑のまぶしき色に橋映る

若葉風芭蕉を訪ね隅田川

夏旅の頬なでてゆく若葉風

夏兆す素人ガイドも名調子


子どもの俳句を大切にする

2010-05-15 | ジュニア俳句
先日、現代俳句協会ジュニア研修部長の田付さんと話をした。
江東区内水神小学校での出張俳句教室のあと、区役所に寄ってくたれたのだ。
夏のジュニア俳句祭・学校俳句指導者交流会を江東区と緊密な連絡をとって行おうという話が主題だったが、その際に出張俳句教室のプリントをいただいた。
ここには、わずか2時間で子ども達の感性を引き出すノウハウが詰まっている。

この中に子どもの俳句の紹介がある。
子ども達自身が作った俳句を紹介することで俳句作りへのイメージを高めたり、変更させたりできるからだ。
芭蕉の俳句をまねるのではなく、子ども達の感覚にあった句こそ大切だという姿勢が明確に示されている。
実際、作品に触れることで発想が触発されひらめきが生まれるのは、大人でも子どもでも同じである。

八名川小学校の保護者であった阿部さんから次のようなコメントをいただいた。
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名句を覚えることは作句のためにも教養としても良いと思いますが、同年代のこどもの良い作品は作句の参考としては持ってこいだと思います。季語に因んだ写 真(できれば身近な場所で撮影したもの)なども添えてあるとより興味が深まるような気がします。ちょっと難しい季語でも写真でイメージが湧きやすくなる場 合もあるし高学年くらいになるとちょっと洒落た季語を使ってみたりしたくなるのでは。ぜひ、今までにない、本当の子どものための句集を作って下さい。

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この視点は、現代俳句協会の考え方とも近い。とても重要な視点という気がする。
現代俳句200選の時に、子どもの俳句をどの様に扱うのか。この事とも深い関係がある。
大事に考えていきたいと思った。


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扇橋小学校で授業

2010-05-14 | ジュニア俳句
扇橋小学校の2年生、2学級で授業をした。
明るくてかわいい子ども達だ。
遠足で作った「俳句」で句会をして楽しむ のが目標だ。

拡大コピーやプリントを学校の方でやっておいてくれたので、スムーズに授業を進めることができた。
高点句の子ども達をほめるととても嬉しそうなかおをする。
チンパンジーも学習をするが、「ほめる」という行為は、人間だけができる。
「ほめる」「ほめられる」「評価する」「評価される」ことが、学習への意欲を高め、能力を獲得する大きな力になるというのは、常識だが人間がチンパンジーと比べられないほど大きな能力を獲得する上で、もしかしたらこのことが決定的な力を持っているのかもしれない。
これは、ぼくが言っているのではなく、京大霊長類研究所長の 宮沢先生が言っていることだ。

プラスして、俳句の先生である小山先生がほめる。
ここまではうまくいった。
少し時間があったので、新たな俳句を作らせた。

季語+気づき

教室の中で気がついたことを探そう。

机の中は本いっぱい

気づいたことを調子の良い言葉で言ってみよう。

それに もう夏みたいだから 夏が来た をくっつけてみよう

 夏が来た机の中は本いっぱい

こんな調子で作らせようと思ったが、結果としてはうまくいかなかった。

一つは、何を気づいていいか分からない。 もちろん、うまい気づきを出す子どもはいるのだが、少数に留まる。
二つ目は、「なぜ、それに夏が来た」をつけなくちゃいけないのかストンと落ちない。
子どもからすれば、「夏が来た」と「ほんがいっぱい」は関係ないじゃん なのだ。

最初から「俳句づくり」を目的にすれば、何とかなるかもしれないが、わずかな時間では無理がある。
それに、二年生と言ってもこの時期の二年生は一年生に毛が生えたようなものだ。

そこで、次の学級では方針を変更した。

 なつががきた+□□□□□□□+おうぎばし

この□□□□□□□部分を考えさせた。これは、楽しくできた。
できた子には、好きな句を考えさせた。
全員が今度はできた。
いろいろ句を紹介してほめた。
子ども達ともとても喜んでいる様子だった。
最初の学級の先生には悪いことをしたと反省。


できたという達成感がないと授業は、失格である。
担任だと取り返せるが、飛び込みの授業だと無理だ。
絶対に成功するプログラムをきっちり組まなければならないと実感した。




一年生の俳句

2010-05-13 | ジュニア俳句

 

八名川小学校の一年生が、がんがん俳句を作っている。
いわゆる「穴あき俳句」のやり方だ。中七だけを考える。
このやり方ならば、一年生でも十分可能なのだ。その後で、下五、上七も変えていくと、すばらしい俳句になっていくからおもしろい。
自分のひらめきや言葉遊びを楽しみながら行っていくことが、今後につながっていく。

この日の課題は、 こいのぼり+○○○○○○○+だいすきだ

こいのぼりを見たときの自分の受けた感じを一言で表すわけだ。みんな違っていて、じつにおもしろい。

できた句を紹介しよう。

こいのぼりゆらゆらうごくだいすきだ

こいのぼりそらをおよぐのだいすきだ

こいのぼりかぜがしゅうしゅうだいすきだ

こいのぼりうみにいくのがだいすきだ

こいのぼりおおきくゆれてるだいすきだ

こいのぼりよるのそらもだいすきだ

こいのぼりおれんじかぜもだいすきだ

こいのぼりみんなといっしょがだいすきだ

こいのぼりひこうきのくもだいすきだ

こいのぼりぷかぷかおよぐだいすきだ

こいのほりあかるいそらがだいすきだ

こいのぼりなつのそらがだいすきだ

こいのぼりすずしいかぜがだいすきだ

・・・・・という具合。 先が楽しみである。


土田先生からのメール

2010-05-12 | ジュニア俳句
足立区の土田先生からメールが届きました。
土田先生には、俳句を活用した学級経営について、6月5日の学校俳句指導者交流会で報告していただくことになっています。
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今朝、学校に着いたら、深川芭蕉まつりからの封筒が届いていて、校長先生から「おめでという。すごいよ。」と言われ、開封して驚きました。
発送したときは、「ま、こんなもんかなぁ・・。まだまだかなぁ・・・」なんて思いながらの句たちが、キンキラキンの輝きを放っているように感じてしまいました。
 
クラスで、早速、「エー話がある!」と、もったいぶって一句ずつ紹介し、拍手で表彰しましたが、口数の少なかった女の子が、ひかえめだけど、立ち上がってガッツポーズを見せてくれ、それをまたうらやましそうに・・・でも、喜びを共有するような笑顔と笑い声が重なり、まるで、カンヌ映画祭の発表現場にいるかのようでした。
実行委員長賞に選んでいただいた句の少年は、いつのまにか、背中でクラスを鼓舞するような行動をするようになった“元・手ぬき、さぼり人”でしたが、2月ごろから、急成長してきた子です。サッカーが大好きなんですよ・・・。
 
実は昨日(朗報を受け取る前日)、19日からの日光自然教室での、「日光句会」に向けての学年集会を開き、120人ほどで、俳句の入門講座を開いたところでした。とにかく作ってみようよ・・・で集まった30句ほどの中で、私が気に入ったのは、次の句です。

  ●日光のきもだめしのこと姉に聞く

わくわくどきどきしていること、家族関係の様子が見えてくるようで、うれしくなっちゃいます。じゃぁ、がんばってオドカサなくちゃ・・・なんて・・・・。

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学級の生き生きとした情景が見えるようです。
6月5日には、こうした話を直接聞けると思うとわくわくしてきます。

参加を希望する方は連絡をいただければ用紙を送ります。
どうぞご遠慮なく。


句会 いちじはん

2010-05-11 | ジュニア俳句

句会「いちじはん」は、1周年を迎えた。
きっかけは、文学の森社主催の八名川小学校で行われた若手俳人養成のための句会だった。
その時、司会を担当した俳人の北大路翼さんが中心となり、中学生・高校生も育てる句会として出発したのだった。
現在は、北大路さんら若手俳人、中・高生とその保護者、学校の教員ら色々な層の年齢も様々な人々が寄り集まる世にも珍しい句会となっている。

4月からは、新中学生もメンバーに加え、一層充実している。
9日は、清澄庭園で吟行。


.
実に気持ちの良い天気であった。

その後、八名川小学校にもどって句会。

この日の高点句は、次のようである。

母の日にまわし干してる相撲部屋

清澄の空切り取って夏燕

明日からはもう生意気は言えぬ春

夏帽子後ろ姿のみな同じ

青鷺のもうこの庭を知り尽くし

青鷺が抜き足差し足蜥蜴刺す

昼寝などさせるものかと窓を開け

6月の句会「いちじはん」は、6月20日(日) 

吟行の場所は錦糸町・金糸公園を予定している。



「楽しいな」を使わず俳句を作る実践

2010-05-10 | ジュニア俳句

足立区の山本先生から実践の記録が届きました。

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  「楽しいな」を使わずに俳句を作る実践
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これをどう突破するかは一つ大きな壁になっています。
山本先生の実践は、この壁に挑戦しました。
この実践は、どの学級・学校でもすぐに応用が利くすぐれものです。
ぜひ、取り組んで下さい。
山本先生ありがとうございます。
次の実践も楽しみにしています。

○○○○○+□□□□□□□+うれしいな←「初夏の風」…

連休明けに連休の出来ごと等で俳句作りを行いました。

日頃、子どもたちが作る俳句に「たのしいな」「うれしいな」など気持ちを表す言葉が入る事をどうクリア―させようかと、考えています。今回はそこを乗り越えさせるための試案・試行の実践です。次のような手順で行いました。


「楽しかった事」を五七五で書く。その際、下五は「たのしいな」「うれしいな」「おいしいな」等にする。→サッカーでシュート決まったうれしいな
下五の気持ちを表す言葉を「季節を表す言葉」に置き換える。→サッカーでシュート決まった夏の空
①と②の間で、季節を表す言葉でも「うれしい」や「たのしい」気持ちが表現できること教えました。
今回は、「夏の空」、「初夏の風」、「五月来る」の季語を紹介しました。
 

授業を行ってみて感じたのは、

◎出来ごとに季語を組み合わせる「取り合わせ」の感覚は、子どもには多少難しいこと。

◎しかし「取り合わせ」の感覚に、子どもたちは順応できること。

◎日頃から季語について子どもたちに紹介し、子どもたちが季語を理解し、季語の力がわかるようになると可能性が大きく広がること。

の、3つです。 

子どもたちの作品から一人一句ずつ選んで全員分を以下に添付いたします。

                    

くじびきでてっぽうあたり夏の空   

いちごがり家族で食べて夏の風    

ともだちとたけのこをほる五月来る  

サッカーのしあいで勝った夏の空   

先生はいつもやさしい夏の空     

あさくさでおすしを食べて五月くる  

金魚すくいたったいっぴき夏の空   

父さんのいびき大きな夏の夜     

休みの日いとこがくるよ初夏の風   

公園におたまじゃくしだ夏の風    

ボブスレーすっごく早い夏の空    

おとうととボールで遊ぶ夏の空    

じゃんけんぽんまけてばっかり夏の空 

やぐらの上たいこいい音初夏の風   

朝早くジョギングしたよ初夏の風   

バーベキューいっぱい食べて五月来る 

野球でね相手にかった夏の空     

けん道で面をとられて夏の風     

昭和の日いっぱいあそび夏の空    

フットサル三位になれて五月来る   

新かん線青森つうか夏の空      

たてばやしつつじいっぱい夏の風   

友だちといっしょにあそんで夏の空  

つつじ色のアイスクリーム夏の空   

小諸市のいとこと遊んで初夏の風   

子どもの日タルト作って五月くる   

こどもの日たくさんあそんだ夏の空  


覚えてほしい俳句200句選

2010-05-08 | ジュニア俳句

今、子どもに覚えさせたい俳句200句を選ぶ作業をしている。
200句というのは、次の基準による。

小学校3年から6年の4年間毎週一句ずつ覚えるとなると一年間50週つまり50句×4年間で200句という計算なのだ。
指導要領のように1週を35週で計算すれば、140句となる。

選び始めて気がついたことがある。
順不同でメモをしてみる。

○小林一茶はわかりやすい。子どもがわかりやすい気がする。
○歴史的にどうしても載せる必要があると思う句がある。
芭蕉の句などは、その典型である。
○季語がわかりやすいものでないと子どもには適さない。
○この季語では、絶対この句いう代表句もあるということも分かった。

例えば 去年今年貫く棒の如きもの
葉桜の中の無数の空騒ぐ
海に出て木枯帰るところなし etc.

もちろん、どの句を取り上げるか個人差はあると思うが、こうした「これは動かないぞ」という句を200見つければ良いと言うことだなあ。
佳句は多くあるが、絶対これだと思える句はそれほど多くはない。
それは、俳句の未来がまだまだあるということだなあ。

○子どもの句にも良い句がたくさんあるが、「おぼえろ」ということになるとどうかなあ。ちょっと違うかな。そうなると子どもの句は文学作品と言えないということか?

そんなことを考えながら選んでいる。


俳句の町 江東区を目指して

2010-05-07 | ジュニア俳句

と、表題を掲げたが、これはずっと先の話だ。
が、いずれはという思いがある。
目指すは「松山」だ。
確かにスケールから言うと、地方都市の方がずっとやりやすい。
範囲が限定されているからだ。
地方では文化圏が築ける。
手に届く範囲に対象がいる。
メディアとのつながりも強い。

それに反して、江東区は独立した文化圏になりにくい。
では、デメリットばかりか。
そんなはずはないと思う。

例えば、先日のNHKBSニッポン全国俳句日和には、江東区の子ども達が出演し、江東区が会場となった。中央のメディアと直接つながれる可能性が高いということだ。
現代俳句協会の本部と結んで出張俳句教室を行えるということも、メリットの一つだろう。著名な俳人を呼ぶことも地方と比べれば相当に容易だ。
このことは、一挙に江東区が全国区に名乗りをあげる可能性があるということでもある。

このメリットを最大限に生かそう。
と同時に、地道に地域での活動を積み上げていくことが絶対的な条件だ。

きのう、江東「どんどんどん」のKさんが見えた。
「どんどこどん」は、人とまちをつなげるNPO・市民活動情報紙と位置づけられている。
そのトップページに写真俳句を掲載できないかという相談であった。これは、新江東歳時記につながる提案である。
いくつかの案を具体的に検討し、実現につなげようということになった。

NPO本所深川のYさんからも依頼があった。
5月16日の「おくのほそ道」追体験クルージングで「俳句体験講座」をしてくれないかという依頼であった。
以前、東京スカイツリーと深川を結ぶモニターツアーで同じような試みをしたことがある。わんぱく相撲の日でもあるし、「波」の東京例会の日でもある。が、引き受けることにした。
今は、なんでもいいから、色々なところに俳句が入り込んでいくことが大切なのだ。