きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

国際賢人会議の提言

2009-12-19 12:08:10 | Weblog
国際賢人会議の提言        (009.12.19.)

国際賢人会議とは正式名称は「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」(ICNND)で、昨年7月、日豪首脳会談で「核兵器のない世界」を目指した行動型提言をするため作られた会議で、共同の議長として、川口元日外相、エバンズ元豪外相が勤め、各国の元外交官ら15人の委員で構成している会である。

この賢人会が各国を回り国ごとの公の立場を離れ自由に論議する活動をとり、その最終会合が広島で行われ、此れまでの議論を取りまとめた報告書を鳩山総理とラッド豪首相に提出したそうである。

内容に付いては来年1月に正式に報告されるそうであるが、「核のない世界」つくりに向け、核廃絶への導線となるような数々の政策を行動計画として纏めたものである。

報告書の概略は、短期(12年まで)中期(25年まで)長期(25年以降)に分け各段階の具体的行動を示した工程表を提示、短期的には核保有の「唯一の目的」は他国の核使用阻止にあるとすることで「核戦略見直し」(NPR)の宣言を行う事で、核が実際に使われるリスクを少しでも減らせる筈だとしている。

来年5月には核不拡散条約(NPT)の再検討会議が行われる。核保有国が真剣に取り組まないと他の国に核を持つなと言っても説得力がありません、賢人会議は今回の報告書を5月の再検討会議で実行するよう確認を求めている、そして国際社会の共通認識としたいと思っている様である。

世界の動きは、核に対する認識も東西冷戦時代とは様変わりし、アメリカもロシアも核軍縮の方向へ合意を示している。

イランの挑発的な核濃縮設備の建設に対してもアメリカが抑制のための制裁に対し、ロシアも協調する姿勢を示している。

いまや核を挟んで「対立」の関係から、核抑止を挟んだ「協調」の姿勢に世界は進んでいる。その延長線上に地球温暖化問題もあり、食料問題、貧困問題等々があって、夫々サミットを介して世界平和の方向へ向かっているのである。

来年は、今までより一歩進んだ、世界各国の協調関係が謳われるのでは無いかと思われる。従って日米間の安全保障問題も、世界の趨勢の中で見直す必要があるのは当然の事である。
(えびなたろう)