blogギター小僧の径

ギター小僧の私生活

上海万博に想う

2010年05月01日 | 想い

上海万博のテーマソング、岡本真夜の曲のパクリ

急に成金になって品性が伴わない中国で万博が開催中だ。テーマソングやキャラクターの盗作騒動があったり、中国館の予約券をめぐるトラブルがあったり、規模のわりにゴミ箱が少なくゴミが散乱しているという話もあるらしい。

高校生の時、メモを取りながら観ていた『竹村健一の世相を斬る』に出演していて、その頃からその歴史観や経済思想を敬愛している堺屋太一だが、よせばいいのに上海万博の日本産業館の代表をしているのだという。今週号の『週刊現代』にその堺屋太一の記事が載っていた。

中国で同じ製品は日本向け卸値が20元(280円)、中国向けが40元、アメリカ向けは100元という。値段相応で日本向けは縫い目は粗く、こんな粗悪品を買うのは日本人しかいないとホザイているらしい。800円を下回る激安ジーパンに喜んでいる場合じゃない。世界で笑われているんだ。

また堺屋太一は日本人の生活の質が著しく低下していることも指摘し、若者の欲望水準の低下にまで言及している。社会的成功者を嫉妬する雰囲気が充満しているからとのこと。歴史を振り返っても成功者を礼賛する時代は文化的にも成長する時代で、逆に豪商淀屋辰五郎が贅沢し過ぎで処罰された享保年間は文化も凋む暗い時代となる。全員とは言わないが、確かに会社の20代の若者を見ているとぼくらの若い頃と違い大人しい気がする。800円のジーパンをはき、所得も多くは望まず、異性にも興味がない、そんな人間に新しい文化を創れるのだろうか?

現在、中国の貯蓄率50%だが、万博が終わった頃には消費が拡大され貯蓄率は30%ぐらいになるだろうという。その中国景気は日本のバブルがはじける前に酷似しており、そのバブルがはじけた時、日本経済に与える影響はリーマン・ショック以上と堺屋太一は予想している。国債発行残高が600兆円に膨らんでいるのに円が暴落しないのは、国債はほぼ国内で消化されているからで、消化できなくなれば一気に円が暴落し、深刻な経済不安が発生し、このままでは日本は終わるという。

日本が初めて万博に参加したのは幕末の1867年、幕府および薩摩藩と佐賀藩が参加したパリ万国博覧会であり、維新後の新政府は1873年のウィーン万国博覧会から公式参加。明治・大正頃の博覧会では日本の芸妓が接待役を務め、この時紹介された浮世絵はモネらフランスの画壇に影響を与えた。アホ山総理は友愛なんてホザイている場合じゃない。事業仕分けなどで無駄をなくすのも天下りを根絶するのも重要だが、中国におもねることのないよう経済を最優先すべきだ。このままでは歴史も歪められ、経済的にも文化的にも中国に日本を乗っ取られかねない。