きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

タイの混乱、ASEAN会議中止

2009-04-12 12:46:15 | Weblog
タイの混乱、ASEAN会議中止       (009.04.12.)

東南アジア諸国連合の会議は、昨年に行なわれる予定であった。

しかし、06年9月にクーデターがあり軍事政権が掌握し、タクシン政権を追放して同年10月に軍事政権による「スラユット首相」の暫定内閣が発足した。そして、07年12月の下院選挙で「国民の力党」が第1党になり08年の2月に「サマック連立政権」が発足した、しかし同年8月に「民主市民連合」が首相府を占領9月にサマック首相が憲法裁判の判決で失職したので「ソムチャイ政権」が発足した。

「ソムチャイ政権」は、タクシン派の政権であるから、亡命していたタクシン氏は帰国する事を希望して帰国しようとしたが、これを阻止するために11月、反タクシン派の「民主市民連合」がバンコック国際空港を占領、空港機能を阻止した。この事件によって12月に予定されていたASEAN会議は延期されたのである。

タクシン氏に付いては、首相在任中の不正蓄財容疑もあり2年の実刑判決もあって不利な常態が続き、今年に入って反タクシン派の「アシピット氏」が首相になった。
しかしタクシン派の「反独裁民主戦線」からは正当性のない違法な政権だと反対し国会議事堂の包囲などの反対活動を行なってきた。

今回は、タクシン派と呼ばれる「反独裁民主戦線」のデモ隊による主会場であるプレスセンターにガラスを割って乱入すると言う騒乱状態になり、アシピット首相は非常事態を宣言し、各国首脳の一部はヘリコプターで脱出して難をのがれタイ国政府は直ちに会議の中止を決定したのである。

アジアにおいてのASEAN会議は各国経済危機に直面して、重要な議題が山積するなか、2度も延期してまだ開けないということは国際的にも残念なことであると言わざるを得ない。

タイに於ける、反タクシン派とタクシン派の政情不安はまだまだ今後も続くものと思うが。タイの国情不安の基は、やはりタクシン首相の永年の一人独裁の政権が、金権主義を生み出し、官僚の腐敗、マンネリ化、等に通じる結果となった物で、もはやプミポン国王でさえ手を焼く有様であると言う。

確かに国内には、イスラム教徒による暴力的分子も居るようだが、何よりもタクシンの一人天下が、最初は国のために大いに貢献したものであっても、それが大きな利権に結びつき更に腐敗・堕落に繋がった事から、反タクシン派が誕生し、国王も手を焼く、政情不安に発展したのである。

日本の現状も将に此れに似た官僚の腐敗や堕落が、現実に出ている事を思えば、国民は他国ごと、ではありません。
一党独裁、長期政権がもたらすものは、腐敗・堕落・マンネリ化・無駄使い等々です。
政権交代は、国のマンネリ化を浄化する手段として大切な事である。
(えびなたろう)