僕自身もここ数年キーボードに向かうことが多いので「読めるけど書けない」という状態になりつつあり、そういうご時勢では漢字検定というのはいいところをついたなと思っていました。
朝の通勤時に電車広告にある漢検の問題が解けると妙に気分がよかったりします。
今回こういうことになってしまったわけですが、出る釘を打つというのではなく何がいけないのかをはっきりさせたほうがいいと思います。
「厳格に対応したい」=漢検協会検査、5時間に及ぶ-文科省
(2009年2月9日(月)22:30 時事通信)
確かに
漢検協会、ファミリー企業に66億円業務委託 3年間で
(2009年2月9日15時1分 朝日新聞)
とか
漢検協会が6億の土地建物、供養塔も購入
(2009年1月29日12時55分 日刊スポーツ)
という話は論外ですが、それは社団法人の運営が杜撰だったということで、検定試験自体の不正はなかったのであれば
「漢検資格」内申点加算対象から除外、都内の高校が検討
(2009年2月9日(月)14:48 読売新聞)
というのは過剰反応かと。
そもそも学校教育はこういおう不正も含んで世の中の仕組みを教えることが大事で、権威に寄りかかったり「権威が失われた」と手のひらを返したりという行動はよろしくないのではないでしょうか。
「利益を出してはいけない」と言いますけど、予想外に人気が出た場合には単年度で利益が出るのは仕方がない、というよりそれだけ世の中の需要を掘り起こしたので評価されるべきで、ただそれを無駄に使わずに中期的にしっかり社会に還元していればいいはずです。
あまり単年度収支にこだわると、公共工事予算のように不用不急の出費をするだけになってしまいます。
その意味では、漢検の主催団体は脇が甘かったともいえます。毎年利益が出ないように親族企業に金を落としていればひょっとしたら見つからなかったかもしれませんから。
当の本人も予想していなかったくらい儲かったということなんでしょう。
また、2003年から利益が出ていたということですので、所管官庁の文部科学省としても監督が甘かったと言われても仕方ないと思います。今さら「公認会計士とともに検査実施」と言われても、「では今までは何をやっていたんだ」と言いたくなってしまいます。
報道を見る限りでは社団法人は相当私物化されていたようですが、大事なのは今回何(どこ)がいけなくて誰(監督官庁や理事(元国連大使の明石氏や清水寺管主もいるようですが)も含め)に責任があるのかをはっきりさせることだと思います。
ちょうど今年公益法人制度も変わることですし、公益法人の認定や検査のあり方に反面教師として生かすべきだと思います。
PS
でも考えてみると、公益法人としては補助金を食い物にしているよりはましだともいえるのですが、そう考えてみると他の特殊法人などを差し置いて今回の手入れをしてのはは漢字の苦手な読めない某政府高官の指令だったりするのでしょうか・・・