きまぐれ発言

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民間事故調の調査報告

2012-02-29 12:03:15 | Weblog
民間事故調の調査報告        (012.02.29.)

「福島原発事故独立調査委員会」(民間事故調)の報告書が昨日公開された。400ページを超える事故調の調査は昨年秋から始まり多岐にわたって、分析調査が行われている。
今迄の報告が事故に対して、直接的な原因分析に終始しているのとは対照的に、住民避難の実態や「安全神話」や「原子力ムラ」と言った社会的背景、原子力をめぐる国際的な動きと日本との関係等意欲的に切り込んだ報告書になって居る。

従って、政府や電力会社、関係省庁に関わった報告書では無く、今回の事故が生じた実態像を、つつみ隠さず、述べられている。先ずは、東電や原子力保安院と菅総理を中心とした官邸との連携が全く取れておらず、「場当たり的で泥縄的な危機管理だった」と初動の対応を指摘している。報告書の中で、3月11日当日東電は電源喪失に対し電源車を手配したが、接続コードが無いなど、の失態を繰り返し、官邸側はその能力に強い不信感を持った事が、菅総理を苛立たせる原因に成ってた様である。

また、菅総理も「イラカン」と言われる性格の持ち主であるから、代替えバッテリーが必要と判明した際、・縦横ナンメートル?、・重さは?、・ヘリコプターではこべるのか?、等々同席者の一人からは、「首相がそんな細かいことを聞くというのは、国としてどうなのかと、“ぞっ!”とした」と述べたと言っている。

菅総理の性格が、事態に対する感情が強く現れ、周りの人たちが“腫れ物に触る様”で、近くに寄れなかったと言う事が報告されている。その中で、菅総理の評価されている部分もある、それは、3月15日未明に東京電力の清水社長から、作業員全部の「撤退」を求める電話があったときである、菅首相はそれを聞いて猛烈な“叱責”があり、それによって、現場放棄を食い止める結果になったと評価している。
生命のかかる危機の中で福島第一原発の吉田昌郎所長が示した「大丈夫です、最後の砦と、守ります」と言う勇気と使命感をたたえている。

確かに東電に職場放棄をされて居たら、放射能汚染は今よりもっと拡大し、将に手の付けられない大惨事になって居た事を思うと、想像するだに、“ぞっ!”とする思いだ。
報告書は最後に、「伸べ300人にも及ぶ学者や、専門家、弁護士、ジャーナリストの方々のヒヤリングに応じてくれた事を、高く評価をしているが、東京電力に対しては最後まで、調査に応じず拒否した事に、「きわめて残念だ」と結んでいる。

私も今回の事故の最大の原因は当事者である「東京電力の非協力的態度」で、対応する官邸側は「民主党の菅内閣」であったことだと言うことである。その裏には民主・自民の非協力的戦いが行わしめていた事にあると思います。
(えびなたろう)