一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

GMとトヨタ

2009-02-03 | あきなひ
NHKスペシャル「アメリカ発 世界自動車危機」を見る。
なかなかよくまとまっているのと、将来展望が総花的で見えにくいあたりがかえって暗示的。

冒頭でGMが90年代から金融子会社のGMACを使って自動車ローン事業とその証券化による資金回収に積極的に取り組み、自動車販売でなく金融事業で収益を上げるモデルに代わっていったこと、それがさらにより購入者の負担が少ないリース事業に進出し、さらにリース債権も証券化することでますます加速していったことが描かれています。


一方日経ビジネス1/26号の記事「資金確保に焦る大企業」では、トヨタ自動車が2008年3月期の連結キャッシュフローが8933億円の赤字だったことを取り上げています。
内訳は自動車事業が7516億円の黒字の一方でローンなどの金融事業は1兆5888億円の赤字になっていて、これはローンにより自動車販売を拡大してきたGMなどと同じビジネスモデルだ、と指摘しています。


実はトヨタ自動車の連結フリーキャッシュフローが赤字になったのは2002年度から、大幅な赤字になったのも2005年度からとかなり前から兆候はあったようなのですが、証券アナリストたちはこの辺の構造変化を指摘しなかったのでしょうか。

また、GMと違ってトヨタはローン債権を証券化して売却をせずに自分で抱えているのでキャッシュフローの赤字になっているとしたら、ここの部分はGMを見習っておいたほうがよかったのではないか、それとも日本の金融市場にそこまでの引き受けてがいなかったのか、日本人の自動車ローンの事故率がとても少ないので証券化しないほうが得策なのか、はたまた実は思いっきり証券化して債権を売却したのにまだこれだけ残高が残っているのかなどいろいろ考えさせられました。


結局、洋の東西を問わず同業の会社は中期的には似たような行動を取るようになるということなのでしょうか。

コメント (2)
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