ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『行方不明の時間』の中に。

2019-01-07 06:30:51 | 日記
小学4年生の仲邑菫さんが、プロ棋士として採用されるそうです。
テレビに写っていましたが、なんとも可愛らしいお嬢ちゃんでした。
もう、びっくりしてしまいます。
〈世界で戦うため、才能ある若者を早くから鍛えようと、今回新設した制度「英才特別採用」
の第1号。〉とか。
スポーツ界でも、どんどん若い選手が出てきて過去の記録を更新しているのを見ますと、
ただ、拍手を送るばかりです。

ところで、胎児の染色体異常などを調べる出生前診断の国内実施件数が、この10年間で
2・4倍に急増しているそうです。
 《直近の2016年は約7万件と推定され、35歳以上の高年妊婦に限れば4分の1が
  受けている計算になる。
  診断で異常が確定すると大半が中絶を選ぶため、「命の選別」につながるとの懸念も強く、
  慎重な実施が求められてきたが、普及が急速に進んでいる実態が浮かんだ。》
                            (毎日新聞2018年12月28日)

「命の選別」、嫌な言葉、おぞましいことばです。
優秀なDNAを持った人間だけが生存を許されるなどと言う社会は、住みよい社会では
ありませんから。
〈みんなちがって みんないい〉
でなければ、人は安んじて生きることができませんから。

昨日は日曜日。
教会の帰りに、2時間ほど ぶらっとしました。
茨木のり子さんの詩のように、「行方不明の時間」の中にいました。

    『行方不明の時間』
                   茨木のり子
     人間には
     行方不明の時間が必要です。
     なぜかはわからないけれど
     そんなふうに囁くものがあるのです

     三十分であれ 一時間であれ
     ポワンと一人
     なにものからも離れて
     うたたねにしろ
     瞑想にしろ
     不埒なことをいたすにしろ

     遠野物語の寒戸の婆のような
     ながい不明は困るけれど
     ふっと自分の存在を掻き消す時間は必要です

     所在 所業 時間帯
     日々アリバイを作るいわれもないのに
     着信音が鳴れば
     ただちに携帯を取る
     道を歩いているときも
     バスや電車の中でさえ
     <すぐに戻れ>や<今 どこに?>に
     答えるために
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・
                   (茨木のり子詩集 谷川俊太郎選より)

「寒」に入りました。
雪のない「寒」の入り、周辺に雪は見当たりません。
暖冬なのでしょうか。
これから どっさり降るのでしょうか。
                              〈ゴマメのばーば〉
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする