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核兵器禁止条約のこと  その2

2022年07月25日 10時47分07秒 | 日記

2022年7月25日(月)  核兵器禁止条約のこと  その2

 

先日、下記記事を投稿し、

  核兵器禁止条約のこと  その1  (2022/7/16)

ウイーンで開催された、核兵器禁止条約の締約国会議の概況と、条約が成立するまでの経過、等について触れている。

 

以下の図は、下記サイトから引用したものだが、今回は、前稿で扱った核兵器禁止条約と関連が深い、図にある、核拡散防止条約、包括的核実験禁止条約の2つの条約について、取り上げることとし、前稿の続編としたい。

(核兵器禁止条約とは? 戦後の核兵器関連の国際条約をわかりやすく解説 - 中学受験ナビ.)

 

 

〇核兵器の使用と核実験

*上図にあるように、1945年、歴史上はじめて、戦争の中で核兵器が使用され、広島、長崎に、原爆が投下され、大変な数の死傷者が発生し、以降、放射能汚染が続いてきた。

広島、長崎に原爆が投下された、8月6日、8月9日は、今年も、もう間もなくであるが、これらの詳細については、ここでは触れないこととする。

 

*1954年には、太平洋上のビキニ環礁で、アメリカが行った水爆実験で、死の灰が降下し、その放射能で、日本の漁船、第五福竜丸の乗り組み員23名全員が被災し、機関長の久保山愛吉氏が亡くなるという悲劇が起こっている。

原爆投下の被害者も、ビキニ死の灰の被害者も、日本人だと言うのは、なんという偶然だろうか。

第5福竜丸だけでなく、表には出ていないが、洋上や地上での核実験による被災者は、可なりの数になるのではないか。

 

〇核拡散防止条約

これらの核兵器関連の事案に鑑み、これ以上の核兵器の拡散を防止する必要があるとの動きとなり、1968年に、国連総会で、核拡散防止条約*が、採択されている。

*Treaty on the Non―Proliferation of  Nuclear Weapons

 (略称 NPT) (proliferation 繁殖すること)

この条約の特徴は、「核兵器を持つ国」と「核兵器を持たない国」に分けたこと、と言われる。

「核兵器を持つ国」に、核兵器を減らす義務を持たせ、核兵器を持たない国が、核兵器を持つことを禁じ、保有国の増加を防ぐというものだ。

 

核兵器を持つ国は、当時も今も、安保理の常任理事国の、米、露、英、仏、中の5か国である。5か国以外の国は、核兵器を持つことが禁止されているのだが、にも拘らず、インド、パキスタン、北朝鮮、イスラエルの4か国は、核兵器を保有しているといわれれている。

ネット情報では、これら9か国の核兵器保有数は、下図のようだ。さらに、イランには、核兵器製造の動きがあるようだ。

表にあるFAS、SIPRIは、アメリカとスエーデンの研究機関名だが、両機関の核兵器の推定保有数は、ほぼ同じようだ。

下図は、上記のSIPIRIが、公表したものだが、総計で、14955発となる。

核兵器禁止条約が締結された、2017年の数字となっており、前述のSIPRIの数字よりは、898少なくなっているが、殆どが、露、米の削減分となっているようだ。

 

〇核軍縮

核拡散防止条約に則って、米露2大の核大国間で、保有核兵器を削減する、核軍縮が進められてきた。

◇両国間で、1991年7月に調印されたのが、第Ⅰ次戦略兵器削減条約(START Ⅰ)で、1994年12月に発効している。ソビエトの崩壊等を経る中で、交渉が進展し、2001年12月に、削減目標が完了したと宣言されている。

引き続いて、START Ⅱが進められる予定だったが、両国間の思惑の相違もあり、進展せず、START Ⅰ条約は、更新されることなく、期限切れで、2009年12月に、失効している。

 

◇2010年3月、新START*が締結され、2011年2月、発効している。

  *New Strategic Arms Reduction Treaty

署名したのは、米側は、オバマ大統領で、露側は、メドベージェフ大統領だったようだ。

 条約の内容  STARTでは、米露各々6000発→新STARTでは、米露各々、1550発

 条約の期限  従来2021年2月期限→2026年2月までに延長

 

〇包括的核実験禁止条約

核実験を包括的に禁止する条約が、包括的核実験禁止条約**である。

**Comprehensive Nuclear Test Ban Treaty

   略称CTBT   comprehensive:包括的な  ban:禁止する

 

1966年9月の国連総会で採択されたが、2919年2月現在で、署名184か国、批准168か国となっている。

上図の凡例は、以下。(ratified:批准済の、signatory:署名者)

 

核兵器保有国を含む44か国が、発効要件国と定められているが、これらの国の批准が未完了のため、発効していないようだ。内訳は以下のとおり。

  イスラエル、イラン、エジプトー――署名のみで、未批准

  北朝鮮パキスタンインド、―――――――署名もしていない

核兵器を保有していると見られている9か国の内、下線を付した、5か国が未批准である。

 

核各実験を禁止する条約の有効性を確保するためには、監視観測施設の整備が重要で、日本では、5か所に、公認の各種施設があるようだが、詳細は省略し、所在地のみ、以下に示す。

  群馬高崎市、沖縄恩納村、茨城東海村、長野松代町、千葉夷隅市

 

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