golf130のクラシックお笑い原理主義

オッサンのしがない日常や妄想話とその日聴いた音楽。

ドーティー「メトロポリス・シンフォニー」ジンマン

2008-12-17 21:05:32 | Weblog
「新しき良きアメリカ!」

昔、スーパーリアリズムの絵画展を見に行った時の感想です。

フォトリアリズムとも呼ばれる写真の様なリアルな絵画。1960年代末アメリカで興った現代絵画の新しい潮流ですね。

見る前は、写真を真似しただけで創造性も独創性も無いんじゃない?なんて思っていましたが、明るい色調で輝かしく(実際、金属光沢や光の具合も非常にリアル)気分晴れやかになる絵画群でした。

開拓時代を想像させるような田舎の原風景を描いたアンドリュー・ワイエスの世界が「古き良きアメリカ」の象徴だとすれば、それと対置されるものであろうと、冒頭の感想が浮かんだことを覚えております。

戦争だとか犯罪だとか貧富の差だとか負の面もあるアメリカですが、一方、正義、自由、豊かさ、創造性…といった素晴らしい面、それを感じさせてくれるスーパーリアリズムの絵画展でした。

(画像は、ダブルクォーターパウンダー・チーズ。スーパーリアリズムの絵です(嘘)。490円で美味いのですが、120円のチーズバーガー4個とどっちが徳だろうか?悩んでしまう私です)

グリーンバーグ(ヴァイオリン)、コントローリス、スパークス(フルート)、ジンマン指揮ボルチモア交響楽団(argo盤)

「スーパーマン」をモチーフに作曲された音楽です。

スーパーマンのコミック誌登場50周年を祝う催しに触発されたのが作曲の切っ掛けで、指揮者デイヴィッド・ジンマンの勧めもあったとのことで、ジンマンとボルチモア交響楽団に献呈されています。

マイケル・ドーティー(1954~)は、アイオワ州でダンス・バンドのドラマーの息子に生まれました。

ジャズやロックで育った後、フルブライト研究生としてパリのブーレーズが創設したIRCAM(音響・音楽の探求と調整の研究所:現代音楽を先導したカリスマ的存在)でコンピューター音楽を作曲したり、ジョルジ・リゲティに師事したりして、1986年にエール大学から作曲の博士号を取得しています。

この経歴の通り、各種ジャンルの音楽を手の内にしている作曲者です。

この曲は、スーパーマンに因む5つの楽章から構成されています。

1.レックス
…スーパーマンの仇敵、超悪党の大物実業家レックス・ルーサーに由来のタイトル。スコアに「極悪非道に」と記載されているとのこと。

ホイッスルに先導され、ヴァイオリンの無窮動が聴かれる推進力のある楽章。

2.クリプトン
…スーパーマンの出身地クリプトン星ですね。

スーパーマンが脱出してから爆発した故郷の星を象徴する様な不安感もあるが、基本は娯楽性に満ちた音楽。

3.ミクソープリック
…第5次元からメトロポリスに現れて破壊行為に及ぶ男。

急速な下降、上昇音型を奏する2本のフルートなどユーモアと快感のスケルツォ。

4.ああ、ロイス!
…デイリープラネット紙の女性記者ロイス・レーン。
「飛ぶ銃弾より速く」凄いテンポ表示!目まぐるしく変わる場面を表した活きの良い楽章。

5.レッド・ケープ・タンゴ…地球最後の日に命果てるまで戦うスーパーマンにちなんでつくられた曲とのこと。

ベルリオーズの幻想交響曲などにも登場する「怒りの日」をモチーフにした楽章。

ちょっと古いですが(笑)、加藤茶の「ちょっとだけよ~~」(タブー)に極似した音楽も聴かれます。

現代音楽といっても難解さは全くありません。クラシック以外の音楽要素もふんだんに盛り込まれた多彩な曲。映画音楽のお好きな方であれば、スーパーマンのシーンを想像しながら楽しんで頂けると思います。

正義と娯楽を愛する「新しき良きアメリカ」が感じられる音楽。

お薦めです。

なおこのCDには、「ピザッロ」というスーパーマンの偽物をモチーフにした曲も併録されています。これもまたノリの良い楽しい音楽。

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