この時期、「夏休みの思い出を俳句で表そう」という実践が多いと思う。
その指導法について、考えてみたい。
1、夏休みに印象に残ったことを話す
・旅行 ・プール ・宿題 ・花火大会 ・お祭り ・・・・・
具体的にどの場面を俳句にするかを決める
2、「夏休み」を上五、ないし下五に入れる。
最初は、上五に入れる方が夏休みの事が思い出しやすい
夏休み旅行に行った楽しいな
宿題が終わってうれしい夏休み
花火大会、お祭り、プールなど季語を選んだ時は、「夏休み」と入れないで作るとこの時点で指示してもよい。
3、「うれしいな」「楽しいな」なと゜感情をそのまま表すことばは使わない
夏休み旅行に行った楽しいな
「どこへ旅行に行ったの?」
→夏休み旅行に行った軽井沢
「軽井沢はどんな様子だった?」
→夏休み人がわんさか軽井沢
「一緒に行った家族の人たちの様子は?」
→父さんはいねむりばかり夏の旅
具体的で印象的な事柄・ことばを引き出すことができるかが鍵
幾つかのランクの句を板書して、なるべく具体的な俳句の方がよいことを示唆する。
4、季重なりの解消
夏休み俳句を作ると、
夏休みプール入って泳いだよ
のように季重なりの俳句が多くなる。低学年の場合には、そのままでもよいケースも多いが、できれば、季重なりを解消したい。
どこに焦点を当てるか、何を一番言いたいかを明確にさせる
検定日二百メートル泳ぎ切る
プールの日まっ黒黒になっちゃった
5、「夏休み」の季語を他の季語に変える
夏の空、夏の海、夏の・・・・ 他、の季語を提示し、「夏休み」を他の季語に変えた方がよいときは、変えさせてみる。
夏休み→ 時 夏の夜、夏の朝、夕焼け
→ 場所 夏の海、夏の山、
→ 状況 炎天下、蝉時雨、お祭り、船遊び、海水浴、水遊び、
→ 浴衣、水着、うちわ、風鈴、サンダル、汗、クーラー
6、句会
・点盛りをして、それぞれの句の良いところをあげさせる。
・印象が明確になるようにそれぞれの俳句を推敲させたり、添削したりする。
この過程で、夏休みの印象を子どもが、なるべく具体的に焦点化して捉えられるようになれば、指導は成功したと言えるし、俳句にもその成果が表れれば更によい。
こども達に、俳句を伝えることの難しさを痛感しています。今後も訪問し、参考にさ瀬ていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。