突然の首の痛み、腕。指のしびれ

一週間前から朝起きたら首が痛くて動かせなくなり、左腕から指先までしびれが出ていると言う女性を診ました。別に激しい運動をした覚えもなく、首をどこかにぶつけたわけでもなく、いつもと変わらぬ日々だったそうです。

あまりの痛みに救急車を呼んだそうですから、かなりの痛みだっと思います。検査の結果、頸椎の椎間板ヘルニアと診断され、椎間板が４か所飛び出していてそれが神経に触って痛みとしびれが出ているんだろうと言う医師の診断です。　　

しかし昨日私が診たところ、頸椎の椎間板ヘルニアが首の痛みと指先のしびれに影響していませんでした。ヘルニアが原因ではないと言う事です。

では何が原因していたかと言うと、何と一週間前にひいた風邪が原因だったのです。風邪のウイルスが神経や動脈静脈、ホルモン、リンパ、内臓などあらゆるところに入り込んで痛みとしびれを引き起こしていました。しかし本人は風邪をひいたと言う自覚は全くありません。これは良くある事です。


では病院で診てもらった頸椎の椎間板ヘルニアの診断は何だったのでしょう？と言う事になりますね。もしヘルニアが原因だとしたらいつヘルニアになったのでしょう？朝起きて突然ヘルニアになりますか？恐らくこの女性の頸椎の椎間板ヘルニアはずっと前からあったと思います。ヘルニアがあっても何の症状もなかったのです。朝起きて突然４か所ものヘルニアが起きるなんてことはありえませんから、ヘルニアが原因ではないのです。

MRIやCTの画像で明らかに椎間板が飛び出していても、痛みが全くない人がいます。どうしてでしょう？ヘルニアがあると必ず痛みが出るとは限らないのです。つまり視覚で見える原因と本当の原因は一致しないのです。

見えるものだけを頼っていてはダメなんです。検査の画像や数値だけではわからないことはいくらでもあります。

もちろん椎間板ヘルニアが原因している場合もありますが、なぜそうなったかを追究しないと、結果だけを診るのではなく、原因を根本的に治さないといけません。

上記の女性は来た時は殆ど首を動かせなかったのですが、帰る時には首を回せるようになって帰られました。