六月の学校俳句交流会で報告をしてくださった川越市の山本純人先生の本が、学事出版から発行されました。
山本先生は、中学の国語の先生ですが小学校で教えた経験もあり、中学校はもちろん、小学校でも生かせるクラス作りに俳句を生かすノーハウがこれでもかという程詰まっているのが、この本です。
この本のユニークさは、見出しに端的に表れています。たとえば、
○「和田アキ子」で覚える俳句の基礎基本
○俳句「不」親切運動 ー毒と手と俳句ー
○非「書く」三原則 1 筆記用具 2 脱修正液 3 でっかく濃く
○Facebookに学ぶ「いいね」効果 俳句は自己肯定感向上ツール
○認める言葉「あいうえお」と、言ってはいけない「禁句」
○「上を向いて生きよう」!試験時間の不思議な光景 etc.
何が書いてあるか、覗きたくなるような見出しですが、またその内容がなるほどと思わせるものばかり。
一読、二読、三読の価値があります。
職員室での机上の整理術まで紹介されています。
もちろん、簡単な俳句の作り方やすぐに使える季語の一覧表も!
ぜひ一度手に取ってみてください。
最近、上記の本を読んだ。そして、改めて「俳句」と「写真」は似ていると感じた。この本の中には、俳句づくりに通じる考え方や技術が書き込まれている。
まず、お散歩写真。
目に入るすべてのものを被写体として見る。すると、意外な風景やモノが発見できる。
お散歩写真五箇条
① 技術以前が大事-----被写体への興味を大切に
② 対象を均等に見る-----固定概念を払拭して対象を均等に見る
③ 自分自身をおもしろがる-----自分の興味を持ったことに確信を持ち、その感性を面白がる。
④ 好奇心と柔らか頭-----人の話題に「なになに?」と首を突っ込むほどの好奇心
⑤ 人を撮ろう-----人と向き合うことは、町と向き合うことでもある。
被写体と出会う 心技を磨く
半径十メートルから撮り始めよう
出会い力を強化する 一日十枚必ず何か撮る。毎日続けることが大事
ずれに注目 ・角度、遠近、・明暗 ・時間など
気になったらそれが被写体 funny と intersting
ハレとケ、
虫の目線、鳥の目線-----世界の見え方がちがう
裏側に注目する
などなど、実に面白い本だった。 芸術新潮社刊1800円
時間が足りないのだが、子どもたちに感想文をこのところ書いてもらっている。どのようなことが受け止められているかを知るためである。
次の感想文は、北砂小学校の5年生のものである。
★今日は色々な俳句をつくり大変だったけれどやり終わったら達成感があって、はい句はとっても楽しいし、おもしろいです。
ぼくは先生に、いいね、おもしろいねと言われた時はとってもうれしかったです。これからもお願いします。
★今までは季語からきめていたけれど、今日は書きたいことから季語を考えることを教えてもらったので、これからもいい俳句を作っていきたいです。
★俳句の時間は俳句の作り方だけでなくその季節の言葉も学べるので、とても感謝しています。俳句に自分の名前も入れていいことは初めて知りました。俳句の時間は「初めて」が多いので、自分でも俳句や言葉に興味をもって生かしたいです。
★この俳句教室のおかげで、夏休みの俳句がこまらなくなつたので、もっとやって日常でもできるようになりたいです。
★今日は、俳句の授業をして「~だから楽しかった」などという言葉がなくてもいいということがわかりました。なのでそれを気づかせてもらったことを感謝します。
★今日はありがとうございました。最初は俳句はあまり楽しくなかったですけど、先生たちが来てくれたら、俳句が楽しくなり、俳句をやりたいと思って、先生に会いたくてしようがなかったときがあったからです。先生たちが来て教えてくれたのはやさしさてすね。本当にありがとうございました。
★どうやったらいい俳句がつくれるのかがよくわかりました。それにすごく楽しい授業が出来たのでよかったです。授業だけでなく日常でも俳句を作ってみたいです。
★わたしが今日学んだ事は、クリスマスだったらクリスマスのイメージを俳句にするのてではなく、少しちがうイメージも入れた方がいいという事です。小山先生や阿部先生のお陰で学んだ事がたくさんあるので、学んだ事を次にいかしていきたいです。
★ぼくは、いままで俳句の授業をやってきて、自分の思ったこと、感想などを俳句で表すことがわかりました。これからも俳句を使ってできることわ知りたいです。
★いろいろな所に季語があるなんて知らなかったので、知ってよかったです。今日はいろいろな俳句ができたので楽しかったです。
★私は、この授業で身近なところでも俳句が作れるんだとわかりました。
社会科見学でもかんたんに俳句ができるとは知りませんでした楽しかったです。ありがとうございました。」
★私は、季語は春夏秋冬、風などだけのことだと思っていました。でも瀬生のおかげではだしも、クリスマスも季語だということがわかりました。
友達がどんなクリスマスを過ごしているかも分かったり、いろんな俳句が出て来て、とってもとってもとってもとってもとつてもとってもとってもとってもとってもとつてもとってもとってとつてもとつても楽しかったです。
★今日、二時間目にわかったことは、自分のけいけんや思ったことは、季語を使えば俳句に菜にめと教えてもらって、社会科見学や冬のことなどを参考にしていろいろ作りました。先生には選ばれなかったけど自分では良くできたと思ったのでよかったです。
昨日、今日と江東区の扇橋小学校での授業だった。
授業の終わりに簡単に感想を書いてもらった。
その幾つかを紹介する。(5年生)
★いろいろな句がでて、自分と同じ考えの人やちがう考え、おもしろい考えなど、考え方が人それぞれちがうなと感じた。
★17音で冬のいろいろな表しができるのはすごいと思いました。句会は、俳句のいろいろな読み方感じ方があって面白かった。
★あったことや思ったことを俳句にするから楽しくできた。珍しい俳句になった理由もわかった。だからこれからの俳句づくりにいかしてがんばりたい。
★自分の俳句はペットが寒そうにしている情景がうかんだので良い俳句が出来ました。人の俳句も良い所が見つけられました。これからも俳句を作る時は情景を思い浮かべて作りたいです。
★俳句ってこんなに考えればでてくるものなんだと思いました。なぜならかんがえたらすぐうかんできたからです。
★俳句も種をしっかり書けば、よい句ができることがわかった。なぜなら、種は俳句の土台のような役割をしているからだ。そして種にいろいろな言葉をつけると句ができるからだ。
★今日は楽しかったです。その理由は、いっぱい書けてその中にいい俳句があったからです。句会では自分のえらんだ句が二つ上位になったのでよかったです。
★ぼくは俳句は不思議だと思いました。理由は、さっきまで話していた秋元さんの「へろへろ」※という部分はが一人だけとも感じられるし、つかれはてたとも感じられる二つの思いがあったからです。
ここで一句
俳句はねいろいな不思議つまってる
楽しかったです。 ※秋元不死男の「へろへろとワンタンすするクリスマス」
★俳句づくりは大変だと改めて思いました。なぜなら、自分ならではの俳句を作らなければいけないので大変でした。
★私は、いろいろな人の俳句を見て、あたりまえのことではなく、自分だけしかできないということが良いということを学びました。私も俳句を書いて、俳句の神に選ばれてとてもうれしかったです。
★他の人の俳句を読み取ることができたので良かった。俳句は見方によって受け取り方がちがうと思いました。理由はいろいろな人の意見が一人一人違ったからです。
★俳句をつくるのにすごく苦労しました。なぜなら自分が思っている事を字数にあわせて表現するのが、すごくむずかしかったからです。
句会では、どの俳句も上手でした。なぜなら、その人にしかできない俳句や情景が思いうかぶ俳句などさまざまなものがあったからです。
一つ一つの言葉を大切にする高橋先生の指導に感銘を受けました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/d0/3781e25b4ca9c16b43d8aa50d03f7fea.jpg)
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クリスマスは、すっかり日本に定着した行事になっている。
誰もが知っているように元々はキリスト教の行事なので、学校現場では、最近はこの名称を使うのをためらっている傾向がある。
しかし、子どもの句材としては、かなり広範に使用されている。
一つには、商店街やデパートがクリスマス商戦を繰り広げ、盛んにクリスマスソングなどを流していることから、「クリスマス」の雰囲気というものが、街に溢れるということがある。表参道や丸の内など、イルミネーションも各地に広がっている。もっともこれは都市部の事で、日本の各地を見れば必ずしもそうでないことも考えねばならないが・・・・
それに加えて、一般の家庭でもイルミネーションを飾ったり、児童館や子供会でもクリスマス会が行われたりする。
子どもの居る家庭では、ケーキを家族で食べたり、「サンタさん」からのプレゼントを楽しみにしたりしている。
学校の給食でも、クリスマスとは言わないまでも、骨付きのローストチキンが振る舞われるところも多い。
こんなわけで、クリスマスは、子どもたちにとって身近な年中行事の一つとなっている。
そこで、クリスマスの俳句を作ると、
クリスマスサンタさんからプレゼント
という風な俳句がたくさん生まれる。
クリスマス、サンタ、プレゼント、ツリー、となかい、そり そんな単語をとっかえひっかえつくる。これが子どもたちのクリスマス俳句のイメージである。この傾向は、七夕俳句でも見られる。
これはこれでかまわないが、もう少しその子らしい俳句を作らせたい。
クリスマス俳句の指導では、このイメージをどう広げられるかが大切になる。
空想的な方向に、つまりファンタジックな方に広げるか、身近な方向に広げるか。これはどちらもありと思うが、どちらかと言うと、身近な方向に広げる方が子どもはイメージしやすい。
「俳句の指導アイデア50」では、足立区の土田先生が、「去年のクリスマス」という実践を提案されている。
これを広げて、
「わが家のクリスマス」とか「我が町のクリスマス」として、実際の姿を子どもに話しあわせると、イメージが広がり、リアリティのある俳句ができやすい。
わがやではカレーを食べるクリスマス
げんかんにレース飾ってクリスマス
昨日は、「十二月俳句」を紹介したが、同じような別バージョンの俳句はいろいろある。
これらは、新年から三月にかけて使える題材である。
「春の夢」 俳句
春の夢ははなかいので、あまり直近のというよりも将来の夢を詠み込む方が合っている。
将来は宇宙飛行士春の夢
柔道の黒帯五段春の夢
春の夢漢字テストはみな百点
春の夢となって消えてしまっては仕方ないが、夢を語って楽しみ合うには適しているかもしれない。
「鬼は外。福は内」俳句
節分の目標を決めさせるときなどに活用するとよい。
鬼は外授業中は口チャック
鬼は外なまけ心にまけないぞ
福は内五年二組は仲がよい
「進級・卒業」俳句
「楽しい俳句の授業アイデア50」には、この詳しい指導案が載っている。二月から三月にかけての時期に、子どもの実感・感慨を引き出すのがこの「進級・卒業」俳句である。
俳句は、子どもにとって文学であり生活であり交流の手段なのである。ただ文学としての質の高さを求めるのでは狭い。
これまでのこどもの俳句は、コンクールであったり、作品を雑誌などに載せることを目的としていたから、「文学」(そう言えるかどうかはまた議論があるが・・・・・)やむを得ないとしても、これからはもっと広く俳句の意義を見つけ、活用できる時代に入ったと思う。
そう言う観点から学校俳句の幅広い実践方法を考えていきたい。
今日は、江東区内の扇橋小学校の四年生の授業。
雨が降り、外に出られないこともあったが、「十二月俳句」に取り組んでみた。
季節の事を教えながら、「十二月」というテーマを板書する。
12月がどんな月か、確認する。
つまり、一年の最後の月ということだ。
「今年中にやってしまいたいものってあるよね」
どんなとをやってしまいたいかな?
つまり、一年を振り返らせる俳句なのだ。
そこから発展して12月中にしたいこと、食べたいもの、遊び、家族のこと等に題材のバリエーションを広げていく。
一年の反省、まとめとしてこの俳句を使うこともできるし、あと3週間での学校生活の目標を持たせることも担任の指導ならば可能である。
こんな俳句ができる。
少しずつ文字をきれいに十二月
頑張ろう整理整とん十二月
十二月ピアノのうで前あげたいな
おねがいですおかわりさせて十二月
とう立をうまくなりたい十二月
おとうとがおふろでうるさい十二月
十二月出張多いなお父さん
十分間俳句で十分できると思います。ぜひ活用して下さい。