十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

関口芭蕉庵

2019-01-26 | ジュニア俳句
俳句教育研究会の仲間から関口芭蕉庵で吟行をするという情報が届いた。恥ずかしい話だが、まだ一回も訪れたことがない。このチャンスを逃してはならない。

地下鉄有楽町線の江戸川橋の駅を出ると、すぐに神田川である。



御茶ノ水近辺の神田川はしょっちゅう目にしているが、こちらまではなかなか来ない。ビルの裏側の遊歩道を歩く。対岸の公園はよく整備されている。赤や白の梅がすでに花を咲かせている。



関口芭蕉庵は今は講談社が管理しているらしい。元々は講談社の社主である野間家の持ち物だったということである。
芭蕉は、神田川の工事に携わっているから、ここ辺りに住んだことは史実である。
それにしても、なかなかの風情だ。古池の句碑がちゃんと古池を背景にして立っている。



ここで作られたと言っても通りそうだ。

隣は細川庭園で、ここもなかなかのもなだ。
現在は文京区の所管というが、管理が行き届いている。史跡の保護に相当な予算を組んでいることを窺わせる。
雪吊りが美しい。



坂の上は椿山荘である。

また、この辺りをゆっくり歩きたいものだ。




俳句の掲示

2019-01-22 | ジュニア俳句


江東区のA小学校に俳句の授業で来ている。今年、6校目である。
廊下に上の写真の掲示があった。各校の担当者が工夫して、俳句に取り組んでくれている。
どの学校にも俳句掲示板があり、中には独自の俳句ニュースを発行している学校もある。毎月、学級代表の俳句を表彰している学校もある。
欲をいえばきりがないが、江東区では俳句はかなり定着してきたと言えるだろう。
もちろん、上からの働きかけもあるが、それだけでは定着しない。俳句そのものが、小学生とあっているからだろう。
五七五で完結する短さ、わかりやすさはこどもの心を刺激する。しかもすぐにでき、その中に深いものが込められる。先生方も扱いやすい。
俳句は教材として価値が高いとつくづく思う。

俳句に夢中 収録

2019-01-19 | ジュニア俳句
今日はケーブルテレビの収録があった。
この一年、四回にわたって、ケーブルテレビが「俳句に夢中」という番組を企画した。
私に先生役で出演してほしいという依頼があった。おそらくただで出演してくれるからだろう。
今日は、その最終回、第4回目の収録があった。
はじめは、波郷記念館。石田波郷を紹介し、学ぶ。そのあと、豊洲に出て俳句を作ろうという企画である。



波郷は昭和を代表する俳人の一人である。波郷の生涯を調べてみると、正に俳句一筋の人生であり、病気との闘いの人生であったことがわかる。
「俳句は文学ではない」「俳句はなまの生活である」俳句にかけた波郷の意気込みがわかる。
桑原武夫の第二文学論ではない。文学のようなきれいごとではなく、俳句は人生そのものだと言っているのだ。
そう思って波郷の俳句を読むとまた違う感慨に打たれる。

私が最も好きな波郷の句は

初蝶やわが三十の袖袂

であるが、今回学び直してみて、この先に波郷の深い世界があることが心に刺さった。

波郷記念館の後、豊洲のぐるり公園に向かう。
風がなく静かな海には春の光が輝いていた。
ここで俳句を作り、撮影は終了。


一緒にお付き合いしていただいたタレントの山崎さん。プロは違うと感じたことがある。俳句などこれまでやったことがないのに、雑談の中からポイントになる言葉を探り出し、撮影の時にわかりやすく提示する。この力に舌を巻いた。
放映は1月末らしいが、4回出演し、いい勉強をさせてもらったと感じた。

書初めの俳句

2019-01-15 | ジュニア俳句


今日授業に訪れた学校は、西大島の駅から1分、大島第一小学校。名門と知られる。などと書くと、他の学校は名門じゃないのかなんて、批判を受けそうであるが、まぁ世間の噂ではそうなっているのだ。
授業したのは三年生と六年生。
主題は書初めの俳句である。

書初めは四音であるが、五音になると、下五にも使えるので、グッと考えやすくなる。
筆始めという季語があること、おを付けて、お書初めとすると五音になるなどと教える。
お正月の俳句は、子どもそれぞれの経験がまちまちだが書初めは席書会として、各学校で行われている共通体験なので作りやすいし、子どもたちの捉え方の相違も明らかになる。

じゃあ作りなさい でもいいわけだが少しサービスをして作りやすくする。
つまりヒントを与えるわけだ。
一番優しいヒントは書初めの時何を使ったか、意識させることだ。
子どもたちに聞いて、それを板書していく。

筆→だるま筆
お手本
新聞紙
すずり
ぞうきん
墨汁

季語プラスこれらの言葉をうまく使うと俳句が優しくできる。
使ったものだけでなく、その日の天候を入れたり、表情に注目させたり、聞こえてきた音を思い出させてもいい。

ぜひ実践してみてください。

実践の様子や結果をoyamamasami@gmail.com
小山まで、ぜひお知らせください。


朝ごはんと俳句365日

2019-01-09 | ジュニア俳句


この本が面白い。坪内稔典率いる船団の会のメンバーが毎日の朝ごはんについてのエッセイを書き、俳句を一句そえている。その日が何の日かも記されている。今日、1月9日だととんちの日という具合だ。
こんな本、面白いのかな?と最初はちょっとバカにしていた。
ところがだ。これがめっちゃおもしろい。
同じ人が二回くらい書いているのかもしれないが、朝飯に人生があるということがわかった。
365人の人生を垣間見れる。一人で作ったんじゃ面白くない。大勢の人間で寄ってたかって作るところに面白さが生まれてくる。
帯に稔典さんは、
この本には朝の楽しさが詰まっている。毎日、俳句も添えている。その俳句、朝ごはんのテーブルに活けた草花みたいなものだ。と書いてある。

お正月の俳句の作り方 最新版

2019-01-07 | ジュニア俳句
久しぶりにこのプログを覗いてみたら、アクセス数がやけに多い。一週間で3000近くもある。
何でこんなに多いのかと思ったら、「正月の俳句」である。
学校でおそらく俳句の宿題が出たのであろう。
ヒットするのがこのプログに2010年に書いたお正月俳句の作り方だ。
今だったら、この作り方を推奨しない。9年間の俳句の授業の積み重ねで、指導法もいくらか上達している。このままだと申し訳ないので、今だったらどうするか、さわりを書いておく。

1番の違いはどこか。
2010年には、まず上五にお正月とおくと書いているが、今なら下五にお正月と置かせる。
これだけで俳句になる。
思い出すには上五の方がいいのだが、上五にお正月と置くと、最後が動詞になりやすい。つまり散文になる。もっと言えば楽しいなで終わる。
下五にするだけで、こうした点を回避できる。
では、上五をどうするか。

基本は我が家ではである。自分の体験を書くことだ。
しかし、我が家といちいち書く必要はない。
最初のうちは書いて考えるとわかりやすい。

我が家ではみんな集まるお正月

誰が来るか考えてみる。

じいちゃんもおじちゃんも来るお正月

我が家のお正月を一渡り作ったら、ばあちゃんちや田舎のお正月を考えても良い。

田舎では何にもないけどお正月

である。

風の音川のせせらぎお正月

かもしれない。

こんな風に広げていくといろいろできていく。

同じようにして、初詣やせち料理、年賀状など正月にまつわるいろいろな季語を用いてお正月俳句を作ってみたらどうだろう。



明けましておめでとうございます。

2019-01-02 | ジュニア俳句

明けましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

日本学校俳句研究会では、要望に応じて小中学校に俳句講師を派遣しております。

また、俳句教育に関するあらゆる質問にお答えしています。

どうぞ遠慮なく oyamamasami@gmail.com(代表 小山正見)までご連絡ください。