ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

羽衣に包まれて

2013-12-17 07:28:19 | 日記
映画「かぐや姫の物語」を観てきました。
水彩画のように、水墨画のように、柔らかで優しい画面。
「翁」の掌のなかの、小さな 小さな「かぐや姫」の何とも言えない可愛らしさ。
「媼」・宮本信子の声も落ちついて しっとりしたトーン。
観終えて後は、安らいだ気分に浸ることができました。

月に帰って行く かぐや姫は、羽衣を着ますと、
育ててくれた翁・媼・幼なじみの捨丸・結婚を申し込んだ男たち、
地球で暮らした記憶の全てを失ってしまうのです。
「失う」というより すっぽりと「別な次元に包まれてしまう」ように感じられました。
月からの迎えの使者たちが雲に乗って迎えに来る様子は、『阿弥陀来迎図』のようで、
奏でられる管弦の 異次元の音色すら伝わってきそうです。

あの大震災から二年と九カ月。
被災地では、幾つもの追悼行事が行われました。
亡くなられた方、まだ行くえ不明の方たち、そして その時点で切り離されてしまった絆。
今も血を流し続けている魂の痛み。
この映画に、私は、震災で逝ってしまった方たちへの追悼を 再び呼び起こされました。

逝ってしまった愛する者たちが、
かぐや姫の様な羽衣に抱きとられ、
苦しみや悲しみ・痛みのすべてを忘れ去り、
新しい世界に「生きていて」欲しいと。
そう祈りました。

二階堂和美の主題歌〔いのちの歌〕も、優しく歌いあげられていましたし、
歌詞が胸に沁み込んできたのです。

       「いのちの記憶」
               作詞・作曲:二階堂和美

        ………………
        ………………

        いまのすべては
        未来の希望
        必ず 憶えてる
        懐かしい記憶で

        いまのすべては
        過去のすべて
        必ず また会える
        懐かしい場所で

        いまのすべては
        未来の希望
        必ず 憶えてる
        いのちの記憶で

〔必ず、また会える、懐かしい場所で〕
〔必ず 憶えてる、いのちの記憶で〕
                            〈ゴマメのばーば〉
コメント
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