十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

変身俳句

2009-09-29 | ジュニア俳句

 最近できるだけ歩くようにしている。  


成人病(老人病?)対策という意味もある。


ちょっと油断すると、すぐに怠けてしまうが、万歩計をもつようになると、何となく張り切る。


数字で結果が表れるからだ。子どもが、ゲームを楽しむのと心理はそれほど違いがない。


万歩計を持って出るのを忘れるとがっかりしたりするのだから、われながら笑ってしまう。


一回り百万歩なのだが、90日で達成した。次は80日でと意気込んだが、夏の暑さの中


そういうわけけには、やっぱり行かず、百万歩達成に92日かかった。


数日、万歩計をもって忘れたということもある。   今のサイクルでは、22日で24万歩だから


同じペースである。


一日一万歩は大変と思うかもしれないが、そんなことはない。校舎の中をたらたら歩くだけで


数千歩になる。本当は一定時間、そこそこのペースで歩かなければ運動にはならない。


でも、平均一万歩を約二百日続けていることはまあまあかな。


そんなことはよい。


六年生の運動会の句がいい。


俳句の種→俳句→変身俳句  


これが、うまくはまった。                    


時々、教職員向けに「10分間俳句」と題するプリントを配っている。


それに、この六年生の運動会の句の報告をした。


主に次のような内容である。


=============10分間俳句Part.2  no.7  ====================================


六年生が、運動会を題材にすてきな俳句を作っている。そのままで、こどもの心情が良く表れ、十分俳句の枠内では、百点満点とも言えるが、これを更にシェープアップし、変身させて、「俳句作品」に上げることは出来ないか。
 つまり、季語の語感を捉え、詩として作品を作ろうとする意識を持たせることができると作品としての高いものになると期待している。


 六年間短距離走ではいつも二位     →  いわし雲切れずじまいのテープかな

組体操下で慣れたよこの重さ     → 汗たれて友の重みに慣れたかな


徒競走ガッツポーズでテープきる       →          秋高しガッツポーズでテープ切る

 まん中のタワーのまわりピラミッド      →           秋高しタワーのまわりピラミッド

 ピラミッドタワーも成功組体操             →       ピラミッドタワーも成功秋日和

 応援団ダンスがすごくはずかしい       →          応援団はずかしいダンス青みかん

一着だ短距離走はぶっちぎり             →      秋日和短距離走はぶっちぎり

 かんぺきだすべて成功ピラミッド        →          秋の空すべて成功ピラミッド


 組体操見えない土台も大変だ           →         空高し見えない土台もたいへんだ

 ピラミッド重いのがまんよつんばい    →            ピラミッド重いのがまんせみの声

  組体操さかだちびょっこっとぼくできた →        秋日和さかだちぴょこっとぼくもてた

 ピラミッドだれがのぼるか考え中         →         ピラミッドだれがのぼるか秋の空

 吹奏楽口がもたないえんそう後         →          秋暑し口がもたないえんそう後

 騎馬戦で白ぼう取ったら歓声が         →          秋の空白ぼう取ったら歓声が

 組体操心配だったタワー成功            →         秋の空心配だったタワー成功

 閉会式団長になって優勝だ                →      秋晴や団長になって優勝だ

 秋晴や終わりの言葉大きんちょう       →         いわし雲終わりの言葉大きんちょう

 組体操六段成功こし痛い                    →      ひぐらしや六段成功こし痛い

騎馬戦で灼熱乗り越え大勝利            →         騎馬戦で勝利ものにしいわし雲

 六段のピラミッド上がり空晴れる        →           六段のピラミッド上がり秋の虹


大玉は空に上がって不時着だ             →        ふかしいも大玉上がって不時着だ

 リレーでは最後に抜かれてそりゃないよ    →        夏の果て最後に抜かれてそりゃない


====================================================================


左側の句は、以前に紹介したものだ。右は、その変身形である。


成功したものもあるし、必ずしもそうでないものもあるが、繰り返すことによって


言葉の感覚を身につけてくれればうれしい。

皆さんのご批評をいただきたい。



 


句会 いちじはん

2009-09-28 | ジュニア俳句

27日は、吟行日和。


いちじはん は、清澄庭園での吟行、そして八名川小学校に戻っての句会となった。


清澄庭園の かめ、鯉、曼珠沙華、萩、石榴などが詠まれ、この日も楽しい句会となった。


中心の北大路翼さんが、いちじはんのホームページを作成した。


この日の作品も近いうちにここにアップされる予定。


従って今日は、遠慮しておく。


  いちじはん  ←クリックして下さい。


 


夜の散歩

2009-09-22 | ジュニア俳句

連休が四日も続き、家の中に籠もっていると何となく気分が滅入ってくる。


私には、わさわさした中で色々な人と交流を持ち、歩き回った方が性に合っているらしい。


少なくても元気になることだけは確かだ。


今日も余り歩いていないので、夜10時になってから


「少し散歩してくる」


と家を出た。


結局1時間ほど歩き、つい今し方帰宅したところだ。


最後はイトウヨーカ堂に寄って食パンとヨーグルトを買ってきた。


歩いてもなかなか句は出来ない。


かつてこんな句を作ったことがある。


 外套の擦れる音と歩きけり


 大股で歩いて春愁吹き飛ばす


 靴音の消えてなくなる月の晩


そう言えば、「月」というのは、俳句の定番のテーマなのに、十分間俳句では、取り扱ったことがない。


子ども達が俳句を作る昼間は月が出ていない(もちろん正確に言えば、そうとも言えないが・・・・)からだ。


子ども達は月を見て、どんな句をひねり出すのだろう。


一度挑戦してもいいかなと思った。


 


 


運動会の俳句 その2

2009-09-20 | ジュニア俳句

6年生の運動会の俳句。先日は組体操の句を挙げたが、今日はそれ以外の句。


秋晴や終わりの言葉大きんちょう


六年間徒競走はいつも二位    ←徒競走でゴールテープを切ってみたかった


一着だ徒競走はぶっちぎり     ←一着になってうれしかった


赤とんぼバトンの色は空の色   


優勝だ最高の思い出なったかな  ←赤組が優勝したので最高の思い出になった


騎馬戦だぼうしをとらずにおにごっこ  ←騎馬戦で一回もぼうしをとることができなくてくやしかった


騎馬戦は自分と相手のにらみあい  ←騎馬戦で相手の大将のぼうしをとった


応援団ダンスの振り付け上手だな


大玉は空に上がって不時着だ


ときょうそうガッツボーズでテープ切る  ←徒競走で一番になった時にガッツボーズ


リレーでの最後に抜かされそりゃないよ ←最後のリレーで最後に抜かされてくやしかった


 


保護者からの「運動会の感想文」が多く集まってきた。


高学年の組体操に涙が出た。うるうるした。という感想は1枚や2枚に留まらない。


たった2週間で、子ども達のやる気を引き出し、力量を考えながら構成・演出し、


見ている者を感動させるほどの成功に導くのは、いくら教員がプロと言っても


誰にでも指導できるわけではない。


子どもの気持ちを斟酌し、高い指導技術を併せ持っていること。冷静な目も必要だ。


これは、水準を超えた担任の力量と言うしかない。


八名川小にはよい教員がいるということだ。


子どもの俳句。自分の感動を自分の言葉で表してている。


たったの十七音から子ども達の気持ちがびんびん伝わってくる。


十七音が詩として機能しているということだ。


子どもの俳句としては、これで百点満点と思う。


しかし、俳句作品としてみると、二つの問題点がある。


一つは視点の問題だ。誰もが気がつかなかったような視点での作品が少なかったことだ。


組体操の感動が余りに大きすぎたと言えないこともないが、


新鮮な視点をいつも求める強固な意志がないと難しい。


俳句作者?であるという「自覚」とも言える。


また、発想の新鮮さを求める姿勢は、十分間俳句の究極の目標であるとも言える。


まだまだ自ら俳句を作っているのではなく、子どもとしていえば、


作らされているということを意味しているのかもしれない。


しかし、中にはいつも独自の世界を求めようとする子が居る。


大玉は空に上がって不時着だ の作者のY君。


ピラミッドふんばりすぎて腰ギクリ の作者のT君。


時に、作品としては成功も失敗もあるが、独特の視点で物事を捉えようとする姿勢がある。


自覚して意識的な作業をしているということだ。


六年生にはこの事をもっと要求してもよいのかもしれないと思った。


 


もう一つは俳句の作品としての完成度だ。


これらの俳句は、「10分間俳句」でつくっているわけだから、今後の問題である。


種→俳句づくり→変身 10分で変身までは難しいということか。指導を重ねればできるのか。


変身の具体例を一つ示せば


徒競走ガッツボーズでテープ切る →この句の場合 「徒競走」を秋の季語に変える


これも、この子ども達なら要求すればできるもしれない。


 


 愛情とは要求することである


 


という有名な教育実践者の言葉がある。


 


 


 


 


早速ありがとうございました

2009-09-19 | ジュニア俳句

早速運動会の句にコメントをいただきました。ありがとうございます。


紹介します。


◎ピラミッド目線の先にはお父さん

私はこの句が一番好きです。
この子が見たお父さんの表情はどうだったのかな?
心配そう?誇らしそう?
そんな想像を楽しく、温かく膨らませてくれる句です。

◎秋暑しゆれる大技ピラミッド

私は俳句に詳しくないのでわかりませんが、秋と暑いは“有り”なのですか?
そんな疑問が浮かびつつも「ゆれる」という言葉がギリギリで頑張っていた子供たちの踏ん張りが感じられる句だと思いました。


※ 夏暑いのは当たり前なのですが、秋になっても暑い。つまり残暑ですね。秋の季語というわけです。




◎組体操さかだちぴょこっとぼくできた

“ぴょこっと”の響きがいいですね♪
本番まで自信がなかったのかな?
でも“ぼくできた”。良かったね!


運動会の俳句

2009-09-19 | ジュニア俳句

6年生の運動会の俳句である。


感動的だった組体操の俳句が多い。


それぞれの感慨があり、臨場感に溢れている。


組体操をとりあげた句を紹介する。様々なドラマが見て取れる。


 


三段のタワーが上がる秋の空   ←タワーが上がってうれしかった


組体操芝生フカフカ空青し     ←組体操で芝生にねたとき空がきれいだった


組体操完全成功百点だ       ←組体操が成功した


秋晴やなんとか上がったピラミッド ←ピラミッドが少し不安定で大変だった


秋の空タワーが上がりみなはくしゅ


ピラミッド重いのがまん四つんばい


秋暑しゆれる大技ピラミッド     ←ぐらぐらしたけどピラミッド成功


かんぺきだすべて成功ピラミッド  ←組体操で六段ピラミッドがあがったのがうれしかった


ピラミッドふんばりすぎて腰ギクリ ←ピラミッドができた


組体操全部成功技決まる      ←組体操全部失敗しないでうまくいった


気がつけばひざにはしばふ組体操 ←組体操をやっている時、しばがひざについていた


組体操下でなれたよこの重さ


組体操さかだちぴょこっとぼくできた


組体操タワー上がったいい天気


組体操見えない土台も大変だ    ←組体操でタワー・ピラミッドがあがった


ピラミッドぼくのせなかが重かった


ピラミッド目線の先にはお父さん   ←お父さんの顔が見えた


 


感想をお寄せ下さい。


 


 


 


1年生の俳句

2009-09-16 | ジュニア俳句

八名川小では、毎週火曜日の職員の連絡会の中で「学習連絡会」を行っている。


学校は、授業が主な業務の組織なのに、授業や学習に関してお互いに話をする機会がなかなかないと言う不思議な組織なのだ。


授業は、それぞれの教員が自分で職人的に技を磨くという側面が強く、研究授業などは行うにしても、日常的に実践の交流する機会が少ないという実態がある。


それを少しでも変えていこうという試みが「学習連絡会」なのだ。


各学級、教員の取り組みを毎週報告し合い(二人ずつ)成果を共有したり、技術を教えあったり、互いの実践を知ったりするということだ。


先日、1年からの報告で、「俳句作り」があった。


「遊び」「秋」をテーマにして俳句作り取り組んだ。事前に「遊び」「秋」に関する言葉を子ども達に出してもらい、後は自由に俳句を作らせてみた。


そして、できた俳句は次のようなものである。


あきのそらどんぐりいっぱいきがすんだ


あきのそらしゃぼんだまがきれいだよ


あきのかぜサッカーとちゅうもすずしいな


あきのあさハートのどんぐりうれしいな


おりがみでかきをつくったおいしそう


あきのかぜかけっこ3ばんつぎなんばん


あきのひにこしからおちそうフラフープ


あきのきはもみじいろいろおりがみだ


あきのひるいつもみつかるかくれんぼ


あきのひにしばふふわふわわたげみたい


うんどうかいかけっこいっぱいがんばるぞ


あきのあさもみじのクッションきもちいい


と続くのだが・・・・・きょうはここまで。


 


 


運動会

2009-09-14 | ジュニア俳句

夜の雨がすっかり上がって、絵に描いたような運動会日和だった。


しかし、アクシデントがあった。


前夜の雨で、テントが二張り壊れてしまったのだ。


雨の重みで支柱がゆがんだり、折れたりしたのだ。


信じがたいことだが・・・・・・いかに柔か!


この緊急事態を救ってくれたのは、やはり地元地域の方々だった。


神明幼稚園から急遽テントをお借りし、八名川ファミリーの白川さんが


トラックを出して下さった。早朝からありがとうございました。


心より御礼申し上げます。


そして、何事もなかったかのように開会式が始まったのである。


 



応援合戦


 



大玉送り


 



2年生の演技


 



1、2年生玉入れ


 


 



5、6年生組体操



 



紅白リレー


 


爽やかな青空のような八名川小学校らしい運動会であった。


ちなみに、六か町対抗リレーは、昨年に引き続き新大橋二丁目チームが連覇した。


応援では、新大橋一丁目、常盤一丁目が群を抜いていた。


保護者の皆様、地域の皆様ありがとうございました。この場を借りて御礼申し上げます。


 


                      八名川が一つになりし運動会  


 


 


 


 


竹中大工道具館東京企画展

2009-09-11 | ジュニア俳句


写真は、東陽町にある竹中工務店本店の二階ホールである。


今日「建築装飾にみる金工技法」展の記念シンポジウム


「錺(かざり)彫金の世界~伝統の技と美を語る」の会場の風景だ。


主催は、竹中大工道具館。


夏休みにわざわざ神戸から来て、子ども達の木工教室を実施してくれたあの竹中大工道具館である。


もし、こういう縁がなければ、彫金の世界を覗いてみようなどとは決して思わなかったろう。



少し見にくいかもしれないが、これは当日彫金師の小林正雄氏が実演して見せたものである。


印象的だったのは、桃山など時代の激動期に彫られた作品は躍動している。


ところが、だんだん工房が整備されていくにつれて、形は整うが良いものが少なくなるという


久保さん(京都国立博物館)のお話だった。


この話は色々なところに当てはまる。


若い教師は、教え方は荒削りだが躍動しているとも言える。


俳句も知らないうちの方が躍動する作品ができるが、勉強すると逆に型にはまったものになる。


等々。


芭蕉の偉大さは、常に新しいものを求めたと言うことにあるのだろう。


「不易流行」という言葉がある。これは、普通 世の中には、変わらない物と変わる物があり


その両方のバランスが重要だと言う風に受け取られているが、


作家の竹西寛子氏は、次のように言う。


「流行こそ不易」


まさにそうなのであろう。


 


 竹中大工道具館のこの東京展は、今月25日まで。


 23日には、体験教室「彫金に挑戦」が行われる。


 詳しくは、下記をご覧下さい。


  竹中大工道具館東京展