十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

二年生での取り合わせの指導

2008-02-28 | ジュニア俳句

いつもこんな時刻になってしまう。眼がしょぼついてくる。考えがまとまらない。眼がしょぼつくのは、花粉症のせいかもしれない。2年前、花粉がとんでもなく飛んだ年、初めて眼に違和感を覚えた。ほんのわずかな違和感だ。昨年は、無事に花粉を感じることなく過ぎた。
それが、今年何となく変だ。しょぼつくのは年齢のせいかもしれないが、花粉が影響しているように思える。


二年生で、火曜日の五時間目に授業を行った。取り合わせの授業をどうにか成功させたいと思った。子ども達の前に久しぶりに立って、ずいぶん成長したと思った。前回よりもさらによい。落ちついているし、話を聞く姿勢もほとんどの子どもが出来てきた。集中力もぐんぐん増してきている。


十二音で、発見・気付きを表現するように、ヒントを出しながら促した。季語を出来るだけ意識させないように気をつけた。季語を意識させると季語に引っ張られてしまう。

次のようなのができてくる。


★きょうしつはしゃしんがいっぱい


★オレはイタズラだいすきだ


★チョコを食べたらはなじブー


★くるくるもよう目がまわる


★しゅくだいはやりたくないよ


★とおさんおしごとできてるか


★かふんしょうがはやるじき



これにどんな季語を配合したらよいか、一緒に考えたり、助け船を出したりする。



★きょうしつはしゃしんがいっぱい →きょうしつはしゃしんがいっぱい春がくる


★オレはイタズラだいすきだ →春一番オレはイタズラだいすきだ


★チョコを食べたらはなじブー →春の雨チョコを食べたらはなじブー


★くるくるもよう目がまわる → 春一番くるくるもよう目がまわる


★しゅくだいはやりたくないよ → しゅくだいはやりたくないよ春の雨


★とおさんおしごとできてるか → 春の風とおさんおしごとできてるか


★かふんしょうがはやるじき → 春一番かふんしょうがねはやるじき



今日は、漫画家の石塚真一さんの授業が五時間目にあった。ビックコミックオリジナル連載の「岳」の作者である。今年で四年目。とびきり愉快なキャラクターだ。子ども達は、最後に色紙やノートに主人公の三歩の絵を描いてもらってご満悦だ。




すごい句

2008-02-27 | 雑感

どの様な俳句を良いとするか、この事はそれぞれの人の人生と関係することで一様ではない。句会での選句についてもかなりの場合票がばらける。
今日、家に帰ってから「系図でたどる俳句名鑑」(第11回毎日俳句大賞作品集)をパラパラとめくっていたら、ぞくぞくするような句に出逢い、また、再会した。


そんな句を二十句書き抜いてみる。


玄冬を貫くものに小鳥の眼   青柳志解樹


水洟や鼻の先だけ暮れ残る  芥川龍之介


てんとう虫一兵われの死なざりし   安住 敦


いつまでもいつまでも八月十五日   綾部仁喜


じゃんけんで負けて螢に生まれたの  池田澄子


眠るとき銀河が見えてゐると思ふ   石田郷子


散るをもて花の語ると覚えたり   伊藤柏翠


今日は何も彼もなにもかも春らしく  稲畑汀子


暖かや恋の他には不自由せず   いのうえかつこ


球場に万の空席初燕   今井聖


萬緑や死は一弾を以て足る  上田五千石


心にも正面ありぬ夜の桃  上田日差子


銀河濃し水の宅急便届く  浦川聡子


夏怒濤ひとりでゆけるところまで  大高翔


着ぶくれて面魂の出来上がる   大牧広


万有引力あり馬鈴薯にくぼみあり   奥坂まや


いきいきと死んでゐるなり水中花   櫂未知子


七夕や岸まじはらぬこと永久に  片山由美子


別嬪の降つて来さうなゆだちかな  加藤郁乎


鮟鱇の骨まで凍ててぶちきらる  加藤楸邨



おわかりのように「ア行」と「カ」の作家だけで、もう20句である。他の人選べば、同じ作家の句でも異なる句をとるであろうし、他の作家の句をとるであろう。それだけ、俳句という表現形式は自由な解釈が可能であるし、作者と読者の共感がつくる文芸と言うことが出来るのではないか。


島田市立伊太小学校よりのメール

2008-02-26 | 各地の取り組み

静岡県島田市立伊太小学校から、次のメールが届きました。俳句の輪がまた一つ広がりました。うれしいかぎりです。よろしくお願いします。


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八名川小学校  小山校長様


 先週、お忙しい中、訪問させていただきましてありがとうございました。校長先生のお話をうかがう中で、俳句への思いが高まってきました。
 芭蕉記念館にも寄ってきました。
 
 さて、昨日、春の句会を本校で行いました。2名の講師が、各教室を回って指導をしてくださいました。高学年は、選句活動をしました。
 5年生の俳句の中で多くの子どもの支持を得た作品を紹介します。
 校庭が ピンクに染まり 春がきた
 今年もね つくしのように のびていく
 うぐいすと 春風いっしょに おにごっこ
 子どもたちの感性を高める上でいい取り組みだと改めて思いました。
 4年生の作った句の中に「パンパカパーン」という表現がありました。講師の先生はこの言い回しがとてもいいと言っていました。いろんな時使う言葉であり、広がりがあっていいねと言っていました。
 また、紹介していきたいと思います。


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今日は、越川禮子先生においでいただき、江戸しぐさを教えていただきました。
先生はご高齢にもかかわらず、お若いのでびっくりしました。4年生、3年生の2時間の授業を精力的に行ってくださいました。




今世の中で困っていることとして、環境問題を子ども達が発言したことにふれて、


「草主人従」という言葉も教えていただきました。 


江戸しぐさの授業

2008-02-25 | 教育活動

明日、10時半から江戸しぐさの授業がある。かの越川さんが八名川小学校に来て下さる。
森下商店街の理事長さんが、この場を作って下さった。感謝である。
江戸しぐさと言えば「傘かしげ」のことだろうくらいしか知らなかった。これでは、失礼に当たるので、とりあえず、「こうして江戸っ子になった 江戸の繁盛しぐさ」という本を読んだ。


江戸しぐさというのは、江戸の文化そのものだということが分かった。人間が共に生きるその生き方が根本にある。明日は、どんな授業になるのか楽しみである。今日、越川先生からわざわざお電話をいただいたが、お声が若いのにびっくりした。こんなことを言っているようでは、江戸しぐさを身につけることは無理かもしれないが・・・・


日曜日にアマゾンで漫画家の石塚真一さんの「岳」の第六巻を頼んだ。それだけだと送料が無料にならないので、「俳句のつくり方が面白いほどわかる本」(金子兜太著)を一緒に注文した。それが、今日の午後には学校に届いた。この本、読みやすいし、わかりやすい。俳句の効用が良くまとめられている。例えば、次のようだ。


「俳句を始めると、日常のできごとを何でもパッバッと表現できるようになります。そのとき感じた気持ちを表現することで、心が軽くなり、ストレスも飛んでいってしまいます。
俳句は右脳の働きを活発化しますから、健康にいいという学者もいるほどです。知らず知らず、自分の思いを印象深く伝えることが得意になることでしょう。」



越川さんの 江戸しぐさの授業   
          
26日10時半~3年生 11時20分~4年生


漫画家 石塚真一さんの授業   28日13時半~ 6年生


 保護者の方々、地域の方々ぜひおいで下さい。


新島小学校の「雪」の俳句 つづき

2008-02-24 | 追加カテゴリー

島小学校の一年生の俳句。本当に素敵です。倉持先生から送られてきたプリントには、子ども達の絵も一緒に載っています。また、雪の中で子ども達が遊んでいる写真もあります。

 雪とけて村いっぱいの子どもかな  

という句がありますが、「雪降って村いっぱいの子どもかな」という感じです。

 アーンと口あまくておいしいゆきたべた

 ゆきいっぱい小つぶだけどふっているQ

 にいじまにゆきがふってね手がひえる

 にいじまにゆきがふったよはじめてだ

 ゆきがふるさむいよさむいさむすぎる

 にいじまにゆきがふったぞぱーらぱら

 にいじまにゆきがふったよひさしぶり

 

昨日は、春一番ということでしたが、寒い寒い春一番でした。親愛保育園の招きで今度一年生に入る子ども達をもつお母さん・お父さんに話をしに行きました。
「入学までの心構え」のようなことを話をするのが主眼でしたが、実際には、話が多岐にわたりました。大変有意義な会になりました。


新島に雪!

2008-02-23 | 追加カテゴリー

新島小学校一年生の倉持先生から便りが届きました。

「ご無沙汰しております。お変わりありませんか。先日、新島にはめずらしく、雪が舞い落ちました。一年生の特権!とばかり、子ども達は校庭に飛び出しました。
”新島に降った雪”が子ども達の心に残るといいなぁと願っております。・・・・」

しおみたいなゆきがふったなみずのあじ

もっとゆきおいしいおいしいたべたいな

ゆきふってにいじまさぶいかえりみち

にいじまにゆきふりりょう手こおりみたい

もしゆきがいっぱいふったらゆきがっせん

にいじまにゆきがふったよさむかつた

やっとゆきつくりたいなあーゆきだるま

 

まだまだ続きます。

話は変わって八名川小学校。22日は、学校公開でした。
折り紙博士の田代耕司さんの授業、道徳公開講座など多様な展開でしたが、三年生では、写真俳句の授業が行われました。子ども達の撮った写真を題材にした授業です。
悪戦苦闘の授業でしたが、今後の可能性を感じさせる授業でした。

夜は、学校対抗バドミントンの決勝大会。北砂のスポーツ会館で行われました。
本校の女子チームは、決勝に勝ち進み、相手は二大小。三試合とも接戦。手に汗握る好ゲームでしたが、1対2で惜敗。それでも43校中第2位。準優勝に輝きました。


薄氷の吹かれて端の重なれる

2008-02-22 | 雑感

清水哲男の「増殖する俳句歳時記」というお化けサイトがある。別にお化けが出るというわけではなく、超人気サイトなのだ。毎日一句掲載され、その解説が行われる。
1996年に始まったと言うから、もう12年である。最初の十年は清水氏一人でやっていたが、最近は、zouhai とリニュアルし、毎日担当者が変わるシステムになっている。


「増殖する俳句歳時記」


今日の一句が下記のものである。解説をしているのは、俳人で高校の先生をされている今井聖氏である。
客観写生の眼が太字斜体の部分、つまり「発見」と重なる。この事こそ、十分間俳句の趣旨である。俳句を書くことを通して、眼力を培えないかということなのだ。


深見けん二

薄氷の吹かれて端の重なれる

氷が剥がれ、風に吹かれかすかに移動して下の薄氷に重なる。これぞ、真正、正調「写生」の感がある。俳句がもっともその形式の特性を生かせるはこういう描写だと思わせる。これだけのことを言って完結する、完結できるジャンルは他に皆無である。作者は選集の自選十句の中にこの句をあげ、作句信条に、虚子から学んだこととして季題発想を言い、「客観写生は、季題と心とが一つになるように対象を観察し、句を案ずることである」と書く。僕にとってのこの句の魅力の眼目は、季題の本意が生かされているところにあるのではなく、日常身辺にありながら誰もが見過ごしているところに行き届いたその「眼」の確かさにある。 以下 略


今井氏は、これは、奇蹟のような句であると作者の発見を愛でている。私は、こうした「眼」は、作者の資質だけではなく、鍛錬の賜物であるだろう と考えるから、また、こうした眼は 俳句だけに生きるのではなく、人生全体に貢献すると考えるから、教育の中に俳句を取り入れてみようと思うわけだ。


「増殖する俳句歳時記」ぜひご覧下さい。



アイデアマラソンの樋口氏先生の話

2008-02-20 | ジュニア俳句

今日は、アイデアマラソンの樋口健夫氏の六年生への話があった。卒業期の進路指導として実にぴったりの話だった。
エジソンやダビンチの例を引きながら、ノートの重要性、中学校へ進学したときの勉強の仕方、世界各地を回った豊富な体験、樋口氏自身の人柄、それらが子ども達の心を打ったようだ。保護者の方も何人も見えられた。
樋口氏には、私も大変刺激をいつも与えていただいている。十分間俳句の一つの源泉は、樋口氏が考案したアイデアマラソンである。今後とも共に進んでいきたい。


午後は、静岡県島田市から四人の教頭先生が学校視察に見えられた。島田市では、伝統文化を取り上げ、各校が特色のある活動を行っている。ある学校では、太鼓を教材に取り上げたり、またある学校では俳句をというわけだ。
「今後、交流をしていきましょう」と言うことになったのが実に嬉しい。
子ども達の俳句の輪を広げていく。このことが、一歩一歩こうした小さな積み重ねで以て進んでいくからだ。


新島の倉持先生からも今日手紙が届いた。新島に雪が降ったそうである。


東大島文化センターから電話があって、明日お出でになるとのことだ。恩田秋夫氏の小林一茶の俳画のことであろう。
古石場文化センターからも電話をいただいた。学校の帰りに寄る。20年度の文化庁の「伝統文化子ども教室」の募集案内についてわざわざ知らせてくれたのだ。
仲間を募って、これも実施したいが、実力があるか、迷うところだ。もう仕込むなら2月中に決断しなくてはならない。




東川小学校での授業

2008-02-19 | 各地の取り組み

18日、19日の二日間。東川小学校の四年生、五年生の各二クラスの子ども達に俳句入門の授業をした。
素直で気持ちよい子ども達だ。お陰様で、どのクラスでもとても楽しい俳句の授業が出来た。
東川小学校の先生方、子ども達に感謝したい。

 こんな俳句が出来た。一部を紹介する。


 春の川かえるピョコピョコムピョコピョコ


 春の朝すっきり起きると朝ご飯


 春の中私の心に桜咲け


 春の道こけてころんで運悪い


 春の雨ぽつぽつぽつと音がする


 春の夜キラキラ光るおひつじ座


 春の朝時計が鳴っても起きられない


 ふきのとう土から芽が出てこんにちは


 春の夜節分節分おにたいじ


 卒業はつらくてかこくなお別れ会


 バレンタインチョコはぎりチョコ一個だけ


 梅の木に花がちらちら見えてきた


 春の空雲一つなくすっきりと


 春の朝空のむこうにひみつきち


 春の朝虫たちみんなおきたかな


 春の空音楽室からひびく歌


 春の庭一年生でにぎわうな


 春の朝元気いっぱい校庭で



雨がふるかさにぽたぽたいいリズム

2008-02-18 | ジュニア俳句

二年生が、雨の日に俳句を詠んだ。
雨の中で何を発見できるかがテーマだ。ここに十分間俳句の原点がある。


雨がふるかさにぽたぽたいいリズム

表題の句は、雨のリズムを発見している。

雨の音ぴちゃぴちゃぴちゃぴちゃずっとコレ

この句も雨の音のリズムを感じている句だ。「ずっとコレ」という表現が絶妙。

雨ふってあたまがぬれてかぜひきそう

木のえだにしんじゅがいっぱい雨だった

身で見た光景、しかもズームにしてよく見ている。

ぼくのふく水玉もようができていた

素直に見たままを書いているのがよい。

あめふったはっぱの下にはかたつむり

このきせつでもかたつむりがいるんだね。

雨の日はすべり台がねながしそうめん

視線を変えてみる。いろいろなことがわかる。

水たまり三じゅうまるができちゃった

これは、水たまりに注目したのだろう。一人一人のこういう発見が素晴らしい。

今日は、東川小学校の5年生二クラスで俳句の指導をした。子ども達がとても素直で楽しい授業が出来た。明日は、4年生二クラスに指導することになっている。