ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

8月6日です。

2024-08-06 09:23:13 | 日記
庭に雀が数羽来て囀っています。
小鳥を眺めていましたら、画家の平山郁夫さんを思い出しました。
8月6日です。
核廃絶を願い祈って、10年前に当ブログにアップした記事を再掲いたします。

【八月六日。「私も小鳥のパーツを」】
広島に原爆が投下された日です。
犠牲になられた方々へのご冥福を 心からお祈りいたします。
二度と核兵器が使われることのない様にとの決意を込めて『合掌』いたします。

画家の平山郁夫さんは、学徒勤労動員の作業中に、広島市陸軍兵器補給廠で被爆しました。
多くの学友を失い、自らも原爆の後遺症に苦しんだそうです。

平山画伯の作品に「広島生変図」という絵があります。
広島の街を焼き尽くす炎、罹災した街の様子、その惨状が平山郁夫という画家の心象と共に、燃え盛る強烈な赤い炎と共に描かれています。
画面上部に描かれている忿怒形の不動明王は、平山画伯の怒りと、悲劇を乗り越えようとする決意なのでしょうか。

私は平山郁夫さんの作品、特に仏教関連の絵が大好きです。
『仏教伝来』を画集で観た時、私は、今すぐに作品に会いたい気持に駆られ、所蔵する佐久市立近代美術館に電話をしました。
会って来ました。
安らぎと、「道」が感じられて、時の経つのを忘れたのは、30年近く前のことです。

JR小海線「甲斐小泉」の駅前にある「平山郁夫シルクロード美術館」には、画伯のアトリエが再現されています。
その部屋にある机の引き出しの中に、幾つもの、幾つものの形の小鳥のパーツが入っていました。

『仏教伝来』
『入涅槃幻想』
『出現』
その他の作品にも、この「小鳥」達が舞っているのです。
作品の中に登場する小鳥たちは、安らぎを希求するシンボルなのかもしれません。
広島で被ばくし、多くの学友を亡くし、ご自分は原爆症に苦しみはしたものの、生きることができた…………。
平山郁夫さんは、逝ってしまった者たちを小鳥の様に羽ばたかせたかったのでしょう、きっと。
そんな思いで、小鳥のパーツを眺め、誰もいない美術館で、一人ジーンとしていたのは、震災と原発事故に遭った三年前の八月でした。

今日、八月六日。
私も、平和を願って、核の廃絶を願って、身近なところ、出来るところから、「小鳥のパーツ」を飛び立たせなければなりません。
合掌。
            (2014年8月6日記)

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