十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

江東どんどこどん

2010-07-31 | ジュニア俳句


この新聞、区役所や出張所、図書館など江東区関係の施設においてある。
「江東どんどこどん」の題字の下を見てほしい。
以前は、写真だけだったが、今号からそれが゜「写真俳句」になっているのだ。
もっとも「写真俳句」という言葉は、作家の森村誠一氏が商標登録をしている。
使って悪いということはないのだろうが、公共の新聞としては、そうは言えないのだろう。
「江東自慢~写真で5.7.5」となっている。
ネーミング一つにも気を遣わなければならない時代だ。

句は、

「夏の海テトラポットに道たずね」

(万業-まんごう)さんの作である。


先日のフォトセッションの写真俳句と言い、江東どんどこどんといい、数矢小学校の実践と言い、
写真俳句への関心の急速な高まりが感じられる。
これも俳句の広がりの一つとして大切にしていきたい。



年間計画づくり

2010-07-27 | ジュニア俳句
初の計画は、中心になる先生を育てる。その先生を中核にして、アメーバーのように俳句教育を広げていく。いわばゲリラ戦法だ。人間関係を軸にして広げていこうという戦略だ。
しかし、学校をまわり校長先生方と話していく内に、年間のカリキュラムの中に俳句を位置づけることの大切さに気がついた。
働きかければ、かなり多くの学校が俳句をしっかりカリキュラムの中に位置づけて、それぞれの学校の特色として取り組もうという意志を持っていることが分かったのだ。
そんなことは無理だと思っていたが、そうではなかったということだ。
A小学校では、2年生から6年生まで年間4回ずつ、つまり卒業するまでに16回俳句の授業を行うという。
又、B小学校では、5年生が毎月1回俳句の授業に取り組む。11回やろうという。
そうすると、各学校に俳句が確実に根付く。
昨日は、二つの学校を訪問して、学校としての取り組みの話をした。
こんな具合に進んでいくと楽しい。
しかし、それにぴたっとする指導計画を立てなければならないし、益々責任重大である。
それにしても暑い日が続く。




小学生に贈る200句

2010-07-26 | ジュニア俳句
先日、津野さんらと句会をした。
津野さんは、前の八名川小学校のPTAの会長さん。昨年の深川芭蕉まつりの小学生俳句大会から忽然と俳句に目覚めた。
毎日俳句を作る。本を読む。結社の句会にも出る。
さらには、芭蕉記念館でのジュニア俳句教室の指導者まで務めるまでになった。
たった1年間である。
その津野さんの句は、先日の「勉強句会」でもダントツのトップ賞をとった。
4月のNHKBSニッポン全国俳句日和の番組にも投句し、かなり良い線まで勝ち残ったらしい。
バドミントンなどのスポーツも将棋も何でもこなすスーパーマンだ。

その彼と八名川小の仲間と各自20句ずつ持ち寄っての句会。
俳句を除いても実に楽しいひとときだった。

その際、津野さんが自分で選んだ200句を持ってきてくれた。
私がえらんでいた句とかなり重なる句もある。

へろへろとワンタンすするクリスマス 秋元不死男

なんていう句も共通で思わず笑ってしまう。

その津野さんがね200句を選ぶ基準をまとめている。
これが参考になるので、ここで紹介する。

1、なるべく親しみ易い句
2、なるべく定型でわかり易い句
3、1季語1句で歳時記順
4、なるべく多くの俳人を知る
5、旧かなをある程度覚えさせる
6、日本の風習、季節感を覚えさせる
7、発見・想像などイメージしやすい句
8、教師がまず何となく理解できる句
9、読み物(書籍)として詠みやすくまとめる
10、目指すところは、自分で俳句を詠んでみたくなること。教師が教えたくなること。教師が俳句っておもしろいと思うものが大切。とっつきにくいから、簡単・親しい・楽しい・美しいを目指す!


国民的俳句百選

2010-07-24 | ジュニア俳句
「国民的俳句百選」
この本がいい。子どものための俳句二百選を選考したい。
図書館に行ったら、子の「百選」が目についた。
著者は長谷川櫂である。

読み始めて引き込まれた。
俳句とその裏側にある日本の文化にたいする知識・見識が半端でない。
たった十七音を元にして夏の雲のように世界が広がっていく
俳句を詠むというのはこういう事なのかとわかる。

しかし、長谷川櫂という人はすごい人だ。
「国民的・・・」と言う題からして度肝を抜かれる。
自分一人で「国民的・・・」をやってしまうのだから。

国民的俳句百選
長谷川 櫂
講談社


夏休み

2010-07-23 | 雑感
学校は、21日から夏休みに入った。
それに合わせて、私も夏休みをとることにした。
現役時代には、この時期に休みを取ることなど到底不可能だった。
うそみたいだ。
多少の用があるにしても、こんなにゆっくりできるものか。
それこそ、理想の生活である。
図書館から本を借りてきて読む。片っ端からとはいかないが、まず一冊目から。
ビデオレンタルから映画を借りてきて、これまた見る。
涼しくなったら少し散歩をして、珈琲などを飲む。
部屋の整理もちょっとずつする。
来週はまた仕事だが、実によい休暇だ。
それに、ちょっとうれしいこともあった。
写真俳句の第2集をつくり、写真屋に持ち込んだ。
フォトブックに一時間余りで作ってくれる。
写真は約20枚ほどだ。
時間が過ぎて取りに行ったら、写真屋の親父が絶賛する。
写真も俳句も素晴らしいという。中から若い女の子も出てきて
「私も拝見させてもらいました。感動しました」
なんちゃって・・・云う。
「素晴らしいから一割引にします」
と一割ひいてもらった。悪い気分はしないですねえ。
しかし、と言うことは、写真屋はしっかり中味を見ているということなのだ。
下手なものは持ち込めないねえ。




子ども俳句宣言

2010-07-22 | ジュニア俳句
由緒ある詩の雑誌「同時代」を発行している黒の会というところから「黒の会通信」に短い文を書いてほしい(書かせてやる)という話があった。
それで、子ども俳句の事を書くことにした。これまでも、このブログには書き散らしてきたことで、新鮮味は乏しいが、一応紹介する。
通信が届いて驚いたのは、同じ号に最近知り合いになった俳人の高橋博夫も「澄雄俳句との出会い」という一文を載せていたことだ。彼は、森澄雄の「杉」の編集長をも務めた人だ。
高橋さんとはこれまで三度ほど出会い、一回は吟行を共にしたが、パワフルで論理的な思考には圧倒される。新しい俳句の雑誌をつくるとかで私も誘いを受けている。
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子ども俳句宣言

私は、この三月まで、江東区の八名川小学校に勤務していた。深川芭蕉庵の隣にある小学校である。
「だったら、俳句づくりをしよう」
全校をあげて俳句に取り組んだ。昨年は、「俳句脳」の著者、茂木健一郎さんを呼んで俳句教育の研究発表会を行った。それが引き金になって、今年からは「俳句教育の推進」が、江東区の方針になった。
トマトの葉さわればトマトのにおいする  恭輔
赤虫がヤゴにいのちをとられちゃう    拓斗
子ども時代にしか手に入らない感覚というものが確かにある。大人になると消えてしまう種類のものだ。
この独特な感覚を文学的な表現として定着させることは出来ないだろうか。
確かに、子どもは思考も複雑ではないし、表現方法にも長けていない。子どもがすぐれた長編小説を書けるとは誰も思わないだろう。
私は子どもの文学的な表現方法として最も適しているのは、「俳句」だと思う。これならば、大人とは異なる独特の作品を作り得るからだ。
それは、俳句がたった十七音のひらめきの文学であり、ほとんど組立を必要としないからでもある。ひらめきをひらめきのままに表現することが可能なのが「俳句」という表現方法だからだ。
文学とは、世界を、自分の感覚を・・・・つまり捉え所のないアナログなものを言葉というデジタルに置き換える事なのだと思う。そして、このことを通して人類は文化を深めてきた。子どもでも、俳句を通してこの事業に参加することが出来るならば、何と幸せなことか。
俳句という文学形式をもっていたことは日本と日本の子ども達の幸運と感じられる。
子ども俳句のこれからがおもしろくなる。

数矢小学校の写真俳句

2010-07-21 | ジュニア俳句
今週、19日から数矢小学校の五年生の写真俳句が
「カシャッと一句フォト5・7・5」NHKBS2,ハイビジョンで紹介されている。
江東区の子ども達の活躍はうれしい。















これは、昨日の20日に放映されたものである。
今日は、放映されなかったが、明日はどうなのだろう。


北砂小での授業

2010-07-20 | ジュニア俳句
暑い。
しかし、学校というのは比較的涼しい。もっとも、今は教室にクーラーが入っているおかげだが、それだけではない。風が通るのだ。
二年生は、俳句を作るのが初めて。
夏休みをテーマに、5・7・5でできればよいとした。
六年生は、夏をテーマにした。

「よく見れば薺花咲く垣根かな」

「夏の空ぼくの真上に鯨雲」

を示して、

「俳句は発見である」

短い時間だが、校庭に出て、夏を見つけた。
教室に帰ってから句をつくり、句会までたどり着いた。
やはり、一回の授業が2時間あるとよいのかなあと思った。
1時間(45分)では、いかにも余裕がない。


風吹いて一時は涼し夏の昼

夏の岩さわると感電温かい

ふでばこにこっそりかくすよ夏の虫

静けさがあたりをつつむ夏の昼

蛍達光を灯し輝くよ

夏の雲アイスクリーム見えてくる

風が吹きいっしょに歌う夏の草

空の上走り回るとんぼ達

風吹けばふうりん鳴るよリンリンと

アスファルトたまごがやける温度かも

夏の空雲がぼんやり綿飴だ

明るい夜やたいいっぱい夏まつり

ひまわりとせくらべしようよ夏休み

ひまわりは一緒に歌う友がいる

友達と線香花火で運だめし

赤や青緑の上にトンボとぶ

夏空に飛行機一機どこ行くの?

ひまわりに追いつけ追いこせせいくらべ

・・・・・・・・・・・

夏休み前最後の授業

2010-07-19 | ジュニア俳句
明日、北砂小学校の二年生と六年生に俳句の授業をする。
A先生にお手伝いをお願いしている。
この間、チームが出来かかっていることも大きな成果と言えると思っている。
一人だけではダメだ。現代俳句協会のように多くの俳人や指導者が関わることが
大切である。

夏休み前最後の授業になる。
最後の日に俳句の授業をされる子ども達も大変だろう。
気持ちはすでに夏休みだろうから。

今日から、数矢小学校の五年生の写真俳句がNHKBSの「カシャッと一句フォト5・7・5」に登場したはずだ。(東京におらずテレビが見られなかったのだ)
ぜひ、多くの人に見てもらいたい。


フォト句会

2010-07-17 | ジュニア俳句


深川フォトセッションの一環として、そら庵でフォト句会と板見浩史さんりフォト五七五のミニ講座が行われた。
フォト句会は、大西進さんの三枚の写真を題材にしながら、句をしたためる。
一人二句という制限で、39句が投句数。
いつもと雰囲気が違うおもしろい句会になった。
写真俳句は、幅が広い。何でも有りだ。
その分だけ、散漫になりやすいが取っつきやすいとも言える。
句会は北大路翼さんが仕切った。
やはり、板見さんの評が抜群である。

ミニ講座では、板見さん自身の作品もたくさん紹介していただき、推敲過程がよくわかり勉強になった。
しかし、ここでも感じるのは、推敲にしても、発想の飛躍があるということだ。
この発想の飛躍は、外から教え込むことは出来ない。
子ども自身にどのように獲得させるか。
時間を与えるしかないのか と思ってしまう。
先日、私と一緒に俳句を教えに行ってくれたS先生が、
「よい俳句を見せて、じっくり考える時間を与えればいいんじゃないですか」
という話をしていた。
これは、大きなヒントだ。

●題材を明確にして子どもにイメージさせる
●ヒントを呼び起こす俳句の例を与える
●考える時間を与える

八名川小学校の保護者のIさんが、
「ブログを見ていると、ヒントはたくさんある。しかし、それをまとめるのが大変ですね」
まさにその通りだ。授業をしない八月末までは、それをまとめる事が一大目標である。