きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

労働者派遣法の改正へ

2010-01-12 13:57:28 | Weblog
労働者派遣法の改正へ       (010.01.12)

企業は運営して行くために、「資本力」と「労働力」と「経営力」の三つが一体になって支えて行くものだ、と言う考え方が日本の企業の特徴であると言われてきたが、近年構造改革と規制の緩和によってアメリカナイズされた市場原理主義が横行し、「労働力」と言うものが企業を運営する「資材商品」化した考え方になってしまい、必要なときには派遣してくれる会社から、金を出して購入し、不用になればいつでも購入をとめれば良いような法律を作ってしまった。

従って、世界中を津波の様に襲った経済不況は、貿易立国である日本に執っては貿易の目玉商品である、「自動車」「家電製品」等々極端な販売低下に陥り、昔であればたちどころに倒産企業の続出で、各所で赤旗が振られる、労働争議が、見られる所だったろうと思います。

しかし今回は、殆どその様な状況は見られず、各企業は直ちに生産縮小措置をとり生産と販売の均衡をとる事で、企業バランスの赤字を最小限に抑えたのである。

その最大の被害を100%蒙ったのは派遣労働者である。昔であれば労働組合が団体交渉によって、なるだけ解雇に繋がらないよう、企業側も何か他の仕事を見つけて、仕事を続けるとか、新商品の開発を考え出すとか、した物だが、今回は簡単に労働者を解雇し、今まで内部留保して来た利益で、業務を停止し、景気の再来を求めて冬眠状態を続けるところも多かったと思います。
従って景気が上向き調子に変わると、たちまち復帰する所が多い。

しかし、労働者の方は、一旦解雇され、長年所属していた企業と離れてしまうと、若い人ならよいが、中年の人では、慣れない仕事を一からやり直す事になり、家族を抱えて大変な事だと思います。

政府は、景気の回復を国家的な見地から眺め、企業の立ち直りを優先的にするが、解雇された、労働者の問題については、ただ、相談窓口を各所に作り、年末年始には、一時的に炊き出しを行うと言う事だけで、根本的な対策は何も行われていない。

自給率の低いわが国の生活形態が、全てが、値段の安い輸入品に頼り、自国で生産出来るものまで作る事を怠り、生産農地は大量に遊休状態で遊ばし、稼ぎは都市部で働き輸出商品の稼ぎに頼ってばかりであるから、輸出が減れば、たちまち稼ぎが減り、そのしわ寄せが直接派遣労働者に響いたと言う事である。
そして、今更、急に働き所を作れと言っても無理と言うものである。

企業の不況時における、利益の内部留保は、「資本力」と「労働力」と「経営力」の三者の支えに拠って成された物であれば、不況の時に「労働力」だけ切り離してしまうと言う事は、納得の行かない制度ではないでしょうか。

18日からの国会で、労働者派遣法の改正が提出されるが、企業に於ける雇用の調整弁的な現法律の改定は一刻も早く行う事が必要で、野党自民党にもその責任の一端を感じる事が必要であると思います。
(えびなたろう)