ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ニュルンベルクのナチス遺跡その1

2006年08月20日 | 旅行
今回行くことになるまで知らなかったのですが、ニュルンベルクは1933年にナチスが政権を取って以来、毎年党大会が開かれていたのだそうですね。
ニュルンベルク裁判とかは聞いたことがありましたが・・・それでニュルンベルクで裁判やったんでしょうか。
で、ニュルンベルクには当時ヒトラーが主導してナチスが立てた建造物が一部残っているのですね。
というのを「地球の歩き方」で読んで知ったのですが、時間ないから当初は行かないつもりだったのでした。
が、地図で見たらLotRシンフォニーのコンサートがあるマイスタージンガーハレの割と近くだと判明したので、会場の下見も兼ねて行ってみようかな、という気になったのでした。
中央駅からトラムに乗って、マスイタージンガーハレの二つ先のDocu Zentrum(ドキュメント・センター)に行きました。
ここにはナチスの大集会場の建物が一部残っていて、その一部(半円状の右翼部分)に当時の写真や映像などを解説と共に展示しているDocu Zentrumがあります。
昔の建物の古い部分(主にレンガ)に、近代的な金属やガラスなどの無機質な部分を取り入れた、なかなかセンスのある建物でした。

これは大集会場の半円形の外側ですね。このすぐ左にDocu Zentrumの入り口があります。
展示部分の最初に流れている導入映像がまたセンスが良くて。スケートボードに乗ってビデオカメラを持った若いカップルが、ナチス遺跡?の周辺を走っている映像なのですが、現在の平和そうな公園などの風景に、当時のモノクロの映像を被らせたりして、なかなか印象的な映像でした。こういうの原爆記念館とかでも作ればいいのに。(って大分昔に行ったきりですが(汗))
英語のオーディオガイドも貸してもらえますが、真面目に全部聞いていたらものすごい時間かかると思います(汗)
ナチスによる焚書のことなども書いてあって、トーマス・マンやヘッセの名前は書いてなかったけど、このあたりでマンもヘッセも亡命したんだよなあとか思いました。そういう意味では今回の文学巡りとも無関係ではありませんね。
党大会の映像や、建造物を建築中の映像なども見られました。
ものすごい規模の党大会だったんですね・・・北朝鮮の集会とか思い出しました。
沿道では、いたいけな少女が熱狂的にヒトラーに手を振る映像も・・・
この党大会、党員だけのものだったかもしれないけれど、これだけ街が熱狂している中で、党員じゃないからと知らん顔はできたものでしょうか。党員にならないこと自体が白い目で見られることだったかもしれないし・・・
ちょうど「ブリキの太鼓」のギュンター・グラスがナチスの親衛隊に所属していたという告白が騒がれていますが、当時のそのような状態で、「ナチスに協力的」でいないでいられたものか・・・
もし自分がその当時のドイツ人だったら、処刑の危険を犯してまでナチスに抵抗したりはできなかったろうと思います。そもそも、ナチスがやっていることが悪いことだという認識も持てたかどうか・・・
そういう意味で、人は簡単に加害者になれるものなのだ、ということをひしひしと感じながら、展示を見ていきました。
展示を観に来ていた人はそんなに多くはなかったですが、皆かなり真剣に見ている感じでした。結構若い人が多かったような印象でした。

展示部分から、「濡れてない天気の時だけ出てください」という注意書きつきで(汗)集会場の内側に出られます。トップの写真はそこから撮ったものです。
元々はこの半円形の上に屋根もあって、屋内集会場だったそうです。
とにかく大きい! その大きさに背筋が寒くなるような思いでした。大きさに、権力の大きさと誇示を感じるようで。ピラミッドや紫禁城にはそこまでは感じないのにナチスの建造物には感じるというのは、やはり時代が近いからかな(汗)
赤レンガのせいか、なぜか広島の原爆ドームを思い出しました。
この建物、残ってはいるけれどあまりきちんと保存はされていなくて(まあナチスの建造物をお金かけて保存するのはまずいかもですよね)、右翼はDocu Zentrum、左翼はニュルンベルク・シンフォニーのセレナーデ・ハウスとかいうおそらくコンサートスペースとして使われているようでした。後はそのまま放置されいる感じ。
さきほどの半円形の内側も、公園側の外から普通に歩いて入れます。

これは下から撮ったもの。右の低くなっている部分がDocu Zentrumとして使われている部分です。

半円形の外側部分の回廊にも普通に入れました。Docu Zentrumの導入映像だと、ここから扉を開けて内側に入ったりしていましたが、さすがに鍵がかかってしいました(笑)

なんだか導入映像がカッコよかったせいで、他の建造物もみたくなってしまい、とりあえず地図に出ていたZeppelin Fieldに行くことにしました。この話はまた次回に・・・

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