十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

三大小 研究会

2010-04-30 | ジュニア俳句
第三大島小の校内研究会に招かれ、俳句と俳句教育についての話をした。
三大小は、江東区の東の端にある。「まさに陽の昇る国」の位置だ。
大変に人気のある学校で、学校選択制でも区内における超人気校の一つだ。
校庭の芝生も生き生きしている。
それにも増して、先生方が生き生きしていて校長先生を中心に団結している。わずかな時間のふれ合いでもその雰囲気が伝わってくるから不思議だ。
研究会の半分は、句会。俳句の実技研修である。

実は、この部分が大変大事だと私は思う。
自分で俳句を作ってみると、他の俳句がわかるようになるからである。
いかに難しいかと言うこともわかるし、ちょっとした工夫で句が変わるということも実感する。
子どもの俳句の評価も自信を持って出来るようになる。
さらに、自分が続けることによって、子ども達へ俳句を教えようとする意欲が持続されるという点も大きい。
研究会の後も場所を変えて大いに語りあった。

そう言えば、NHKニッポン全国俳句日和の放送の時、大活躍したA君兄弟は、三大小の児童である。

数矢小学校での授業

2010-04-29 | ジュニア俳句

順序が後先になったが、月曜日に数矢小学校で俳句の授業をした。
5年生3学級である。
久しぶり授業。
おもしろかった。

ほとんど、穴埋め俳句ののりである。

「俳句について知っていること?」

すると、どの学級でも決まって

「季語がある」

「5・7・5」

という答えが返ってくる。

「どんな季語がありますか」
こう聞くと、「うっと」つまってしまう。
それでも何人か知っている子が出てくる。
これもどの学級でも大筋同じだ。

「知っている俳句がありますか?」
これもたいがい何人かが知っている。

そこまでが前段だ。

「今日は俳句を作るよ。作ったことあるかな。」

「5年生になったばかりだから・・・・」

五年生と最後に置くよ。

「季語が必要だから・・・最初は季語にしよう。」

最初の5は季語だ。
(春の季語についてどこかで解説する)

「すると、考えるのは 真ん中の7だけだ。
これだけできれば俳句ができちゃう。
どうだ、簡単だろう。」




できた句を紹介しよう。

たんぽぽや元気いっぱい五年生

桜咲く四月六日で五年生

春の朝光かがやく五年生

桜咲くおいわいされて五年生

春の空りっぱな私五年生

春の空感じられそう五年生

ねこの子や少しおさない五年生

春の空おかし食べたい五年生

風光る先生かわる五年生

春の空友達いっぱい五年生

春の空希望あふれる五年生

春の朝今日からみんな五年生

楽しく授業を終えることができた。


休務日

2010-04-28 | 雑感

昨日は、休務日であった。
教育委員会は、月16日の勤務だから、週に1回ぐらいの割で「休務日」を作ることができる。
そんなわけで、朝起きるのも遅く、ぐだぐだしていたら、ブログの更新もできず、俳句をひねる気分にもならない。
出勤して仕事をした方がよほどいいのかもしれない。

部屋の中を見回したら、段ボールの箱だらけだ。
八名川小学校から3月の終わりに、いるものもいらなそうなものもとりあえずと詰め込んだ代物である。
今までほっておいたが、そろそろ片付けなくては・・・・・・・

そんなわけで部屋の片付けを始めた。
ところが片付ける場所がない。
本棚の「事業仕分け」をしなければ、新しい本や資料が入らないのだ。
気持ちとしては、3分の1くらい仕分けてしてどうにかしようと思うのだが、現実はちっとも進まない。
現実は甘くない。
雑誌などは、「PDFにして保存しろ」とパソコン雑誌などには書いてある。
しかし、これも時間がかかりそうだよな。
適当に突っ込んだり、床に積んだり、残りは、段ボール箱一つというところまでいった。

午後は、雨の中を銀座に出かけて、墨美会の展覧会を見た。八名川小学校の子ども達の作品も展示されている。講師の大野先生の作品が実にすてきだった。
その後、映画を見た。東京国立近代美術館フィルムセンターが京橋にある。
勧められた「日本の悪霊」を見た。
佐藤慶が主演。黒木和雄監督作品だ。
絵に味がある。岡林信康が歌を歌い、不思議な雰囲気のある作品だった。
七十年代の日本というのは、こんなだったかと改めて思った。
パンフレットを見ると「これは」と思うような映画がずらっと並んでいる。
これが五百円というのは安い。
観客はと見ると、癖のありそうなじじいばかり。
スクリーンの前には、禿頭ばかりが並んでいる。

きのうで、歩数計が1000000歩を記録した。76日目である。
まあまあか。
帰りにヨーカ堂で靴を買った。
完全防水を売り物にした靴だ。
いくらカッパを着ても、足からしみてくる。
いい靴はないかと探していたのだ。
少し高価だったが、これで万全である。
そのはずだ。
今日は雨である。出張がある。
「歩いていくぞ!」


その後

2010-04-26 | ジュニア俳句

「ニッポン全国俳句日和」の放送を終えて、担当のディレクターさんからお礼の電話があった。
その中で、
「子どもの俳句と言えば、松山と思っていたのですが、江東区の子ども達もここまでできるんだと感心しました。放送に出なかった句の中にもたくさんいい句がありぴ゛っくりしました。」
来年からもこの企画をさらに本格的にしていきたいとのこと。
こちらもしっかり受け皿を作っていきたい。

また、江東の地域紙の中で、写真俳句を取り上げたいとの話があり、相談にのって欲しいとの連絡があった。
これも形になれば面白い。
そのほか、中学校の先生から、
「俳句についての学習会をしたいのだが・・」
という話もまわってきた。
ますますおもしろくなりそうだ。

昨日は、句会いちじはん。中学一年生のフレッシュなニューフェイスを含む新メンバーを迎え、隅田川テラスを吟行。
実に楽しいひとときであった。

私の句  

 春の句会有象無象の集い来て

有象無象には、森羅万象すべてのものという意味が含まれているというので・・・

 


俳句少年・俳句少女 

2010-04-25 | ジュニア俳句
「ニッポン全国俳句日和」の放映は無事に終わった。
四時間半の生番組だ。

江東区の子ども達もよく頑張ったし、芭蕉史跡庭園や隅田川テラスが放映場所になったことでもも江東区のよさを全国に広めることが出来たと思う。
夏井さんの力量に感謝したい。

しかし、実際のところ不安も大きかった。
子どもの俳句というのは、当たり外れが大きい。
スパッと決まれば、感性の輝く句が出来るが、全くはまらない場合もある。
俳句教育という観点で言えば、それでも別に困ることはないが、
イベントは別だ。
絵にならないとそれこそ様にならない。

今になって冷静に考えてみると、たった十人の子どもが全国一万人の俳句ファン、手練れの実作者を相手に対等に闘えるわけがない。
生放送でなければ、いろいろな手がないわけでもないだろう。
しかし、生放送なのだ。ごまかしはきかない。

それでも、全国の決勝に持っていっても決してひけをとらない句ができた。
家に帰ってきてから、ビデオでスタジオの様子を確認したわけだが、正直ほっとした。
たった十人の江東区の小学生の句、しかもほとんど即席の句が全国のレベルで対等に堂々と渡り合ったのだ。
夏井さんの力量とも言えるが、子ども達に拍手を送りたい気持ちだ。

子ども達を登場させたNHKの意図は、「素人の句の新鮮さ」その原点を子ども達に見ようと言うことではないのか。詩の原点は技巧ではなく素直な感性だということ。
しかし、実際は子供が作れば子どもらしい句が出来るかというとそんなことは全くない。
夏井さんのおっしゃっていたオリジナリティーをどこまで意識させられるかが勝負だなあと思った。

子どもらしい句は、鍛えて作る事が可能なのか。子どもの生来の感性に依るしかないのか。
これが一つの問題だ。

しかし、この子ども達を見て思ったことはもう一つ。
前にもちらっと書いたが、サッカー少年や野球少年がいるとするならば、俳句少年がいてもおかしくないということだ。
サッカー教室や将棋教室があり、プロを目指す子ども達がいるとすれば、俳句教室があり、プロ?を目指す子ども達がいてもよいではないか。
一般的に各学校で授業の内外で俳句に取り組む事とは別に俳句好きの少年少女を特別に鍛える「俳句塾」を作る事も考えてよい。
おもしろいかもしれない。

いちねんせいになったきねんのはいくをつくろう

2010-04-24 | ジュニア俳句

表題のようなことができるのだ。
入学して一週間後には「はじめての俳句」ができあがる。
八名川小学校の実践である。

こつは、二つ。
五・七・五の最後の五は「いちねんせい」と決めておく。
一年生になった記念の句だから、これははずせない。
次に最初の五。
春らしい言葉を色々挙げて、その中から気に入った言葉を使わせる。
そして 中七だけを考えさせていれる。
すると、次のような句が出来上がる。
なかなかよい。
是非他の学校でも実践してほしい。結果を知らせてほしい。

はるのかぜ さくらのがっこう いちねんせい

※八名川小学校の校庭はさくらの木がたくさんあるのだ。

はるのあさ きょうかしょよんで いちねんせい 

※目新しい教科書を読む。これは一年生になった証拠だ。

さくらさく はいとおへんじ いちねんせい

※「はい」というお返事はほこらしい。新鮮な気分が伝わってくる。

たんぽぽさん じぶんのつくえだ いちねんせい

※幼稚園や保育園のときとちがって一人一人に机がある。これも子ども達にとって印象的な出来事に違いない。

はるのさくら じぐざくべんきょう いちねんせい

※じぐざくぐべんきょうというのは、ちょっとわかりづらいかもしれないが、プリントに書いたジグザグの線をなぞる勉強。鉛筆の使い方の学習である。

さくらいっぱい らんどせるしょって いちねんせい

※ランドセルは小学生になった象徴である。嬉しさが伝わってくる。

はるのかぜ カレーおかわり いちねんせい

※給食である。カレーライスを早速おかわりしたのだ。みんなで食べる給食はおいしい。きらいなものもついつい食べてしまう。

はるのあさ きいろいぼうしで いちねんせい 

※黄色い帽子。これも一年生の印である。二年生以上は校帽をかぶるが、一年生は交通安全の黄色い帽子をいただいてかぶる。

これは、一年生の最初の俳句指導として定番にできる活動である。
こうした実践を集めて、六年間のカリキュラムを作ること。これが大きな課題であると考えている。


勉強句会

2010-04-23 | ジュニア俳句

第1回の「勉強句会」が行われた。
学校で俳句が盛んになる一番の早道は、教員が俳句好きになることだ。
好きになるには、まず自分がやってみることだ。
それで「勉強句会」というわけだ。

約20名が集まった。新聞の取材もあった。

私が初めて俳句を作り、初めて句会に参加した時の大恩人の斉藤二郎先生も来て下さった。
久しぶりにお会いして、大変嬉しかった。
ジュニア研修部の俳人の方々も大勢参加してくれた。
家庭訪問や個人面談があったが、遅れでも参加された先生もいる。
この句会を地道に積み重ねていくことが絶対に大きな力になると確信する。

句会で最高点をとったのは、次の句である。

ひらがなの風に吹かれて入学す

開いてみたら、作者は、むなんとジュニア研修部長の田付賢一さんだった。

さすがとしかいいようがない。


句会「いちじはん」

2010-04-22 | ジュニア俳句

 

 句会「いちじはん」のご案内

今年度最初の句会「いちじはん」です。

中学生から六十過ぎの熟年者まで、楽しい句会です。

ぜひ、ご参加下さい。

  時 4月25日 午後1時半~

 場所 江東区立八名川小学校会議室

 隅田川沿いなどを吟行し、その後学校に戻って句会を行います。

 連絡先 小山正見 oyamamasami@gmail.com

 

 

 

 

 


教育振興プラン

2010-04-21 | ジュニア俳句

画期的な事である。

こうとう区報4月21日付に
「教育推進プラン・江東(素案)」
が載っている。
重点施策の8「地域に根ざした教育の推進」
ここには、こう書かれている。

 地域や家庭などと連携し、学校を支援するシステムを構築します。
 また、地域の人材や環境を生かした教育活動を充実していきます。

[実現のための新規検討事業]
江東区俳句教育推進事業

○学校支援ボランティア推進協議会事業(学校支援地域本部)

とある。
この両方とも八名川小学校が推進してきたことだ。
「行政に頼る学校経営から行政を動かす学校経営に」
と考えてきたことが実現された形だ。

今度は、そこで確実な成果を挙げることが自分の仕事となるだろう。

 


芭蕉記念館ジュニア俳句集

2010-04-20 | ジュニア俳句

24日のNHKBSの「ニッポン全国俳句日和」の番組に江東区の子ども達が出演する。日常的に俳句を作っているのは、八名川小学校の他に芭蕉記念館のジュニア俳句教室に通っている子ども達だ。
こうした「スーパー俳句好き」の子ども達を育てる。将棋でも囲碁でもゴルフでもサッカーでもそうした子ども達がいるわけだ。自分が学校の教員だったせいか、自分には、こうした観点がなかった。
それはとにかくとして、芭蕉記念館のジュニア俳句教室の句をまとめた「ジュニア俳句集」ができたそうだ。
A5版、58ページ。この一年間の501句が収められている。
ごらんになりたい方は、芭蕉記念館または、区内の図書館で閲覧できる。

なお、この4月から八名川小学校のPTAの津野さんらがジュニア俳句教室の指導に加わっている。記念館の地域との連携の一環でもある