ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

原作読書6回目その10

2007年07月14日 | 指輪物語&トールキン
「王の帰還」上、アラゴルンたちが死者の道に入るところまで行きました。
ピピンパートは、ベアギル登場がほほえましくてなりませんね、やはり。私的には映画に出てこなくて一番残念だったのベアギルなんで・・・。ベレゴンドもいないのにベアギルだけ出るはずもないですが(汗)
ピピンと手に手をとってミナス・ティリスを歩く光景、かわいいです~。
そして、ベアギルがロスサールナッハのことを「春に行くと素敵ですよ。野も山も花でいっぱいで」という台詞がなんだかとても好きな私です。
以前5月にイギリスに行った時、オックスフォード周辺の野に小さな花がたくさん咲いているのを見て、ああ、ロスサールナッハの春はきっとのこのイメージなんだろうなあと思ったものです・・・
そうそう、映画に出てきた、一時イムラヒルではないか、それにしては情けない・・・と言われていたミナス・ティリスの近衛兵Iorlasという人が出てきますが、この人の名前ってベアギルの29歳の叔父さんヨールラスから取ってたんですね。今回初めて気がつきました。
名前からしてベレゴンドの弟ではなくて、母方の叔父さんかな? ってどうでもいいことですが・・・(汗)

そして今度はメリーパートに戻ります。いやメリーパートじゃないか? 私にとってはメリーパートなんですよ~(笑)
ピピンとデネソールのエピソードもかわいいなあと思いましたが、やっぱメリーとセオデンはいいですねえ。
デネソールの許に行ったのがピピンでなかったら、デネソールの心は動かされなかったかも・・・なんてことを前に書きましたが、逆にセオデンの許に残されたのがピピンだったら、メリーのようにセオデンに剣をささげたりまではしなかったかもしれませんね。何しろ「立派なお年寄りじゃないか」で済ませてしまうくらいだから・・・(笑)
メリーと一緒にピピンがいても、剣を捧げることにはならなかったような気がするし・・・。ピピンが一緒だったら、セオデンに一緒に来るように言われて、一人ぼっちでいる状況ほどは感動しなかったんじゃないでしょうか。
やはりなるべくしてなったというか、上手い構成だなあと思いました。
セオデンのメリーへの、というかホビットへの優しさは、単に親切なだけではないですね。メリーにパイプ草の話を聞きたいと言ったのも、社交辞令ではないように思います。
と言っても、パイプ草の話を聞きたかったのではなく、黄金館で自分の傍らにホビットを座らせて話を聞く、というのがしたかったんじゃないかなと・・・
アイゼンガルドで最初に会ったとき、メリーの話を思わず聞いてしまってガンダルフに注意されてましたが、あれも単に親切だから話を聞いてしまったのではなく、本当にメリーたちの話を聞くのが楽しかったんじゃないでしょうか。
メリーだけでなく、ピピンも本当ならメリーと一緒に自分の傍らに
何がそこまでセオデンの心を掴んだのかははっきりとはわかりませんが、どこか木の鬚がメリピピを気に入ったのと近いものがあるような気もします。
逆に言うと、ファラミアのホビットたちへの態度とは全然違うよな、というのも思います。
セオデンのホビットに対する態度とデネソールのホビットに対する態度の違いは、この二人の違いをそのまま表しているようにも思えます。
デネソールもピピンに心を動かされたようだけれど、デネソールにはホビットに心癒されようとするまでには心を素直に開くことができなかった。ピピンを傍に置くことにした理由には、セオデンと同じものもあったはずなのに。
そう思うとデネソールかわいそう・・・と思ってしまいます。
やっぱりどうも私にはセオデン-デネソールの対比は、ある意味レ・ミゼラブルのバルジャン-ジャベールの対比を思わせるのです。こういうところもちょっとキリスト教的なのかもしれません。トールキンがこの点でユゴーを意識していたとは思いませんけれど。
それにしても、セオデンがメリーに「父ともお慕いもうしあげます」と言われて「しばしなりとも、な」と答えるのが気になります。セオデンはすでに戦死する覚悟でいたのか・・・
あ、単にメリーを馬鍬砦に置いていくことを決めていたからか、と今書きながら気がつきました(汗)
メリーを見送るアラゴルンとハルバラドの会話もホビット好きにはたまらんです(笑)メリーは自分のことをお荷物としか思っていないけれど、周囲の大きな人たちにどれだけ愛されているか、自分では気づいてないんでしょうね。うーんやっぱりメリーかわいいです。
映画のメリーが、ピピンと別れてから精神年齢が低くなってるような・・・と思ってましたが、原作でもピピンと別れて一人になることで、しっかり者のメリーから寄る辺ない小さなホビットになっているわけで、そういう意味ではそんなに外してもいなかったのかな、と思いました。・・・でもやっぱりなんか違いますけどね・・・(汗)
馬鍬砦でのエオウィン。原作のエオウィンは、やはりかなり頑なで誇り高くて、ちょっとキツイお姫様ですね。原作を読んでいても、エオウィンのビジュアルはミランダ・オットーでは浮かんでこない私です。
でも、アラゴルンに「あなたは何を恐れるのです」と言われて「檻です」と答えるところは、映画のエオウィンを思い浮かべてみたくなります。このシーン、映画で見た方が印象が強かったので。ミランダが声を震わせて「檻です」と言っていたのがいじらしくて・・・。原作ではクールにさらっと言っているイメージが。
映画のエオウィンは原作よりも女らしくて優しいのですが、ミランダの演技が素晴らしいので、映画のエオウィンも好きですね。
でも、エオウィンがアラゴルンを見送るシーン、泣いているように見えて、「こんなに誇り高い人が泣くのを見るのは耐え難いことだった」とか、デネソールの時と同じようなことが書いてあって、「どんだけ誇り高いんだ・・・」と改めて原作のエオウィンの情の強さにたじたじ、でした(汗)
やっぱり久々に原作読むと色々と新鮮です。この先も楽しみ♪
「王の帰還」上、やっぱり一番好きかも・・・
コメント
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