十分間俳句

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夏休み俳句の作り方・作らせ方

2012-09-03 | ジュニア俳句

この時期、「夏休みの思い出を俳句で表そう」という実践が多いと思う。
その指導法について、考えてみたい。

1、夏休みに印象に残ったことを話す
・旅行 ・プール ・宿題 ・花火大会  ・お祭り  ・・・・・

具体的にどの場面を俳句にするかを決める

2、「夏休み」を上五、ないし下五に入れる。
 最初は、上五に入れる方が夏休みの事が思い出しやすい

  夏休み旅行に行った楽しいな
  宿題が終わってうれしい夏休み

花火大会、お祭り、プールなど季語を選んだ時は、「夏休み」と入れないで作るとこの時点で指示してもよい。

3、「うれしいな」「楽しいな」なと゜感情をそのまま表すことばは使わない

  夏休み旅行に行った楽しいな

 「どこへ旅行に行ったの?」

  →夏休み旅行に行った軽井沢

 「軽井沢はどんな様子だった?」

  →夏休み人がわんさか軽井沢

 「一緒に行った家族の人たちの様子は?」

  →父さんはいねむりばかり夏の旅

 具体的で印象的な事柄・ことばを引き出すことができるかが鍵
 

幾つかのランクの句を板書して、なるべく具体的な俳句の方がよいことを示唆する。

4、季重なりの解消

 夏休み俳句を作ると、

 夏休みプール入って泳いだよ

のように季重なりの俳句が多くなる。低学年の場合には、そのままでもよいケースも多いが、できれば、季重なりを解消したい。

 どこに焦点を当てるか、何を一番言いたいかを明確にさせる

  検定日二百メートル泳ぎ切る

  プールの日まっ黒黒になっちゃった

5、「夏休み」の季語を他の季語に変える

 夏の空、夏の海、夏の・・・・  他、の季語を提示し、「夏休み」を他の季語に変えた方がよいときは、変えさせてみる。

  夏休み→ 時    夏の夜、夏の朝、夕焼け
       → 場所  夏の海、夏の山、
       → 状況  炎天下、蝉時雨、お祭り、船遊び、海水浴、水遊び、
       →      浴衣、水着、うちわ、風鈴、サンダル、汗、クーラー

6、句会
 ・点盛りをして、それぞれの句の良いところをあげさせる。

 ・印象が明確になるようにそれぞれの俳句を推敲させたり、添削したりする。

この過程で、夏休みの印象を子どもが、なるべく具体的に焦点化して捉えられるようになれば、指導は成功したと言えるし、俳句にもその成果が表れれば更によい。
 


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
納得です (正丸)
2013-10-08 10:19:09
 私の所属している俳句会で、町内の小中学校6校へ俳句出前講座(講師をお連れしてサポート)と、こども俳句大会を行っております。
 こども達に、俳句を伝えることの難しさを痛感しています。今後も訪問し、参考にさ瀬ていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
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