十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

町の名前とナンバースクール

2011-04-30 | ジュニア俳句

岩波書店の宣伝雑誌「図書」に丸谷才一が「無地のネクタイ」というコラムを連載している。
今回の題は、「名前をつける」である。
旧日本海軍の戦艦や巡洋艦の名前の趣味が良かったと言うところから始まって、最近の都市の名前のつけ方に話題を移し、西東京とか、北九州とか四国中央とか、つくば未来市とか・・・・まともでない と嘆いている。

先日、中村真一郎の会に行ったら、丸谷才一が挨拶をした。彼には、「挨拶集」という本がある。なぜ、そんなものを全部出版できるのかと思ったら、彼は話をするすべての内容を原稿に起こし、それを読み上げるのである。挨拶だけでなく、講演も同じだ。当意即妙ではなく、きっちりと作り上げるのだ。すごい人である。

で、名前の話だが、「効率」というものが最高の価値となったときに、こうした町の名前の付け方が出てくるのではないだろうか。簡単に言えば、郵便配達がどうすればやりやすいか。そういうことだろう。
つまり、番地からの発想だ。これが複雑では確かにやりきれない。その番地の延長線上でいえば、町も番号にしてしまえということになる。郵便番号が出来たので、効率の方はそちらに任せれば、町の名前はもう少しゆとりが出てくるというのが、現在の状況ではないか。

ナンバースクールの発想もそういうところにあると思うのだが、戦前も 日比谷高校は、一中だし、戸山高校は四中という具合ということを考えれば、戦後のアメリカナイズということに原因を求めるわけにもいかない。
特に新制中学は多くの区でナンバーが振られている。ある意味、町と関係ないところに学校があったということだろう。
逆に、最近の学校統廃合でできた新しい学校ではそういうことは皆無だ。町の関係者が統廃合協議会に深く絡んでいる証拠でもある。

こんなところにもセンスが問われる。

私が、直面した統廃合 小菅小学校と小谷野小学校の 統合校の名前 「こすげ小学校」はどうだあろうか。

 


砂町小学校での授業

2011-04-28 | ジュニア俳句

 

江東区立砂町小学校の4年生で、授業をした。砂町小学校は、今年度「俳句」をテーマにして豊かに表現するこどもを育てるという研究に取り組んでいる。
そこで、まず、小山流の俳句の授業を見ていただいて、賛否を含めて雰囲気を見てもらうと言うことが目的だった。

校舎の裏に、蒲公英がたくさん咲いている。それにむらさき色の花大根がきれいだ。
時間も少ないので、たんぽぽに焦点を定めて、俳句作りと簡易句会を行った。すべて含めて、約60分である。
「きれい」という言葉を遣わないようにしよう  と呼びかければ、かなりの程度なくなるが、今回はあえてそういう制約を求めなかった。
出発点を明確にしておく必要があると思ったからだ。
この地点からどの様に一年間で子ども達が成長できるか。実に楽しみだ。

たんぽぽがたくさんさいてきれいだな

これが、出発点だ。しかし、この出発点からぐんぐん先に進んだ発見や句が出来ている子もいる。それらを足がかりにして、先に進んでいく。これが俳句の授業だ。

その後、先生方に話をしながら、自分のことで気がついたことがあった。

それは、自分が「授業としては子ども達全員に出来るようにしたい」という思いを当然のように強くもっており、それを追求しているということだ。
自分は、「教師だったんだなあ」という感慨だ。

そのために、例えば、
● 実物を見る。
● 「春を探しなさい」ではなく、「たんぼぽ」を見なさいと指示する。(テーマを決めてしまう)
● ノートに気がついたことを記述させる
● 句を作るときに、まず「たんぽぽ」(は、が、に、を、や)と上五に書かせる。

これらは、全員が句づくりができるための手立てである。
そんなことを言わなくても出来るこどもは、三分の一はいる。そうして、自由にさせた方が、「飛んだ句」が出来る可能性が高いかもしれないのだから・・・

(この項続く)


 


浦川聡子さん、コメントをありがとうございました。

2011-04-28 | ジュニア俳句

正岡子規の“楽しむ力”

(NHK出版生活人新書)

 日本放送出版協会

浦川聡子さんからコメントが届きました。この本、本当に愉快で楽しい本です。

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小山先生

『正岡子規の“楽しむ力”』をご紹介くださり、ありがとうございます!
(このブログをお読みの皆様へ)この本は、私が編集して作った本でした。
一昨年、NHKでスペシャルドラマ「坂の上の雲」を放送するにあたって、その主人公の一人である正岡子規のことが、むずかしくなく分かる本を企画したのです。

正岡子規は、病気にもかかわらず、いつも何事にも興味津々で、最後はみずからの病気まで「楽しんだ」・・・
それにしても、見出しにもある、

 線香を立てる歌会・句会

是非やってみたいですね。
線香の火が消えるまで、出句制限なしで句をつくるとか。(^o^)
企画してみたいと思います。

そして、この欄にもご紹介いただいた「NHK俳句」5月号の「俳句であそぼ」②のテーマは、「家族を俳句に詠んでみる」です。
先生、みなさま、これからも、どうぞよろしくお願いたします。

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浦川聡子さん、コメントありがとうございました。こちらこそ、よろしくお願いいたします。

皆様、ぜひどうぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 


100日百万歩

2011-04-25 | ジュニア俳句

 

100日、百万歩

これで、決して威張れる数字でもないが、100日で丁度百万歩というのも悪くない。
「若いうちは、健康は手段だが、年とってくると健康は目的になる。」
と誰かが言ったそうだが、まことにの感がある。

自分のゲーム世代の先駆けである。
というのは、こうした計測器があると、つい張り切ってしまうからだ。
万歩計があると、つい
「歩こう」
と思ってしまうのだ。
そう言えば、井上ひさしに「四千万歩の男」という小説があったはずだ。伊能忠敬を題材にしたものだ。四千万歩はどうやって割り出したのだろう。

最近、自転車に乗り付けている。中古の自転車を買ったのだ。一ヶ月ほど前の話である。震災とは特に関係はない。歩くことを基本にするにしても、有ると便利だと思ったからだ。
普通の自転車の方が、電動自転車よりもシンプルでよい。しかも、運動になる。
最初の一週間、ももの筋肉がひどく痛くなった。自転車は、歩くのとは異なる筋肉を使うのだ。坂を登るときなどつらい。
しかし、慣れるものだ。
がんがんこぐのが楽しみにさえなってきた。
歩くよりも自転車の方が運動量はありそうだ。
歩いてはぁーはぁーすることはないが、自転車だとそうなる。
自転車に乗りながら、今度も100日で100万歩歩ければたいしたものだろう。が・・・あまり無理することもないか。


健康を求めすぎると不健康になる

 

 


 


正岡子規の楽しむ力

2011-04-25 | ジュニア俳句

正岡子規の“楽しむ力”

(NHK出版生活人新書)

 
日本放送出版協会

 

坪内稔典さんが書いた正岡子規に関する本である。
この本の中に書かれている子規の句会というのが、おもしろかった。

第1ラウンドは、席題が10あり、その10について、それぞれの句を作る。句ができると席題の書いてある封筒に入れていくので、作れないとその人のところで封筒がたまってしまうのだとか・・・
全部で100句できて、それを元に句会をする。

第2ラウンドは、一つの題で一人十句ずつ読む。
10人だったら、100句になる。制限時間は30分だそうだ。
そして、句会をする。
とにかく、短い時間に競い合ってたくさん句を作る。

子規は、線香を一本立て、それが消えるまでに出来るだけたくさんの句を詠む「競吟」というのも好きだったらしい。
一種の遊びだが、それが、趣向である。読みながらそう思った。

子どもだって同じだ。俳句を作るのに一時間も二時間も要らない。やはり10分でよい。
「10分間俳句」はいい線いっているかもしれない。

上の表題をクリックするとアマゾンに飛んで、そのまま本を買うことも出来ます。

 


平均一人10句-越中島小学校-

2011-04-23 | ジュニア俳句

昨日、江東区の越中島小学校の4年生3クラスで授業を行った。
越中島小学校は、区内でも屈指の俳句が上手な学校である。
昨年度の波郷記念館ジュニア俳句大会でも、区長賞を獲得している。
この学年は、大会参加以外にはそれほど俳句づくりを行ってきた経験はないとのことだったが、おもしろくできた。
子ども達の集中力が素晴らしい。
俳句というのは、筋道を立てないで考えることだ。
つまり、ひらめきだ。ひらめくためには、ぎゅーと頭を詰めて、ぱっとひらめく。そんなことが必要なのだ。
出来た俳句を集めてみたら、32人のクラスで句の総計が300句を超えていた。
がんがん作る。そんなことが出来る子ども達だった。
一番多い子がなんと36句。一番少ない子でも5句である。
作った時間は、実物を見て、20分。教室に戻って20分。計40分ほどだ。
本当に先が楽しみの子ども達だ。

やはり、実物を見て作るのが一番だ。
中ーリップがきれいに咲いていた。それに夏みかんの木があった。八重桜も見事だった。
これらにターゲットを絞って、つくる。

最初に チューリップ とか 夏みかん とか 八重桜 とおく。 これが出来たところで語順をひっくり返したり工夫させる。こんな風にできた句のいくつかを紹介する。

明るいね太陽みたいな夏みかん

夏みかん木にぶらさがりかがやくよ

夏みかん枝がおつかれ実が重い

八重桜ピンクの色がキュートだよ

夏みかん虫がよってる鳥もきた

チューリップお日様めざしてのびている

夏みかん太陽さんとしゃべってる

チューリップピンクはさくらに負けません

夏みかんでかだかだけど人気者

チューリップ黒いおしべは六本だ

木の枝に鳥が来そうな夏みかん

八重桜おちた花びら花占い

一りんがとても大きい八重桜

チューリップエコスペースでたんじしょうだ

いまはもう同級生のチューリップ

夏みかん夕やけ色の服着てる

チューリップ名前の由来まだ不明

学校に五色もあるよチューリップ

太陽の光をそのまま夏みかん

・・・・・・・・まだまだあるが、このへんで。


「どの子もできる10分間俳句」

2011-04-22 | ジュニア俳句
どの子もできる10分間俳句
 
学事出版

発売から4ヶ月ほどがたった。

けっこう売れ行きが好調なようで、よかった。

全然売れなかったらどうしようと思っていたが、ちょっとほっとしている。

自分で言うのはナンだが、この本には、二つの特徴があると自負している。

一つは、俳句という観点からだけでなく、教育や学級づくりという観点から「俳句」を捉えていることだ。

もう一つは、作り方のこつなどをけっこうわかりやすく書いてあって、読みやすいことだ。

こう言うのを我田引水と言う。???

そうして、学級での実践をぜひお寄せいただきたい。

交流し、更に経験を積み重ねる事が今大切だと強く感じている。

 

 


春の夢

2011-04-20 | ジュニア俳句

先週に引き続いて第二亀戸小学校の三年生で俳句づくり授業をした。
俳句に初めて取り組む三年生だ。
先週は、満開だった桜は散り、きれいだったチューリップも萎れ気味だ。

最初の段階で、俳句づくりをすると

チューリップいっぱいさいてきれいだな

こんな句がならぶことになる。
そこで、方針を改めて、三年生になった思いを俳句に作ることにした。
狙いは、「俳句は五・七・五」というリズムを体得させることと、「いいたいことをいえばいい」と難しくないと印象づけることだ。

その時に効果を発揮するのは、穴埋め俳句だ。

春が来た○○○○○○○三年生

「三年生になってどうだった?」
「三年生になって変わったと感じ゛たこと?」
などと問う。

 春が来た漢字がいっぱい三年生

10分ほどで、多い子は、5から6句ぐらいつくる。
そこで、いくつかの季語を示し、「春が来た」をとりかえてもよいと指示する。
すると、例によって、季語に引きずられて、

 春の空お花がいっぱいさいている

的な句を何人かの子どもが書き始める。
ところが、その中で、そんな風にならない季語があった。

「春の夢」 だ。
之だと、子ども達は、自分の夢を書く。それは、先生や子ども達同士の相互理解、児童理解に役立つことになる。

春の夢カラテで一いになりたいの
春の夢100点いっぱい三年生
春のゆめいじわるしないなおきくん
春のゆめリレーせんしゅだ三年生
春の夢ダイエットがんばる三年生
春の夢ちゅうにいってケーキを食べる
春のゆめやさしくなろう三年生
春の夢さくらがさいてきれいだな
 
机上で考えるよりも、授業をしながら、気付くことや思うことが多い。これが実践者の強みだ思った。

 

 


学校の名前

2011-04-18 | ジュニア俳句

京都二十三区の学校に「交流会の案内」などを送付するために、タックシールづくりをやっている。
学校名をまずエクセルに打ち込んで、それをはがきソフトなどに詠み込ませ、タックシールに打ち出そうという作戦だ。
名前をひたすら打ち込んでいくのは、退屈な作業だが、発見がある。
例えば同じ名前の学校がある。
一番目につくのは、富士見台とか富士見という学校名だ。
東京では、こんなにいろいろなところから富士山が見えたのだ。しかも、そのことを学校名にするということは、地域の誇りだということを示している。
富士山がきれいに見えることは、郷土の誇りなのだということに改めて気がついた。

千代田区富士見小学校
台東区富士小学校
杉並区富士見丘小学校
豊島区立富士見台小学校
板橋区立富士見台小学校
練馬区立富士見台小学校

さすがに、主に東京の西側の学校であるが、こんなにあるとは知らなかった。

次に気がついたことは、ナンバースクールである。
例えば、板橋区。
板橋第一小学校から第十小学校まである。第三が抜けているのは、統合したのだろう。
志村は第一から第五までだ。江東区も砂町小学校から始まって、第七砂町小学校まである。北区の滝野川も第七までだ。
ある時期、けっこう安易につけたということだ。町の名前が味気なくなった時期があるが、それと重なっているかもしれない。
同じようなナンバースクール的でも、方角でつける付け方もある。
練馬区の大泉は、
大泉小学校、大泉第一小学校・・・・・・第六小学校までいったあと、大泉東、大泉西、大泉南、大泉北 といく。石神井は、東、西、その後は、上石神井、下石神井、上石神井北 地名によるのだが、こうやってみるとおもしいろい。
そうした流れが変わった。

その典型は、練馬区の光が丘だ。光が丘は、第一から第八までならぶ典型的なナンバースクール型だった。それが、統廃合でこんな名前になった。
「えっ!」

光が丘四季の丘小学校
光が丘春の風小学校
光が丘夏の雲小学校
光が丘秋の陽小学校

よく見たら、同じ練馬区で、
大泉学園桜小学校、大泉学園緑小学校というのもあった。

私も葛飾区時代、小菅小学校と小谷野小学校の統合に立ち会った。シンボルのケヤキの木を使って、 「けやき小学校」という校名も考えた。いい名前だと悦に入っていたが、いざとなるとなにかうそっぽくて採用できなかった。地名がやっばり強いと思った経験がある。

光が丘の小学校の名前、年月を経るとそれなりの重みが出てくるのであろう。