十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

創造的誤解 大岡まこと研究会 高柳克弘さんの話

2021-03-30 | ジュニア俳句
28日の日曜日に、大岡まこと研究会で俳人の高柳克弘さんが「折々の歌」の大岡信の解説について話をされた。
その話の中で興味深かったのは、「創造的誤解」という言葉だった。
この創造的誤読という言葉は、もともと萩原朔太郎の「郷愁の詩人 与謝蕪村」について、山下一海という人の評に現れる言葉と言う。
朔太郎は、蕪村の俳句を普遍的な詩と受け取り、その詩の中に没入する。少し引用する。
「朔太郎のような解釈・批評の前では、もともとの句意など、小さな問題であるように思われる。もちろん、もとの句意をないがしろにするわけではない。もとの句意を承知した上で、そこに加えられた朔太郎の蕪村理解の自由な膨らみを味わいたいものである。・・・・それがいかに蕪村の世界を膨らませているかと、創造的に読み取る込みとが、朔太郎の蕪村讃歌を理解するためには必要なのである。」
大岡信の読みにもこれと通じる点があると高柳さんは語る。

こどもたちに求める読みは正にこれである。
正確な正しい読みを求めるのではなく、その子が作品に没入し、自分の物語として句を語ることが、こどもの創造性を育むのだと考える。
したがって、授業においては、
「この俳句の良いところはどこか?」
と問うのではなく、
「これはどんなお話なのか、作者に代わって話してください」
と問うべきなのである。
俳句は、世の中を十七音に凝縮するが、それを解凍するのが読みの作業である。

フォト一句

2021-03-23 | ジュニア俳句
写真俳句、これは正に趣味。
気が向いた時に、日記代わりに写真を撮って、それに五七五を添える。
その時に感じたことをそのまま書くだけなのだが、これが結構面白い。
どんどん浮かぶ時も有れば、全く浮かばない期間もある。そのこと自体がすでに記録であるが、Facebookにアップすると、時にコメントが付くこともある。昔の友達と再会することもある。
スマホそのものがカメラになり、コメントが簡単に付けられるソフトがあるからだろう。このソフトはフォト一句という。
興味のある方が居られましたら、ぜひ(笑)

きごさい俳句大会の季語分析その1

2021-03-19 | ジュニア俳句

今年のきごさい俳句大会の第一次選考通過句1221句において、使用されている季語を調べたところ、
春68句、6%
夏307句25%
秋557句46%
冬246句20%
新年8句0.7%
季語なし35句3%
という結果でした。

5月から募集をしていますが、最初に届いたのが7月。圧倒的には締切ギリギリになっていうことです。
作った俳句をノートなどに記録して、いろいろな大会に出すようにすると、バラエティに富んだ句になるのでしょう。
そういう意味では、研究会作成の俳句帖の活用はこども俳句を新たな地点に運ぶ可能性があると思いました。


第10回きごさい全国小中学生俳句大会zoom講評会

2021-03-18 | ジュニア俳句
コロナ禍で表彰式ができない。
そこで今回は、zoomで講評会を行うことになった。
問題も多くあった。
第一はこどもたちがzoomに入れないということだ。zoomに入るためにはパソコンやタブレット、もちろんスマートフォンでもいいが、機器が必要である。一度経験した人にとっては、それほどハードルはたかくないが、はじめての人には驚くほど高い壁だ。
入れても、回線が乱れる、音が聞こえないというような技術的な問題が多くある。
途中で入るのを諦めた人や映像がフリーズした人も何人かあった。
これはなかなか大変だというのが最初の感想だ。
しかし、大きなメリットもあった。最大の長所は全国何処からも参加できるということだ。鹿児島のの先生や岐阜の先生も参加された。
リアルならこうはいかない。忙しい中で大枚をかけて東京まで出てくるのは難しい。
zoomはこの壁を簡単に超えてしまう。
講評会は長谷川櫂さんの司会でスムーズに進んだ。こどもの発言も数多くあったが、会場でするよりも距離感を感じない。これもzoomの特徴かと思われる。
思いの外集中できる講評会になった。
来年は表彰式をリアルに戻したいが、リモートの良さも手放すわけにはいかないと強く思った講評会であった。

卒業、進級俳句の作り方

2021-03-15 | ジュニア俳句
卒業俳句、進級俳句作っていますか?

卒業式、修了式まであと僅かになりました。
この時期のテーマと言えばやはり、卒業、進学。
卒業す、進学す、が基本形。
卒業の関わる季語
卒業証書、卒業式、卒業期、卒業歌など色々考えられると思います。
今年は卒業歌は歌わないので難しいかもしれません。

卒業歌ぴたりと止みてあとは風

私の大好きな句ですが(笑)

練習も簡素化されているので、実感が湧かない場合もあるとは思います。

卒業までにしたいことは何かな?

サッカーのシュートを決めて卒業す

卒業する時の教室の様子を想像してみよう

水槽を五年に残し卒業す

友達や先生に何と言いますか?

さようなら上手く言えずに卒業す

低学年では
春がきた◯◯◯◯ニ年生

春がきた漢字かけたら二年生

のような形で提案する手もあります。

ある先生がNGワードとして
思い出、絆という言葉は使わないように指示したところ、より実感がこもった俳句が生まれたという話を聞いたことがあります。
どうぞ試して見てください。

きごさい俳句大会zoom講評会

2021-03-08 | ジュニア俳句
先日お伝えしたように、13日土曜日午後2時から第10回きごさい俳句大会zoom講評会を実施いたします。
これは、表彰式が中止されたことに関わる措置ですが、画期的な意味があります。
表彰式に参加するためには、時間とお金がかかり、遠方から参加することは、実質的には不可能でした。それが、zoomによって可能になったわけです。
全国どこからでも、長谷川櫂さんや高田正子さんの話が聞けるというのは、大きなメリットです。
入選した俳句を中心に話はすすみますが、その中で子ども俳句の進むべき道が明らかになると期待しています。
参加されたい方は、小山
oyamamasami@gmail.com
までご連絡ください。
参加費は無料です。

きごさい俳句大会の冊子

2021-03-04 | ジュニア俳句
第10回きごさい俳句大会の冊子が出来上がってきました。
長谷川櫂、高田正子、小山正見の3人の選者に加え、日本学校俳句研究会の選んだ20句、さらに全国の先生方が選んだ「私の選んだ一句」が掲載されています。
さらに各季節の俳句が紹介されています。
ご希望の方はoyamamasami@gmail.comまで、ご連絡ください。