新潮社の宣伝雑誌「波」である。
定価は100円となっているが、書店では無料でもらうことができる。
この冊子、定期購読ができる。
私は、波を定期購読して、30年くらいになる。
現在は、1年間12冊で1000円。3年購読で2500円。
こんな安い買い物はない。
何せ、中身がいい。
元々が宣伝雑誌だから、新潮社の新刊の書評がのる。
4月号には、井上ひさしの「言語小説集」の紹介を筒井康隆が書いている。佐藤優の「紳士協定 私のイギリス物語」については、佐藤優と林望が対談している。椎名誠の「国境越え」には、嵐山光三郎が書いている。こんな具合だ。
それに、連載がある。これらが一定期間の後に単行本になって発行される。
蓮池薫の「拉致と決断」は今月号で24回目だ。歌人の永田和宏の「河野裕子と私」プライバシーをこれほどに赤裸々に語って良いものだろうかと思わせるほど、刺激的な、あの歌人河野裕子との生活が語られている。
椎名誠の 「ぼくがいま、死について思うこと」第八回目 人はいつからまいそうされるようになったのか
一つ一つが短いから、隙間時間に読むことができる。何が問題になっているか手軽にわかる。
もちろん、こうした宣伝雑誌は、新潮社の「波」だけでなく、岩波書店の「図書」や講談社の「本」もある。
僕は「波」と「図書」と付き合っているが、確か筑摩書房にはも宣伝雑誌があったと思う。特に図書は、他の出版社の宣伝が多く載っているので、いま発売されている本がわかるという利点もある。
年間郵送費の千円だけということを考えると、郵送してもらった方が忘れなくてよい。
そうそう、今月号には、辻桃子の「生涯七句であなたは達人」の紹介も載っていることを付け足しておこう。
引き続き、磯小学校の実践を紹介します。磯小学校は隠岐の島にある小規模な小学校ですが、だからこそ、こうした意欲的な実践が可能なのかもしれません。当校の永海校長先生の意欲がびんびんと伝わってきます。
考 察
・ねらいについて
自然への関心:作品を選考するには、一つ一つの作品の解釈を高めなければならない。一つの作 品が表しているものを吟味する中で、自然への関心が高まるものと思える。話し合いの中で、実際の生活場面と作品を繋げて発言したものがいくつかあった。
表現力:作品を選考するには、一つ一つの作品の表現に目を向けなければならない。話し合いの中で、作品の表現のよさを指摘する発言がいくつかあった。話し合いの中で、表現力も高まると考える。
感性:今回は、作品づくりを行ったわけではないので、感性の高まりは、よくわからない。しかし、題材とした作品を見ると、子どもたち一人一人が自分の周りに目を向け、独自の表現をするようになってきていると考える。また、作品のよさを話し合う中で感性が高まると考える。
・指導について
今回は、作品選考での助言が指導者の主な役割である。作品を選ぶ過程で、子どもたちの発言を意味づけることや子どもたちが気付いていることを引き出すことができた。
・外部講師について
講師の皆さんの「俳句大賞」発表を子どもたちは、毎回とても楽しみしている。評価が子どもたちの自信や意欲に繋がる。さらに、足りないところの指摘もありがたい。今回は、「季語は一つ」「季語の解説はしない」「句が切れる」「言葉の入れ替え」などについて、具体的に教えてくださった。 俳句がめざいているものや技法について指導を受けることは、作品の質の向上に繋がると考える。
活動の成果と今後の課題
① 活動の成果
ア 継続的な俳句作りについて
・3回の俳句教室は、充実したものとなった。俳句の日(毎月1回)は、だいたいできた。句の暗唱及び「かるた」については、準備不足で徹底できなかった。
イ 適切な評価について
・3回の俳句教室では、講師による「俳句大賞」発表が、児童の自信や創作意欲の向上に繋がった。「俳句の日大賞」は考えていたが、実行できなかった。いくつかのコンクールで 選したことは、児童の自信や創作意欲の向上に大いに繋がった。創作中や鑑賞中の指導の助言が極めて重要であることがわかった。
ウ 自然への関心の高まりについて
・児童は、回を重ねるごとに、自然に俳句創作に向かうようになった。作品も、自然を大 っぱに見るのではなく、焦点を絞った見方ができるようになった。日常においても、登校時などの会話の中に、季節の変化への言葉が多くなってきた。
エ 表現力の高まりについて
・回を重ねるごとに、短時間でできるようになった。作品づくりの中で、オリジナリティを意識するようになった。
オ まとめ
・継続的な俳句作りとその場に応じた適切な評価により、児童の自然に対する関心や俳句の現力の向上が見られた。
・俳句活動全体を通して、児童の感性を高めることを目指しているが、この点についての明らかな成果は出ていない。ただ、俳句活動を楽しむ雰囲気が出てきている。
② 今後の課題
ア 継続的な実践
・形はどうあれ、とにかく続けること。
・できれば、日常的に続け、「俳句脳」を身体にインプットする。(思考の習慣化を図る。)
イ 明確な教育課程への位置づけ
・教育課程全体の中での「言語活動」についての位置づけを明確にする。(全体計画の作成)
・1~6年の国語科年間指導計画の中に「俳句活動」を入れる。(特色有る教育活動として)
ウ 指導法の追究
・「継続的な俳句作り」
俳句を作る中で、「俳句技法」をどう指導していくか。発達段階にに応じた指導計画の作成。
・「適切な評価」
児童の思いを大切にした「創作・鑑賞指導」「添削指導」の効果的なあり方を追究する。
オ 俳句活動の可能性
・「隠岐ジオパーク」との連携 題材に気付かせる工夫。
・「学校図書館教育」との連携 語彙を増やす工夫。
・「道徳教育」との連携 感性の育成→「ものの見方・考え方」の育成
参考文献
① 本校の学校図書館にあるもの
・学習 俳句・短歌歳時記1春の名句と季語(国土社)
・学習 俳句・短歌歳時記2夏の名句と季語(国土社)
・学習 俳句・短歌歳時記3秋の名句と季語(国土社)
・学習 俳句・短歌歳時記4冬の名句と季語(国土社)
・学習 俳句・短歌歳時記5俳句の鑑賞とつくり方(国土社)
・まんが 俳句なんでも事典(金の星社)
② 指導上参考になるもの
・現代子ども俳句歳時記(チクマ秀版社)
・たのしい俳句の授業-わかる・つくる(明治図書)
・言葉の力をつける俳句単元の計画と指導(明治図書)
・教室俳句で言語活動を活性化する(明治図書)
・発見!感動!創造!どの子もできる10分間俳句(学事出版)
・俳句に見る日本人の心-人間観・自然観・社会観の育成-(明治図書)
・百句おぼえて俳句名人(角川学芸出版)
・俳句の授業・作句の技法-どう教え、どう作るか-(明治図書)
・親子で楽しむこども俳句塾(明治書院)等
③ その他
・俳句脳-発想、ひらめき、美意識(角川oneテーマ21)
・五色名句百選かるた(東京教育技術研究所)
・ジュニア版写真で見る俳句歳時記[春1春2夏1夏2秋冬新年](小峰書店)等
毎年恒例のジュニア俳句集が発行された。第19集である。江東区芭蕉記念館では、毎月第2土曜日にジュニア俳句教室を開催している。俳句集は、このジュニア俳句教室の記録である。巻末には、俳句の作り方やジュニア歳時記も掲載されている。
また、津野さんをはじめ八名川句会のメンバーがボランティアとしておてつだいをしているが、今回の句集には、ボランティア選というページも設けられている。
手に入れたい方は、江東区芭蕉記念館まで連絡して下さい。電話03-3631-1448
通勤の途中、門前中町の駅に「R25」が目に止まって,一冊失敬した。
無料の雑誌だから盗んだわけではない。
32ページほどの小冊子だが、ある種の情報が豊かで「へえー」と思うことがある。
ちなみに俳句の話題はない。載ることもあるのかな?
こんな記事がある。
「新しい公共の担い手 ソーシャルビジネスに注目」
「都会から離れてストレス減!サテライトオフィスの効用」
「海外出張でも使える日も・・・おサイフケータイ世界戦略」
「携帯メールでアポ取りOK ビジネスマナーの新常識」
「専用スーツも登場!自転車通勤の最前線」
これが、見出しの付け方である。この場面はすべて2フレーズになっている。
内容をかなりイメージできるようにする配慮だろう。
言葉のリズムは必ずしも重要視されていない。
注目の neoビジネス キーワード&アイテム の特集には、
キュレーション、ソーシャル資金調達、ゲーミフィケーション、スマートシティ、シェールガス、スマートテレビなどの言葉が並ぶ。
その中に、電子書籍末端があった。
4月中にアメリカで発売されているアマゾンのキンドルが発売になるという記事があった。
この電子書籍、今後は間違いなく主流になる。
すでに歳時記などは、私も便利に使っている。句会に行くと、半分以上の方が電子辞書で季語を調べている。
しかし、紙の方がよいという側面もある。
使う方も、使いこなしていくことが必要かなと思う。
島根県磯小学校の実践
平成23年度俳句活動における研究仮説等
23年度俳句活動における研究仮説
継続的に俳句作りを行うとともに適切な評価を行えば、児童の自然への関心が高まるとともに表現力も高まるであろう。
① 「継続的に俳句作りを行う」とは
ア 名句の暗唱及び「かるた」
・学級での名句の暗唱及びかるた遊び
イ 俳句の日(毎月17日 10分間程度)
・俳句づくりなど
ウ 俳句教室(毎学期1回 国語科特設2時間)
・俳句づくり及び鑑賞
② 「適切な評価を行う」とは
ア 俳句の日(毎月17日 10分間程度)
・「俳句の日大賞」の選出
イ 俳句教室(毎学期1回 国語科特設2時間)
・「俳句大賞」の選出
ウ コンクール
・コンクールへの入選(特に選評)
エ 俳句活動
・創作中や鑑賞(話し合い)中の効果的な助言
③ 「自然への関心が高まる」とは
ア 俳句作りでの態度の違い
・俳句作りで、身近な自然にじっと目を向け、耳を傾けようとする。
イ 作品での表現の違い
・自然へのとらえ方が大ざっぱではなく、焦点のしぼれた(瞬間的な)ものになる。
ウ 日常生活での自然への関心
・日常会話や日記等に自然の変化についての会話や記述が多くなる。
④ 「表現力が高まる」とは
ア 創作力の高まり
・短時間で沢山作れるようになる。
イ 創作内容の高まり
・独自な表現ができるようになる。
⑤ その他(俳句作りにおける指導者の役割等)
ア 季語を教える
・場面に応じて提示する。(年間を通して行うもの。その季節に応じて行うもの。)
イ 適切な言葉を教える
・できるだけ自己表現させるが、表現したいものを適切に表す言葉を教えることもあってもよい
ウ 段階に応じた技法を教える
・切れ字
・対句
・リフレイン
・オノマトペ等
エ 段階に応じた指導の在り方を検討する
・実践しながら本校としての学年に応じた指導目標及び指導内容を明確にする。
オ 国語科指導との関連
・各学年における指導内容との関連を明確にする。
カ 国語科以外での教科指導(生活科・理科)や行事(遠足・キャンプ)との関連
・自然への関心を高める。
キ 読書指導等との関連
・語彙を増やす。
島根県磯小学校の俳句への取り組みについて
全校俳句活動の取り組みについて
(1)テーマ
『四季の移ろいを身体で感じ、17音で豊かに表現する子どもの育成』
(2)俳句活動に対する基本的な考え方「なぜ、今、俳句活動を小学校で進めるのか。」
① 自然から学ぶ。
「人は人、本、自然から学んで人になる。」と考える。子どもたちは、人間関係の中でいろいな学びができる。また、本を読んでもいろいろ学ぶことができる。さらに、自然からもいろいろんでいる。
自然からの学びは、キャンプなどの自然体験がもっとも望ましいが、日常的な学習にならない。 本校においては、ふるさと体験活動(稲作・畑作・花栽培体験等)を積極的に行っている。さらに生活科や理科での学びも重要であるが、ここではあえて「常に変化している身近な自然への感動を短い言葉で表現する俳句活動」に注目した。
② 「感性」を育む。
「感性を育む」ことは、知育・徳育・体育の基盤となるものとして、島根の教育においても推進 しているところである。そこでは「感性」を「『ひと・もの・こと』に出会った時に、五感を通して得た感覚を自らの体験や経験につなげ、その意義や価値に気付く力」と捉えている。ここでは「感性」とは、「あるものに出会った時にそのよさを瞬時に感じる心である」と捉えることにした。 また、「神なき知育は知恵ある悪魔を作る」という言葉からも、知性の前にまず感性ありきと える。人や自然や本にふれた時、そのよさを感じる「豊かな心」を育てる方法として、主に自然題材にして創作活動を行う俳句活動を考えた。
③ 「知性」を育む。
「知性」とは、「思考力・論理的な問題解決能力であり、認知能力の一つ」として捉えることができる。俳句づくりにおいては、感じたことを言葉で表す。どのような言葉がもっとも自分の感覚や思いにふさわしいのかを考えなければならない。このことが思考力や表現力を高めることは間違いない。それが日常的にできるのであるから、俳句づくりは、素晴らしい活動であると考えた。
④ 今回の学習指導要領の改訂の趣旨に沿っている。
中央教育審議会答申の主な改善事項によれば、国語科では次の三つが指摘されている。
・ 言語活動の充実
・ 指導プロセスの明確化
・ 古典指導の重視
さらに、新学習指導要領において、「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」が新たに設けられ、小学校からもやさしい古典に触れることが勧められている。
⑤ 「名句暗唱」で言葉のリズムを体得するとともに、過去の人々との対話を楽しむ。
俳句づくりと並行して行っているのが「暗唱」である。俳句については「五色名句百選かるた等を使っている。暗記する力の大きい児童期に美しい言葉をどんどん身体に入れるべきである。れだけでも十分に意味のある活動である。昔から日本では、基本的な学習方法として「素読」がわれてきた。さらに、俳句を鑑賞することにより、過去の人々がどんなことに「美しさ」を感じのかを想像することができる。時を経て同じ現象を「美しい」と共感できる楽しさが俳句にはある。
⑥ 隠岐ジオパーク世界認定申請へ。
「日本ジオパーク委員会は、9月5日、世界ジオパークネットワーク(GGN)に加盟申請する今年の国内地域として、島根県の隠岐諸島を推薦することを決めた。ジオパークは、科学的に重 要で美しい地質がある自然公園。世界ジオパークは、ユネスコの支援を受け2004年に設立さ れたGNが認定する。見どころの多い地形・地質、独自の生態系、豊かな自然が育んだ歴史や文化それを伝える地元ガイドの取り組みなどが評価され、推薦が決まった。」(山陰中央新報H23.9.6記事抜粋)この自然の豊かさ(隠岐のよさ)を五・七・五の言葉にして世界へ発信したい。