ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

東宝RENT

2010年12月05日 | ミュージカル・演劇
前回の公演を観てRちゃんはもう二度と観ないと言いました・・・(汗)
演出の違い等で色々とひっかかるところのあった東宝RENTでしたが、ソニンさんがミミをやると知り、観ておこうかなーと。
というわけで、なるべく初めてのキャストを観られるように、Anisさんがロジャーの日で1枚取っておいたのですが、Anisさんが休演で代役に藤岡正明さんがロジャーをやると聞いて、急遽藤岡ロジャーの日も取って2回観てきました。
結果ロジャー以外同じキャストで2回観ることになりましたが・・・2回観て全然OKでした。なかなか良かったんですよ。
演出も、前回気になったところがかなり直っていて、随分良くなってました。
謎の聖歌隊もいなくなったし(汗)サンタフェでマーク一人ブレイクダンス踊っちゃったりしてたのもなくなって、三人で仲良さそうにしてたのが嬉しかったなあ。
アンサンブルとか他の場面のメンバーが中心になってるキャストを見守ってる感じもオリジナルに近くなって良かったです。ライフサポートのメンバーも、前回はロジャーとミミとは全く別の空間にいる感じでしたが、今回はちゃんとロジャーとミミを見守ってました。
タンゴ・モーリーンでモーリーンが出てきちゃうのは変わってませんでしたが・・・でもあの時モーリーン結構面白いことやってるんですね。個人的にはマークとジョアンヌだけで十分なシーンだと思いますが。
不自然な部屋のセットはパイプの枠組みになって、オリジナルのセットにも近くなったし、遮蔽感もなくなって自然な感じになりました。
でも、あの長すぎる階段はやっぱり気になる・・・マークが走り降りながら歌わなきゃならないのが・・・エンジェルが昇っていく、という発想はいいかなあと思うのですが。
あと、RENTの時の台詞で「キャンドルに灯を」っていうのが復活して嬉しい・・・と思ったんですけど、もしかして前回もそうでしたかね?(汗)なんかあまり印象に残らなかったんですけど・・・2回観てるのに。

良かったと思った原因は、演出が変わったことだけでなく、カンパニー全体がすごくまとまっていて仲良さそうで、あったかい雰囲気だったことにあったと思います。RENTがいいかどうかって、ひとえにカンパニーの一体感にあると思う・・・
今回の東宝RENTのカンパニーの一体感はなかなかでした。ここ数年の来日公演よりはずっと良かった。(昨年のは除いてです、もちろん)前回からの連投キャストが新キャストを引っ張っていい感じに引き出している感じでした。
米倉利紀さんのコリンズとShihoさんのジョアンヌが良かったですねえ。
米倉さんはもうすっかり独特のコリンズを掴んでいる感じ。ロン毛でなくなってナルな感じがなくなったのも良かったかな(笑)エンジェルにはデレデレで、仲間にはおどけた感じもあって、今までにないコリンズなんだけどなんだかとてもハマっていて、仲間たちを支えている感じが出てました。文字通りカンパニーを支えているなーとも思いましたし。歌も申し分なく上手いし(下手な来日キャストよりよっぽど上手い・・・)、エンジェルの葬儀ではマジ泣きになっていて、本当にコリンズになりきっているんだなあと感心しました。全然役者さんじゃなかったのにねー。
Shihoさんは、台詞回しとかちょっと素人っぽい?んですが、なんかすっかりジョアンヌになりきってるんですよね。タンゴ・モーリーンでのキレっぷりがいい感じ(笑)Take Me or Leave Meもいいですねー。マークと意気投合してる感じも良いです。歌は申し分ないし。
アンサンブルの人たちも結構続投の人いましたが、特に男性陣が続投なんだか新しい人なんだかわからず・・・でも全体的にとてもまとまっていて、気持ちも入っていて良かったです。
スティーブもゴードンもすごく気持ちが入っていて、久々にWill I?で涙腺が緩みました。

そして、新キャストも彼らにひっぱられるようになのか、もともとなのか、なかなか良かったです。
福士誠治さんのマーク、制作発表を見た感じでは歌大丈夫かなあ・・・という感じだったんですが、歌はかなり上手くなってました。声もいいし、ほとんど気にならないくらいでした。まあもっと上手かったらなお良かったですけど。サンタ・フェのハモりも弱かったし・・・
しかしそれより何より、マークの役づくりが非常に良かったんですよね。真っ当なマークというか・・・ちょっと違うかなというところもありましたが、大筋正しい?マークでした。
いや、森山マークにどうしても納得できなかったので・・・前回の東宝RENTがダメだと思った最大の理由でしたかね・・・(汗)なんかマークが主演みたいな感じで、一人でブレイクダンス踊ったりして、La Vie Bohemではモーリーンとイチャイチャしたりとか、なんか全然マークらしくなくて・・・全体的に何を考えているマークなのかよくわからなかったし。
福士マークは、マークの立ち位置がしっかりしていて、わかりやすい役作りだったと思います。演出でもわかりやすくなってたかな。La Vie Bohemで他の人たちが皆カップルになっている中一人居心地悪そうにしているところとか。
Will I?が流れる中、ロジャーではなくマークが出て行くところ、前回は「なんで?」とわからなかったけれど、今回は、死の恐怖を見つめている人たちの中で自分だけ病気でないことがいたたまれなくなってだったんだな、というのがよくわかりました。
森山マークはこういうところもいちいちカッコつけすぎ、と思ったものですが、福士マークはマークが本来持っている優しさを感じさせる演技で、好感度大でした。
Halloweenのあたり、何もできない自分に苛立って熱くなってましたが、そのあたりはちょっと違うかなあと思いましたが、まあああいうマークもありかなと。とにかく真っ当なマークで嬉しかったです。
2回目に見た時は、La Vie Bohemの最初の方で、客席の最前列の空いてた席?に座って客席から手を振って盛り上げたりとかしてました。ホント楽しそうだったな~。
マークは皆の中で一人色合いが違う役ですが、実はやっぱりマークが仲間たちをつないでいるんだな、というのを、前回との比較でつくづく感じました。マークの優しさと仲間を思う気持ちが、ね。
しかし、衣装が割りと色が地味で、ただでさえしょうゆ顔な福士さん、ニューヨークのアーティストというよりはなんかガリ勉くんて感じに見えた・・・(汗)もうちょっとポップな色使いの衣装にはできなかったものでしょうか。全体的に渋い色使いの衣装で、それはそれで悪くなかったんですが。

ソニンさんのミミは、期待どおり、いやそれ以上にミミそのものでした。どの役をやっても全力でその役になりきるソニンさんですが、ここまでミミがハマるとは。
歌はもうちょっと上手くてもいいかなという感じでしたが(特に問題はなかったんですが、ミミはメチャクチャ上手い人たちをたくさん観てきたからなあ)演技というか気持ちの入り方が半端なかったです。
Out Tonightがすごい、とは聞いてましたが、確かにすごかったです。激しい踊りがこれまた半端なく、ミミそのものでした。

エンジェルの中島卓偉さんは、小柄でかわいくて、女装したら普通にかわいい女の子っぽかったです。初演のKojiroさんのエンジェルをちょっと思い出しました。日本人らしいかわいいエンジェルでしたね。そして、演技初めてとは思えないくらい、エンジェルになりきってました。姿形だけでなく、女っぽいしゃべり方も自然にかわいくて。歌も上手いし。Today 4 Uでは男に戻るタイミングなんかも見事に掴んでいて、ホントに女装も初めて、という風には見えませんでした(笑)
正直エンジェルは前回は不満だったので・・・やっとハマり役のエンジェルに出会えて嬉しかったですね。
コリンズともラブラブだったし・・・これは米倉さんのリードも大きいと思いますが(笑)
最後のToday 4 Uも、生きたいという気持ちがとても入っていて、泣けました。素晴らしかったです。

モーリーンのキタキマユさん、素人っぽいぎこちなさ?もやや残るものの、不思議なテンションで、セクシーだけど元気いっぱい、皆に愛されるのが当然と思っていて、それでもやっぱりかわいい、というモーリーンになりきってました。ホント見事にモーリーンを掴んでましたね。
演技初めてでああいうテンション高い役って大変そうな気がするけれど、前回見たMizrockさんといい、皆なかなか良いですね。むしろ初めて演じる新鮮さが役になり切っていて良いのかも。
歌はもちろん申し分なしだし、ジョアンヌとの絡みも自然なレズビアンのカップルに見えました。

そして楽しみにしていた藤岡ロジャーですが、意外なことに、「演技が上手すぎて違和感」だったという・・・(汗)
いや、急な代役で時間もなく、ロジャーの気持ちに完全に入りきれないまま演技してたんだろうなあ、と思います。いや気持ちの入り方が足りなかったとかではなくて、ロジャーになりきる時間が足りなかったんだろうなあというか。
もしかするとこのロジャーという役は、あまり他の役をやったことのない人がやった方がハマるのかもしれないなあ、なんて思いました。・・・藤岡さんもミュージシャンなはずなんだけど・・・(汗)すっかり役者が板について来てるんですねえ。
それにしてもこんなに演技の上手いロジャーは本当に初めて観ました・・・(笑)それが逆に「演技してる」という風にも見えてしまったのかもしれないけれど。
でも、Halloweenでマークと言い合うところの激しさなんかはさすがだなーと思いました。
歌は文句なしに上手かったし。One Song Gloryは泣くほどではなかったけれど、彼のOne Song Gloryが聴きたくて観に行ったようなものだったので満足でした(笑)
あと、Your Eyesが今まで聴いた中で一番良かったような気が・・・(アダム・パスカルよりもさえ・・・(汗))単に彼の声が好きなだけかもしれないけど。

そして、もしかしたら観られないかな・・・と思っていたAnisさんのロジャーも観ることができました。
フライヤーで見た時から、女の人?と思うくらい端正な顔立ちですが、実際に観たら谷原章介さんに似てた・・・(笑)
彼も、他の役をやったことがない新鮮さ故の気持ちの入り方が良かったですね。Kさんは観てないですが、前回観たRyoheiさんも良かったし、やっぱりロジャーは演技経験のないミュージシャンがやったほうがハマるのかなあと思ったりした。それにつけても渡辺忠志さんのダメっぷりって・・・(汗)
強いて言えばHalloweenでのマークとの言い合いの場面はもうちょっと感情激しく出てもいいかな、と。この辺は藤岡正明さんさすがでした。って彼ミュージシャンだったはずなのに(汗)

そんなわけで演出も改善されてたし、キャストも皆役になりきってたし、予想外にRENTらしい感動を素直に得られた舞台でした、2回とも。もちろん昨年の来日公演には及びませんが、このくらいならまた観に行ってもいいかな、と思えるレペルになってました。また再演があるようならきっと行くと思います。
オフブロードウェイでも新演出でやるらしいですが、どんな感じですかね。ブロードウェイが一昨年でクローズして、もうRENT観ることもないのかな・・・と思ったら昨年の来日公演もあったし、まだRENTを舞台で観られるんだと思うと嬉しいです。


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