きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

日露外交の「独創的アプローチ」

2009-04-21 16:45:45 | Weblog
日露外交の「独創的アプローチ」      (009.04.21.)

麻生首相は18日、日露両国が参加する石油・ガス開発事業(サハリン2)の稼動式典に招待され、樺太南部のユジノサハリンスク市内で、メドベージェフ大統領と会談をした。

メドベージェフ大統領は、今後の日ロ関係に「互恵的協力を拡大する用意がある」とその熱意をしめし、麻生総理も「ロシアはアジア太平洋地域の重要なパートナーで、サハリン2の稼動はその一歩だ」表明している。

懸案になっている、北方領土問題について「われわれの世代で解決する為に、新たな独創的で型にはまらないアプローチを具体的に加速することで一致した」と述べた。そしてプーチン首相の来日を5月に実現させる事に合意を得たという事である。

確かに、我が国の今後に於けるロシアとの関係は、北東アジアに於いて、中国に続く重要な関係を持つことが必要で、両国ともお互いに持っている、資源と技術を合流すれば素晴らしい協調関係が得られると思われる。

むしろアメリカがやきもちを焼くかもしれないが、日本としてはアメリカ一辺倒体質からの脱却と、自主的な外交の糧として必要なことであると思う。

今まではただ、北方領土問題があるが為に、両国が胸襟を開いた交流が出来ていない事が大きな障害と成っている。其のことは、両国とも良く解っているだけに、今回の交渉の中にも「型にはまらない、独創的アプローチ」と言う表現で解決の道を開こうと言う物である。

麻生総理は「日本が4島、向こうは(歯舞・色丹)2島では進展しない、此れまでの宣言や条約を踏まえた、此れまでどおりのことでは(領土問題は)解決しない」と発言している。
其のことから、4島の面積を2等分して、一番大きい島、択捉島の4分の1と残りの3島を合わせた3.5島分を日本にし、択捉島の4分の3をロシア領とする案が考えられた。

此れに早速、谷内外務次官が賛意を示した事が問題に成っている。谷内次官も麻生総理の考えが3.5島案を考えているのではとの思いから先走った発言をしたのかも知らないが、交渉前にこのような発言をすることは外務官僚としては軽率である。

プーチン首相の来日も来月に迫り独創的アプローチが、どの様な物であるかが期待されるところであるが、日本にとっては、いずれにしても、国民の信頼を得た内閣の下で交渉を成立させたいと思っている。

また、領土問題の解決策が、「独創的な物として」世界平和・民族平和に繋がる近代的な先例になる、解決策であって欲しいと願っている。
(えびなたろう)