十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

全校遠足の俳句

2007-10-31 | ジュニア俳句
きのうは、五・六年に深川保健所の方に「煙草の害について」の話をしていただいた。この事は、小学生の内に教えておくことが大切だ。子どもの煙草は、シンナーや覚醒剤への入口になる。
今日は、音楽朝会で、手話入りの「てのひらを太陽に」歌声がだんだんきれいになる。本校の音楽の教員は若いが、ナカナカのものだ。毎朝、吹奏楽の指導をするだけでなく、授業もどんどん上手になる。一人一人の状況をよく見ている。それが子どもの歌声がよくなる背景だ。
一年生は、神明幼稚園に「ラーメン体操」を教えに行った。
そして、明日は、二年生の研究授業。毎日色々なことがある。

月曜日の全講遠足。葛西臨海公園・水族館。早速俳句に三年生がこの事を詠んだ。

 きゅうくつだおしくらまんじゅうバスの中

都バスを借りていったものだから、バスの中はナカナカ大変。
葛西臨海公園に到着。

 遠足ですいぞくかんにかんらん車

そして、最初は水族館。

 泳ぎ方いろんな魚がせいぞろい
 すいぞくかんサメにあったらにらめっこ
 うにくんのまっくろくろすけでておいで
 ペンギンがこっちをむいてこんにちは
 ペンギンとおよいでみたいな海の中

縦割り班でのお弁当。

 おべんとうありがいっしょにいただきます
 えんそくでおやつタイムはとっておき
 風つよくビニールぶくろとおにごっこ

そして、帰りは、

  えんそくは足がいたくてギブアップ

  バスの中帰りはぐだぐだタコのよう

であったが、天候にも恵まれ楽しい一日だった。

紙飛行機の俳句

2007-10-30 | ジュニア俳句


昨日のテレビタックルの放映。教育大崩壊の片棒を担がせられるのかいささか心配であったが、中味はまあまあでほっと胸を撫で下ろしている。しかし、コメントの仕方は、もっと歯切れよく大胆に語らないとテレビ向きにならないと痛感した。

先日、五年生で「飛行機はなぜ飛ぶか」という特別授業を行った。講師は、キャノン元研究員の山本博氏。
紙飛行機を作りながら、飛行機の飛ぶ原理、飛ばす技術を教え、体育館で、ラジコン飛行機の見事な操縦を披露してくれた。
その時の様子を書いたのが次の句である。
季語などはあまり意識していないが、生き生きと情景を伝える句に成っている。
この事は、五・七・五の形式が、様々な学んだ事柄をまとめる、しかも本質を短くまとめ・掴むことに適していることを意味する。

秋の昼飛行機つくりあせをかく

飛行機が空をかけぬけ感動だ

飛行機がビューンビューンと飛んでいく

飛行機がくるくる回る夢の国

飛ぶかなとなげてみたら急こうか

ラジコンが上下左右に大こうふん

飛行機が秋空まうよ鳥のよう

紙飛行機こんなにとぶのはじめてだ

手をはなし飛行機の上に秋の空

飛行機がかべにぶつかり大じこだ

飛行機はたくさん仕組みがあるんだね

紙飛行機向かいの風で落下した

飛んでいる体育館にラジコンが

体育館紙飛行機でいっぱいだ

ヘロヘロと私の飛行機落ちていく

飛行機が天井はまって大さわぎ


新島小の子ども達と先生は天才!

2007-10-29 | ジュニア俳句
新島小学校の1年生の素敵な俳句が担任の先生から送られてきました。

小山先生
先日は、ご多用のところ新島まで来て頂きありがとうございました。
また、俳句の授業を見させて頂きとても勉強になりました。
十月二十四日にさっそく1年生の児童にも俳句作りをさせてみました。

「はいくをつくろう」
生活科で「秋探し」をしてから俳句作りをしました。
初めての俳句作り。何句も作れる子と、一句作るのにも苦労しているこまでペースは様々でしたが、句会までできました。

かきのみがおれんじいろでゆらゆらと

うんていを手でさわったらわあつめたい

いちょうの木はっぱがかぜにさそわれる

いちょうのはっぱいちまんまいもあるかもね

チューリップまだめがでないよおきてくれ

ひめぎくのはなびらぴろぴろゆれている

かきのみがおひさまのいろおいしそう

いちょうのはななめにおちてとんぼみたい

いちょうのはかいてんおどりさらさらさら

そらのいろまえはまのうみとおなじいろ

おおしまざくらかぜにゆれてすずしそう

きのこがプルプルしてるうまいかな

いちょうのはかいてんしてるくるんくるん

かきのみがいっぱいえだになってるよ


-小山-
びっくりして言葉も出ません。
初めて俳句を作ったなんて信じられない。
素晴らしい感性だし、素晴らしい指導です。
発見がある。感動がある。そして、子どもらしい表現。ことばの工夫。まさに創造です。
十分間俳句の見事な見本がここにあるという感じです。

例えば、

いちょうのはっぱいちまんまいもあるかもね

この句にはびっくりしました。なるほどと思いました。数えられないほど沢山の葉っぱがあるのです。冬になるとそれが次から次へと降ってきます。次の日も次の日も・・・・・ その葉っぱの多さが「いちまんまい」と表現されています。見事と思いました。

「ゆらゆら」とか「ぴろぴろ」とか「さらさら」とか「くるんくるん」とか「プルプル」とか自分の感覚にあった言葉を見つけ出している。
「いちょうのはがななめにおちる」
この感覚、そして「とんぼ」にみたてる。たいしたものです。

指導力のある先生の手にかかると、一回へたくそな授業を見ただけで、それをアレンジして見事にしてしまう。
すごいの一言です。
毎日小学生新聞や朝日小学生新聞などに応募されたらどうでしよう。
新島の子ども達と先生は天才です。



ちょっと宣伝

2007-10-28 | ジュニア俳句




実は、今月の十七日にテレビ朝日(たけしのテレビタックル)が取材に来た。取材対象は、主に本校の行っている学力向上策-学習塾との連携事業にかかわるものである。
ディレクターさんのふれこみでは、ゆとり教育の見直しなど世間では色々取りざたされているが、すでに克服に向けた実践に取り組んでいる先進校を取材したいということであった。
これまでも、本校は何度もマスコミの取材を受けている。本校の基本的なスタンスは、報道系の番組は取材を受けるが、それ以外は受けないというものである。
今回は、教育委員会からの要請もあり、特殊なケースである。
今回の場合は二重のリスクがある。
第一は、映像の編集の仕方である。
「学習塾との連携事業は、本校で行っている様々な外部連携のひとつにすぎず、+αを狙ったものだ」と口を酸っぱくして説明しても、「学校に力がないから学習塾を導入した」と印象づける編集がなされる場合がある。
事実、最初に本校の取り組みを報道した新聞では見出しに「外注化」とつけられた。
第二は、たけしさんなど毒舌家が揃う討論番組でどのように調理されてしまうかわからないという怖さである。もし、けちょんけちょんに言われたら立つ瀬がない。

しかし、「リスクがあるからやらない」というのは、八名川の姿勢ではない。ちょっと迷ったが、長いスタンスで見れば、取材を受けるのは悪いことではないと考えた。

29日(月)午後9時から テレビ朝日 たけしのテレビタックル



きんもくせいの俳句 ハートランドの加藤先生より

2007-10-27 | ジュニア俳句
きんもくせい小鳥もよりみちしていくよ はじめ
きんもくせいびんにあつめてとっておく はじめ

きんもくせいかぜにふかれていいかおり つばさ

秋になりきんもくせいがしゅんになる かんな

つうがくろきんもくせいでいっぱいだ ともき
きんもくせいかおりただようつうがくろ ともき

きんもくせいいろんなところにさいている ゆいま

きんもくせい小さい花がほしのよう はじめ

きんもくせいにおいをかぐといいかおり りょうた

いいにおいこうすいいらずきんもくせい れいじ
遠くてもかぜがはこぶよきんもくせい れいじ

-小山-
加藤先生の学校のまわりには、きんもくせいがたくさん咲いているのですね。

   きんもくせいかおりただようつうがくろ ともき

このきんもくせいの香りの中を子ども達は登校してくるのですね。
どの子の俳句にも実感がこもっています。


   きんもくせい小さい花がほしのよう はじめ

はじめさんの発想も、「小さい花がいっぱいだ」ということなんだけど、それを「ほしのよう」と表現した。ここに工夫がある。

きんもくせいの匂いに着目している子も多い。

   遠くてもかぜがはこぶよきんもくせい れいじ

その中で、この句は感動的だ。れいじさんは、きんもくせいのにおいのことを言っているのだけど、一言も「におい」とか「かおり」とかという言葉を使っていない。それでいて、香りの強さを表している。
すごいの一言だ。

秋になりきんもくせいがしゅんになる かんな

この句は私好み。言い方は練れていないければ「しゅん」という独自の感覚が感じられる。

きんもくせい小鳥もよりみちしていくよ はじめ

この句は、よくまとまっている。上手な句だ。俳句大会でも上位入賞をねらえるような句である。
自然を観察して句にまとめるその積み重ねが着実に子ども達の感性を刺激しているように思われる。



いつも楽しく・・・・

2007-10-27 | ジュニア俳句
こんばんは。いつも楽しく拝見させて頂いてます。
滑り台に秋を感じる感性、なかなかです。
スーパーやコンビニに秋を見つけ、またそれを俳句にできるとは・・・子どもってすごい!頭が柔軟ですね。
サラダで歌を詠むぐらいすごいかも(^^)
確かにコンビ二は店内装飾もさることながら、
季節限定商品、栗味さつま芋味のデザートやお菓子がたくさん並んでいて、秋満載です。
コンビニにも四季があるのですね。
ところで先日、校庭で小さい秋を見つけました。
百舌の声、山茶花(冬の季語らしいですが)、そしてうろこ雲(空ですが)。ちょっと前までは校舎のなかに金木犀の香りが舞い込んでいましたよね。
今日は干し柿が吊るしてあったとか?
素敵な学校です

-小山-
都会の真ん中にある学校にも自然がたくさんあります。子ども達だけでなく、大人も一緒にそれを感じたいものです。
今、「八名川俳句会」(仮称)をつくろうと準備が進んでいます。
みんなで楽しみましょう。


ハートランドの加藤先生からです

2007-10-26 | ジュニア俳句
さて、今日のお題は、「秋ばれ」。今日のような、秋のはれた日を秋ばれという、ということを説明。「すずしい」と「さわやか」のちがいは、よくわかってもらえなかったような気がします。

 「今日は、外に出て俳句を書くよ。」に、早く行きたい気持ちを抑えて、俳句の種を発表します。

外でおにぎり食べたい
体育がやりたい
ドッジボールしたい
せんたくものがかわく

などなど。はたして、どんな句が生まれたのでしょうか。2年生の作品です。

外に出て小鳥もないてさわやかだ さとる

秋ばれに外でおにぎり食べたいな ひなの

秋ばれのじめんの上のきんもくせい ゆいま

秋ばれに校ていドッジあせをかく ともき

秋ばれはたいようまぶしい青い空 ゆか

秋ばれや外であそんで食べたいな りゅうじ

すずしくて日かげで休む秋らしい けい

さわやかにくだもの食べておいしいな ゆい

秋ばれや小鳥がないておちつくよ ゆうだい

秋ばれや外でみんなとあそぼうよ かんな

いわしぐもオラにはぜんぜん見えないよ しょうたろう

あたるほど心はかぜにつつまれる ゆう

秋ばれに食べるおにぎりさいこうだ はじめ

秋ばれやはっぱなくなりまるみえだ さきね

秋ばれは体いくにあう太ようだ かいと

 外に出て、俳句を書くのは、はじめてです。ブランコにゆられながら、すべり台の上にすわって、グランドを一周して、グランドの真ん中にたって、初めての吟行(?)を経験しました。「秋ばれ」はよくわかったでしょう。少しは、「さわやか」を感じてくれたでしょうか。

-小山-

秋晴れの気持ちよさを一人一人が満喫しているようです。実際に、秋晴れの青空を見ると、ちがいますね。

秋ばれや外でみんなとあそぼうよ  

というかんなさんの俳句は、まさに実感でしよう。

あたるほど心はかぜにつつまれる 

ゆうさんのこの句は、大人の句のようですね。

加藤先生は、きんもくせいの俳句も送ってくれました。これは次に紹介します。




互いに評価し合うシステム

2007-10-25 | ジュニア俳句



子ども達の俳句が上達するためには、お互いに見合い、評価し合うシステムをもっことが欠かせない。
例として、四年生をあげる。
二十四日の「十分間俳句」では、どの子も一ページくらい、ノートを書く。俳句の種も俳句もがんがん書くというふうに成長している。
種にしても俳句にしても、ゼロから作り上げるわけだから、相当モチベーションが高くないとこの活動は続かない。

★種として感心したのは、例えば、「コンビニやスーパーにも秋がならんでいる」とか、「すべり台が冷たくたく感じるようになった」等、自分の生活の中での発見・気付きを述べていることだ。

 やおやでもスーパー行ってもハロウィンだ   沙

  くりごはんかおりひろがりデリシャスだ      元

  どんぐりの馬を作った区民祭                   結

  コンビニに秋せいひんが勢ぞろい              龍

  食よくの秋だ給食残さない           春

四年生では、毎月 一句自分で一番自信のある作品をワープロで打ち、それを相互評価して、教室に掲示している。
良い作品にシールを貼るわけだが、句会と同じで、読みあうことによって、良い作品を知り、自分の中に取り入れることができる。今、近い学年の作品を担任に渡すようにしているが、良い作品を紹介したり、読みあうことを通して、成長できる。
四年一組の方法は、一つの方法と考える。学校全体でもこうしたシステムを作ることが出来ないか、検討してみたい。



新島 その3

2007-10-24 | ジュニア俳句



宿泊先の新島温泉ロッジのおかみさんは、3年1組、寺内先生のクラスのT君のおばあちゃんだった。
このおばあちゃんが実にいい。拍手喝采を送りたいほどの傑物である。
朝食をとりながら担任の寺内先生の話になった。
こんなところで公開してよいだろうか。秘密にちょっとだけおばあちゃんの話を書く。
おばあちゃんの寺内先生評である。
「寺内先生は熱心。とても一生懸命やってくれる」
そこまでは言い。その先が傑作なのだ。
「でも、一生懸命やるなんて当たり前のことなのよ。もっと飛び抜けてやらなくちゃ!」
すごい期待だ。そして、まさにその通りだ。寺内先生は幸せだと思った。
お孫さんのT君をきたえるよと約束したところに寺内先生が迎えに来てくれた。
一時間目の授業は、アイデアマラソンマンこと樋口健夫先生。
今日の課題は、「ホットケーキの上に何を載せるか考えよう」であっ
た。枠にはまらない自由な発想が出てきて実に面白かった。




二時間目が俳句の授業。
紅葉はないにしても、子どもは子どもなりの秋の感触を感じているはずだ。それを頼りに滑り出す。
「東京では、葉っぱが紅くなったり黄色くなったりすると秋だとわかるんだけど、君たちは何で秋が来たってわかるの?」
ある子が
「西の風」
と答えた。
「これだ!」
新島では秋になると西の風が吹くのだ。(この風のことをにしん風ともいうそうだ。)
この答えで、授業はうまくいくとと確信できた。
寺内学級の子ども達は実に素直。学級の雰囲気がとてもよい。
写真を見ていただければ、後ろ姿から子ども達が話を吸い取るように聞いてくれている状況が伝わってくる。




さて、できた俳句だ。十九人の子ども達一人残らず、わずかの時間で作り上げてくれた。普段から耕されていることが見て取れる。
それは、寺内先生の四月から学級経営の力と授業の積み重ねだといたく感心した。異動の祭にはうちの学校にきてもらいたいものだと思ったりした。T君もとてもがんばっていたことを付け加える。




十九人の俳句は、次の通りである。

西の風秋がきたよとしらせてる

秋だからどんぐりころころおちてくる

秋の朝ふとんをなげて目をさませ

はっぱのね色がかわるよ黄色にね

秋のさちいもをたべたらおならプー

秋になる秋の遠足楽しいな

弟がどんぐりひろってもう秋だ

もみじ風にゆられてまいおちる

新島に食よくの秋やってきた

秋の朝かぜがそよそよすずしいな

まつたけは秋にしかならないキノコだよ

どんぐりはおいしいけれどやいてむく

お月みはだんごをそなえて月がでる

秋になる秋の遠足たのしいな

西の風どんぐりとともにやってくる

秋の空とんぼのとおったあとはない

秋ってねとんぼもいるよゆかいだね

秋の空月が光るよ金色に

秋の海魚がいっぱいつれるんだ






新島 その2

2007-10-23 | ジュニア俳句
(エメラルド色と言ってよい新島の浜)

新島には、素晴らしく立派な博物館がある。館長さんに一渡り案内していただく。新島の火山島としての生い立ちから、近世の歴史まで。彼の説明を聞いていると、新島がとてつもなく貴重な歴史の宝庫であることが、リアルに伝わってきて、自分が新島島民に生まれなかったことが、とても残念な気持ちになってくるから不思議だ。
失礼な言い方が許されるなら、立派な博物館以上に、館長さんの存在そのものが新島の貴重な財産だと思った。人一人が一つのことに情熱を燃やせば、とてつもないことができるということを思い知った。
その館長さんに
「新島の秋は?」
の問いをぶつけてみた。
「・・・・・・・」
一瞬間があって、
「ひよどり凪かなあ」
(聞き取りが正確でないかもしれない。寺内先生、違っていたら教えてください)
秋、渡り鳥が来る頃の静かな海のことだろう。
「でも、三年生の子どもにはわからないなあ」
博物館を出る頃、辺りはすっかり暗くなっていた。海の向こうに薄く夕焼けが残っていた。
さて、明日はどうするか。