きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

藤井財務大臣の辞任

2010-01-07 11:41:26 | Weblog
藤井財務大臣の辞任        (010.01.07)

藤井財務大臣は、予てから健康上の理由で議員の引退を表明していたが、鳩山代表の強い働きかけがあって、衆議院選に出馬した。
そして、政権交代を手にした鳩山内閣発足と同時に財務大臣と言う重責を任命された事は、鳩山総理に採っても、藤井氏にはそれなりの大きな期待を持たれて居たものと思われる。従って、今回辞任の申し出では、鳩山内閣に大きなショックを与えた問題である。

昨日の夜、鳩山総理も、「健康上の理由での事であるから、何とも致し方のない事だ」と辞任の了承を発表し、後任に菅直人副総理を充てる人事を発表し副総理と兼務する形となり、国家戦略担当相は仙谷由人行政刷新担当相が兼ねる事を発表、本日正式に決定する事になった。

18日からの国会審議を前にして、早急に取り決めた人事であるが、菅副総理も今年度予算の編成に際して、藤井氏との連携作業の中で行った事から、最も適任な所ではないかと思われる。また国家戦略担当も、仙谷氏が当たる事は、菅副総理と連携して遣っていただけに、先ずは妥当な選であると思われる。

藤井氏は年齢が77歳であると言う事が、いくら財政通で財務大臣経験者といえども、脱官僚、政治主導を掲げた内閣の最初の予算審議には、野党もてぐすね引いて攻勢を強める姿勢を示していただけに、藤井氏も自分の健康状態に自身が持てず、迷惑を掛けることを心配し、閣内での予算編成が完了した時点で、申し出られた事は、精一杯の頑張りであった事と思われる。

心配された、小沢幹事長とも、鳩山総理は自分で決めて、幹事長にも伝えたといい、小沢氏も「総理が決められたので了承する」と言う事で一件落着と言う事になった。
小沢氏にして見れば、今まで内閣の一連の流れを見て、「此れで政治主導の予算編成か?」と言う疑念を持っている様なきらいがある。

確かに「脱官僚」とは言うものの、傾向は財務省主導の嫌いが濃厚で各省庁からも批判があったし、藤井財務大臣も、「官僚を敵にするのでは無く使いこなすのだ」と強く主張していた事が、小沢氏には面白くなかったのかも知れない。

始めての、予算編成に当たって、100%政治主導色を表明する事は中々難しく、各大臣は「要求大臣ではなく査定大臣たれ」と言われても、如何しても大半は官僚の手を借りなければ出来ない作業だけに、無理ではないかと思われる。
その点が、去り行く藤井氏も心に残るところであったのかもしれない。

政権交代と共に改革すると言う事は、それだけ大変なことだと思わざるを得ない。
その改革を怠り、今まで先送りばかりで過ごし、責任も取らずに、ただ、短命内閣を繰り返してきた自民党、また其れを許してきた事が、官僚支配を許し、改革をしにくくさせていたのである。

今回は、改革の第一歩で、第二歩、第三歩と繰り返す事で、改革を怠らず長期の政権を続けなければ、政治主導の改革は行えないのではないでしょうか。
(えびなたろう)