ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

トールキンの描く子供

2003年06月16日 | 旧指輪日記
ちょっと前の話なのですが、「王の帰還上」を読んでいて、ベアギルってすごいなーと思いました。何がすごいって、ホビットを慰めてるんですよね。ホビットすら落ち込んでしまう、あの先が見えない暗い状況で・・・
最初に読んだ時から、ピピンにロスサールナッハのことを話すシーンの台詞がすごく好きだったりもしたのですが、今回は特に皆が黒門目指して出発してしまった後、メリーにかけていた優しい言葉にグッと来てしまいました。すごいよベアギル! 究極の癒し系だね、なんて思いました(笑)映画には出てきそうにないのが残念・・・
新版「シルマリル」の冒頭のトールキンの手紙の中に、エルフもドワーフもホビットも、人間の一部分を表しているのだ、というようなことが書いてありましたが、してみるとホビットの中には子供が持つ性質が表されているのかな、なんてことを感じました。ホビットの純粋さ、素朴さ、希望を失わない強靭さというのは、実は子供の性質から取られたものなのじゃないかと。それにしても、その子供の性質を持つホビットを慰めることができるなんて、実はトールキンの世界では本家本元?の子供が一番すごい、ということになるのでしょうか(笑)
考えてみると、トールキンの作品にはほとんど子供って出て来ないですよね。読んだことない作品も多いのですが、「指輪」ではベアギルとガンダルフの花火を見たがる子供くらいだし、「ホビット」なんかよく考えてみたら子供も女性も全然出て来ませんね・・・
でも、実はトールキンは子供を描かせたらすごく活き活きと描くのだということは、ベアギルやホビット庄の子供たちのことだけでもよくわかります。幻の「エピローグ」のサムの子供たちの様子を読んで以来それは確信に変わりました。
あんなに子供を書かせたら上手いのに、どうしてトールキン作品にはあまり子供が出て来ないんでしょうね? これは女性に関しても言えるような気がしますが・・・出てくる女性登場人物は少ないですが、皆活き活きとしたキャラクターなのに。(エオウィンやガラドリエルを筆頭に・・・)その辺もトールキン作品の不思議だなあ、と思いました。

コメント
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