つれづれの記

日々の生活での印象

パラリンピックも終幕   2

2021年09月10日 10時21分38秒 | 日記

 

  2021年9月10日(金)  パラリンピックも終幕   2

 

 

 

先日、下記記事を投稿したが、本稿はその続編である。

   パラリンピックも終幕  1 (2021/9/7)

 

本稿では、クラス分けのことや幾つかの競技のこと、パラリンピックの歴史や、今後に向けてのレガシーについて取り上げ、締めくくりたい。

 

クラス分け

前稿で一部の競技で、クラスについて触れたが、障害の種類や程度に応じて、細かくクラス分けが行われている。(【東京パラ】 選手たちのクラス分け 競技ごとに説明(BBC News) - Yahoo!ニュース.html)を参照。

 パラリンピックの陸上、水泳では、オリンピックよりも細分化が行われており、それだけ、金メダルの数が多くなっている。

 

陸上

F〇〇、T〇〇と表示するが、F:フィールド競技、T:トラック競技である。

〇〇は数字で、以下のように、障害の種別と程度を表す

11~13  視覚障害  11は伴走者要  

             12は伴走者選択可 *マラソン道下選手

20     知的障害

31~38  脳性麻痺など

  31~34 座位 

  35~38 立位   *走り幅跳び山本選手、レーム選手

40~41  低身長

42~44  下肢障害(義肢不使用)

45~47  上肢障害

  T51~54 車いす使用のトラック選手 ⇒

  T51~52,T53、T54と、更に、区分されている

     *伊藤智也選手が、直前に、T52⇒T53(障害が軽いクラス)に変更に            

F51~57 車いす使用のフィールド選手

      61~64  下肢障害で義肢使用

 

水泳 

 文字+数字で、種目と障害の重さが分かる

 文字  S  :自由形、背泳ぎ、バタフライ

     SB :平泳ぎ

     SM :個人メドレー

事前の競技会等へ参加すると、競技の感覚がつかめ、クラスも確認できるが、コロナで競技会などが中止となり、選手たちは苦労したようで、いきなり、東京パラになった選手も多いようだ。

 

いくつかの競技

車いすバスケット

 5人のチームで、障害の程度によって、重い1.0から軽い4.5まで持ち点がある。全体で14点以下。

日本チームは、最後の日米決決戦で敗れ、銀メダル。 

5人制サッカー

「ブラインドサッカー」とも呼ばれる。

5人全員が、アイマスクをつけ、ボールの中の鈴の音が頼り。

サイドラインがなく、手で触れる壁になっている。

叩くなどして、音でゴールの位置を知らせる。

まるで見えているような、ドリブルやシュートの巧みさは流石。

フランスに勝ち、ブラジルに完敗する試合を観た。

シッティングバレーボール

 四肢の運動機能障害者6人で構成し、重度の選手が一人、入ること。

 サーブのブロックが許容され、尻を持ち上げる行為(ライジング)は反則

 位置を変える時の、いざり寄り動作は、もどかしさを感じる。

 元バレーボールのエース、益子直美さんの解説で観戦した。

 

 

車いすテニス

  コートの条件は、通常のテニスと同じで、レシーブ時は、2バウンドまで許容される。

  競技者は、車いすの操作とラケットの操作と、忙しいことだ。

 

 

日本の選手は大活躍

   男子  国枝慎吾選手  シングルで金

    ロンドンで車いすテニスで優勝したが、リオで振るわず

    今大会に懸ける気持ちは、並々ならぬものだった。

 

    日本選手団の主将として、選手宣誓を行っている。

    遂に、金メダル獲得し、「俺は最強だ!」と言って自身を鼓舞したことが実現した。

       晴れやかな国枝選手

 

   女子  上地     シングルで銀

       上地・小谷  ダブルスで銅

 

車いすバトミントン

 今回から正式種目になり、車いすクラスと、立位クラスがある。

 コートは通常のものを使う。車いすシングルのコートは、縦半分のみで、サイドラインはダブルスと同じに広がる。

ネット際は使用不可になる。

 

バドミントンは、オリンピックでは、不振だったが、パラリンピックでは大活躍

 

男子  車いす 梶原選手  シングルス金

   女子  車いす 里美選手  シングルス金

         この競技の日本初のメダリスト

 日本は、車いすや立位クラスで、銀や銅の、計9個ものメダルを獲得   

 

 

マラソン

大会最終日の花形競技

5クラス

  男子  車いす 

      運動機能障害

      視覚障害(伴走者)  

  女子  車いす

      視覚障害(伴走者)

 

 

 視覚障害で、伴走車と走った道下選手の冷静な読みが見事で、金メダルを獲得。

       

  GUIDE(伴走者)と優勝を喜ぶ、道下選手

 

オリンピックでは実現しなかった、国立競技場を発着点とし、都心の観光名所を巡る、42.5kmのコースを、時間をずらして、アスリートたちが、駆け抜けていった。

 

    

 

〇その他の印象に残る事柄

水泳 成田真由美選手

     お母さん的存在  これまで獲得したメダル多数(金メダルだけで16個)

 

   中国の、いもむし(芋虫)のような泳ぎの選手が印象的

     両手がなく、足だけで泳ぐ。人間の体の可能性の大きさを感じた。

   

陸上 健常者を超える? 

    走り幅跳びの、片足義足のドイツのマルクスレーム選手

   伊藤智也選手  直前になっての、競争が激しいクラスへの変更!

   自転車 杉浦佳子選手  静岡でのロードタイムトライアルで金

       以下の言葉がすばらしい。

       「最年少記録は二度と作れないけど、最年長記録って、また作れるよね」

        (失礼ながら、ご本人は、何と50歳で、日本選手団で最年長とか)

   試合は観ていないが、ラケットを口で持って競技する卓球選手は驚き!

 

◎障害者の思い

  障碍者も人間で、人並みにやりたい。

   外出・買い物・食事・旅行

   恋愛、結婚、子供

   スポーツ・運動

   

パラリンピックの歴史

 ドイツのグッドマン医師が、パラリンピックの父と呼ばれる。 

  

  

 医師の理念である、超有名な言葉

  失ったものを数えるな、残されているものを最大限に生かせ

 パラリンピックは、傷病兵のリハビリのための競技会からスタートしている。

 アスリートたちを観て、この言葉のすばらしさがわかる。

  

 競技会の呼称は、変化してきている。 

   パラライズドパーソン(paralyzed person 麻痺者)の競技会

         ⇒

   オリンピックと並行(パラレル parallel)して行われる競技会

 1964年 東京オリンピックの後に、初めてのパラリンピックが行われ、以降、今回まで続いている。 

 

 

パラリンピックの遺産

 ともに、遺産を意味する、legacyと、heritageとの違いはよく分からないが、東京パラリンピックの遺産を、どのように継承していくかは、重要な課題である。 

 建物や設備など、形に残すものはわかりやすい。

 心構えの変化と言える「精神的な文化」として残すことが肝要だろう。

 パラが終了した、これからが正念場で、コロナの終息も実現したい。

 

 障害者が、自由に出歩けることで、障害者もいる風景が、見慣れたものとなることだ。

 共生社会と言われるが、多様性が尊重され、障害を持つことが、個性と言われる社会だろうか。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« パラリンピックも終幕   1 | トップ | 自民党総裁選 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

日記」カテゴリの最新記事