十分間俳句

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第一回深川芭蕉小・中学生俳句大会

2012-09-24 | ジュニア俳句

この深川芭蕉小・中学生俳句大会は、深川発祥小学生俳句大会と芭蕉まつり小学生俳句大会という二つの大会をルーツに持っている。そして、更に中学生の部を設けたところに特徴がある。

先日、この大会の選考会が行われた。
選者は、川田由美子さん、田付賢一さん、堀本裕樹さん、それに小山の四人である。
川田さんは、「俳句十代」という雑誌を20年近く続けておられる。子どもの俳句をずっと見続けてきた人である。また、田付賢一さんは、現在は現代俳句協会の広報部長で、「現代俳句」の編集長であるが、この三月まではジュニア研修部長を務められてきた。
堀本裕樹さんは、今をときめく若手俳人である。文芸誌すばる10月号では、ピース又吉さんとの対談が掲載されているし、NHK俳句には隔月で連載を持っている。最近は、江東区の各学校を小山と一緒に廻り、子どもの句にたくさん触れている。
こうした子ども俳句に造詣が深いメンバーでの選句となった。

今回の応募句は、小学生約七千、中学生約千の約八千句。そのうちから、大賞を含め佳作まで約百句を選。
江東区の各学校に俳句が拡がっていく様子がよく見える選句会であった。


第9回ジュニア俳句祭

2012-09-16 | ジュニア俳句

15日、第9回ジュニア俳句祭が江東区教育センターを会場にして行われました。この催しが江東区で行われる様になってから3年目。今年は、大賞を深川七中の久保田君が受賞し、同じく学校賞にも深川七中は選ばれました。
江東区のいろいろな学校の子どもたちが入賞し、江東区での俳句教育の成果が表れた催しとなりました。

江東区教育長の岩佐哲男氏もおいでになり、挨拶をされました。教育委員会が全面的にバックアップしてくれたこともうれしいことの一つです。

表彰式の後、参加者による句会が行われました。句会こそ、俳句の醍醐味の一つですが、ここでも江東区の子どもたちが頑張っていました。

全体として、短い時間の中ですっきりしたとてもよい会になったという印象を持ちました。
愛知県からわざわざ幸田高校の生徒が参加されたのが印象的でした。


二学期に入ってからの授業

2012-09-11 | ジュニア俳句

二学期?に入ってから、今日で10校目の授業だった。最近は、二学期制が普及しているので、この時期も二学期とは言わない。一学期後半というのか、ちょっと言いづらい。

しかし、子どもたちは元気。なかなか素敵な俳句を作ってくれる。子どもたちの嬉しそうな顔を見ていると、ばててはいるのだが、何となく健気な声を上げてしまう。
それにしても暑い。少々ばて気味というのが、本音だ。授業も少しやり過ぎかな。
自分で授業するのは面白いが、先生たちに俳句のおもしろさ有効性を知らせ、担任の先生たちにがんばってもらうのが本筋だろう。その方向も目指さなければならない。それこそ、学校俳句研究会の方向である。
さて、この時期、たくさんの句材が出てくる。秋はいい。
今日もゴーヤや猫じゃらし、さるすべり、朝顔、赤まんま、露草、自然を見るにはいい季節かもしれない。
ゴーヤの種を食べて「甘い」と感想を漏らす子どももいる。
俳句の時間でもなければ、身近な自然をよく見て、ふれて・・・という機会はあまりない。それだけでも俳句の授業は意味があると思う。

江東区では、この度オリンピック招致や国体へ向けて、「スポーツ俳句大会」 もちろん、スポーツをテーマにした俳句の大会であって、スポーツをしながら俳句を詠むというイベントではないが・・・行う事を決めた。これがいいかどうか、いろいろに考えられるが、どんなかたちにしろ、俳句が広がっていくことは良いと思う。
次の展開が楽しみだ。


俳句 はじめの一歩

2012-09-05 | ジュニア俳句
俳句 はじめの一歩―すぐに役だち、どんどん上達する
 石 寒太著

はじめの一歩と言っても、相当奥の奥まで突っ込んで書いてある本である。石さんの特徴は、非常にわかりやすく、技法を解説しているところにある。私は、深川図書館で借りて読んだが、よく整理して書かれているので、特に技法編あたりを読んでみるのもいいのではないかと思った。

例えば、「省略」について

俳句は、マイナス志向の美学 {いいおほせて何かある」

八つの省略

①季語は一つ
②主情は押さえて表現する
③われを主張しない
④季語を修飾しない
⑤一句一動詞
⑥常套語を避ける
⑦一句の中で切れは一つ
⑧言葉・イメージの重複を避ける

蛇笏の次の句を例に挙げて

秋たつや川瀬にまじる風の音  蛇笏

季語を効果的に使う
風の音という一点に絞り込む
感情を抑えて即物的な把握を心がける

説明しない
物に即して詠う
中心を絞り込む
それ以外のことはいっさい省略する

①自分の詠いたいことは何か、それをはっきりさせる
②感動のポイントを絞り込む
③言葉をしっかり選び抜く

という風に明確である。児童俳句の指導の中で活用できる内容である。

機会があれば読んでみて下さい。


 


夏休み俳句の作り方・作らせ方

2012-09-03 | ジュニア俳句

この時期、「夏休みの思い出を俳句で表そう」という実践が多いと思う。
その指導法について、考えてみたい。

1、夏休みに印象に残ったことを話す
・旅行 ・プール ・宿題 ・花火大会  ・お祭り  ・・・・・

具体的にどの場面を俳句にするかを決める

2、「夏休み」を上五、ないし下五に入れる。
 最初は、上五に入れる方が夏休みの事が思い出しやすい

  夏休み旅行に行った楽しいな
  宿題が終わってうれしい夏休み

花火大会、お祭り、プールなど季語を選んだ時は、「夏休み」と入れないで作るとこの時点で指示してもよい。

3、「うれしいな」「楽しいな」なと゜感情をそのまま表すことばは使わない

  夏休み旅行に行った楽しいな

 「どこへ旅行に行ったの?」

  →夏休み旅行に行った軽井沢

 「軽井沢はどんな様子だった?」

  →夏休み人がわんさか軽井沢

 「一緒に行った家族の人たちの様子は?」

  →父さんはいねむりばかり夏の旅

 具体的で印象的な事柄・ことばを引き出すことができるかが鍵
 

幾つかのランクの句を板書して、なるべく具体的な俳句の方がよいことを示唆する。

4、季重なりの解消

 夏休み俳句を作ると、

 夏休みプール入って泳いだよ

のように季重なりの俳句が多くなる。低学年の場合には、そのままでもよいケースも多いが、できれば、季重なりを解消したい。

 どこに焦点を当てるか、何を一番言いたいかを明確にさせる

  検定日二百メートル泳ぎ切る

  プールの日まっ黒黒になっちゃった

5、「夏休み」の季語を他の季語に変える

 夏の空、夏の海、夏の・・・・  他、の季語を提示し、「夏休み」を他の季語に変えた方がよいときは、変えさせてみる。

  夏休み→ 時    夏の夜、夏の朝、夕焼け
       → 場所  夏の海、夏の山、
       → 状況  炎天下、蝉時雨、お祭り、船遊び、海水浴、水遊び、
       →      浴衣、水着、うちわ、風鈴、サンダル、汗、クーラー

6、句会
 ・点盛りをして、それぞれの句の良いところをあげさせる。

 ・印象が明確になるようにそれぞれの俳句を推敲させたり、添削したりする。

この過程で、夏休みの印象を子どもが、なるべく具体的に焦点化して捉えられるようになれば、指導は成功したと言えるし、俳句にもその成果が表れれば更によい。
 


俳句の指導四つの場面

2012-09-01 | ジュニア俳句

当たり前のことのくり返しであるが、俳句の指導を考えるときには、次の四つの場面の指導を考えなければならない。

その第一は、俳句を作る前の指導だ。
俳句の種の拾い方や俳句の作り方の指導である。この指導には、当然俳句とは何かについての説明も入るが、中心は、俳句を作るときの視点や考え方についてである。イメージを与えると言うこともある。

第二は、推敲についての指導だ。これは、俳句を高めていく時のこつのようなものを含む。
この指導についての全体指導では、例句を示すことが有効だ。

第三は、句会の指導である。
この時、具体的な場面に依拠して作られた句は、子どもたちの意見も出やすいが、頭の中だけでひねられた俳句は、「どこがいいですか」と聞いても漠然として答えられないことも多い。そういうことも知って指導すると、自ずとどの句に焦点をあてて話し合いを進めればよいかがわかったりする。どの句を取り上げ、どうほめるのか、どうほめさせるのかも大切な点である。

第四は、日常化へのシステム作りである。この点での助言や具体的な方法が示されないと、一回こっきりで終わってしまう。