2022年7月29日(金) イギリス 保守党党首選
イギリスのジョンソン首相が、遂に、辞意を表明し、首相を退任することとなり、後任を決める、保守党の党首選が進められている。 本稿は、この話題である。
◎ジョンソン首相の辞任
首相の辞任の理由だが、コロナ禍対策で、国内が真剣に取り組んでいる間なのに、自身は、パーティを繰り返していたなどと、批判されたようだ。
また、重要閣僚(財務相、保健相)や、多数の政府高官が辞任する事態となり、辞任せざるを得なくなったようだ。
下図は、イギリス議会の様子だが、飛沫がかかるほどに、身近で膝を突き合わせるようにして論戦を戦わす、見慣れた風景だ。 (中央演壇は、ジョンソン首相)
ジョンソン首相最後の言葉は、映画ターミネーター2に出てくる、スペイン語の、
Hasta la vista、baby (アスタ ラ ビスタ さよならまたね、ベイビー)
だったようだ。
◎イギリス政治の仕組み
◇上院と下院
イギリス議会は、貴族院(上院 日本の参議院)と、庶民院(下院 日本の衆議院)に分かれており、保守党と労働党の2大政党が、互いに切磋琢磨し合い、失政などがあると、政権交代が行われる。
議員の中から、首相が選ばれる、議員内閣制をとっている。
◇党首選
今回は、政権は交代せず、保守党の党首が交代する。
*候補者数の絞り込み
下院議員350名程の投票により、候補者を絞り込んでいく。
この投票を繰り返し、6人→5人→4人→3人→2人と、絞り込み、決選投票に残った、下図の2人の中から、全国20万の保守党員の選挙で、1人が保守党党首に選ばれ、イギリスの新しい首相に就任する段取りだ。
スナク前財務相 トラス外相
選挙,の投票は、9月2日に締め切られ、5日に結果が公表されるという。
◎歴代首相
保守党と労働党の2大政党で、歴代の首相の交代を、繰り返してきている。
最近では、マクロン首相→メイ首相→ジョンソン首相と来たが、メイ首相は、Brexitと言われる、イギリスのEUからの離脱で苦戦している。
イギリスがEUを離脱した時、EU議会の議員達が、「別れの歌」(Auld Lang Syne 日本の「「蛍の光」)を合唱したことを思い出す。
余談だが、今度の選挙で、トラス氏が選ばれれば、イギリスの女性首相として、サッチャー氏、メイ氏、に次ぐ3人目となり、彼我を比べると、女性が活躍できる環境があることは、素晴らしいことと思われる。
このことは、エリザベス女王が、96歳にして健在で、現役であることも、関連があるかも知れない。