一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

ニューシティ・レジデンス投資法人の再生計画案否決

2009-07-17 | あきなひ

おとといのニュースですが
破綻REITのニューシティ、債権者集会で米ファンド案否決
(2009年7月15日 22:01 日本経済新聞)

昨年10月に民事再生法の適用を申請した不動産投資信託(REIT)のニューシティ・レジデンス投資法人は15日、米投資ファンドのローンスターをスポンサー(再生支援企業)にする再生計画案が債権者集会で否決されたと発表した。大口債権者の後押しを受けた大和ハウス工業が系列のREITとの合併計画を対抗案として新たに提出したが、ニューシティ側は9月に再び開く債権者集会でローンスター案の可決をめざす考えだ。  
今回の否決を受け、大口債権者側が支持する大和ハウスは、ニューシティが実施する第三者割当増資を引き受けたうえで、系列REITのビ・ライフ投資法人とニューシティを合併させる対抗案を正式に提出した。

ニューシティ・レジデンス投資法人のリリースはこちら
債権者集会の続行期日及び一部再生債権者からの提案に関するお知らせ  

しかしながら、本件対案は、現在継続中の民事再生手続において付議された本件再生計画案の変更や再生スキームの本質的な部分を変更するものであり、再生計画案の変更として法的に許容される限度を超えるものとなりますので、再生計画案の変更により本件対案に基づく再生手続を行うことは法的に許されないものと考えられます。また、本件対案は、現在のスポンサーであるローン・スターとの契約が解除されることを前提とした提案であるところ、そのような状況ではありません。  

したがって、本投資法人と致しましては、現時点において、本件対案に従った本投資法人の再生は法的にも困難と考えており、再生手続廃止による破産を避けるため、現スポンサーであるローン・スターとの協力のもと、来る債権者集会の続行期日までに債権者のご理解を得るべく努力していく所存です。  

倒産手続に詳しいわけではないのですが「ホントかな?」という感じもします。 
「再生計画案の変更」としては「法律的に許されない」(=変更というには同一性を欠く?)のかもしれませんが、裁判所の許可があれば再提出までは禁止されてはいないように思います。そもそも債権者も再生計画案を提出できますし。 
なので「本件対案に従った本投資法人の再生は法的にも困難」は(「現時点では」という巧みな留保がついていますが)正確ではないように思います。 

また、「再生手続廃止による破産を避けるため」というのも飛躍があって、再生計画が可決されないと再生手続は廃止されますが、破産になるには債務超過でなければなりません。  

民事再生法250条
破産手続開始前の再生債務者について再生手続開始の申立ての棄却、再生手続廃止、再生計画不認可又は再生計画取消しの決定が確定した場合において、裁判所は、当該再生債務者に破産手続開始の原因となる事実があると認めるときは、職権で、破産法 に従い、破産手続開始の決定をすることができる。

ところが 資産運用報告書 では、投資法人はまだ純資産がプラスなので、再生手続廃止=破産にはならないのではないかと思います。
(そのとき、投資法人はどういう状態になるのかについてはちょっと興味がありますが。)  

現経営陣としてはローンスターの案で行きたいのでしょうが、ちょっと強弁しすぎだと思います。  

そう考えて「本件対案は、現在のスポンサーであるローン・スターとの契約が解除されることを前提とした提案であるところ、そのような状況ではありません。」というところをウラく読みすると、ひょっとするとスポンサー契約に違約金条項とかあるのかなと。 
物件のフォワードコミットメント(将来の取得の約束)による違約金で民事再生になったのに、ここでまたフォワードコミットメントがあったら笑い話になってしまいますが、さすがに監督委員がチェックしているからそんなことはないんでしょうね。

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「リニア」ってくらいだから直線で

2009-07-17 | よしなしごと

もちろんモーターが回転運動でなく直線運動をするからなんですが・・・

中央リニア、直線ルート優位明確に=JR東海が維持費・需要試算
(2009年7月17日(金)02:03 時事通信)

JR東海が、東京-名古屋間で2025年の開業を目指す「中央リニア新幹線」について、長野県が求める迂回(うかい)ルートよりも、同社が想定する直線ルートの方が維持管理費や需要予測面でも優位とする試算をまとめたことが、16日明らかになった。同社は既に建設費について、直線ルートの方が最大で6400億円も安いとの試算を示しており、今回の試算で同ルートの優位性がより明確になる。  

JR東海は、21日に開かれる自民党の「リニア特命委員会」に新たな試算を提出する。国土交通省も、リニア建設には直線ルートが適しているとの見方を強めている。

素人的にもスピードが大事なリニア新幹線を迂回させたり途中停車駅を増やしたりしてもあまり意味がないと思うので、それはそうだろうと。
逆に6400億円もかけずに在来線を利用して山形新幹線タイプの高速鉄道を走らせたり、在来線のままでの高速化はできないのでしょうか。

ちなみにリニア新幹線の総予算の6兆円とか7兆円とかのうち、国の補助金はどれくらいなんでしょうか。
そしてそのカネはどこからでてくるんでしょうかね?

 

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位討と漁夫の利

2009-07-17 | まつりごと

東国原宮崎県知事の衆院選出馬を取りやめは、マスコミからは「名誉ある撤退」とは受け止めてもらえなかったようです。
これも一種の「位討」(こちらのエントリなど参照)といえるのでしょうか。

東国原知事 宮崎のためを強調 開き直りも 出馬断念会見
(7月16日23時5分 毎日新聞)  

自民党からの衆院選出馬断念を正式に決めた宮崎県の東国原英夫知事は16日、県庁で約35分間にわたって会見した。おわびや釈明の言葉を並べ、今回の行動が宮崎のためだったと強調したが、開き直りや強弁とも取れる言葉もあり、国政転身を巡って揺れ続けた知事の心理をうかがわせた。  

「県民にご迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げたい」。16日午後4時から開かれた緊急会見で、東国原知事は冒頭の約9分間を説明に費やした。「地方分権を実行しなければいけないという信念に基づく行動だった」と、県民に理解を求めた。しかし一方では「これまで掛け声倒れに終わっていた地方分権が、三歩も四歩も進んだ」と、“成果”を強調することも忘れなかった。  

開き直りとも取れる発言に、記者が「県民には不信感が生まれている」と指摘したが「宮崎の存在価値、立ち位置をきちんとするために行動した」と反論。「なかなか発言の真意を伝えてくれない」などと、マスコミへの恨み節も飛び出した。  

国政転身騒動は昨年秋に続いて今回が2回目。自信満々だったことも災いして、知事の県政への熱意を疑う有権者も増えている。  

記事のトーンもかなり批判的になってます。  


一方で橋下大阪府知事は漁夫の利を得た感じで、余裕のエールを送ってます。
盛り上がり「その行動あってこそ」=東国原氏衆院選不出馬で-橋下知事
(2009年7月17日(金)02:03 時事通信)  

橋下徹大阪府知事は16日、東国原英夫宮崎県知事が次期衆院選への不出馬を表明したことについて、「バッシング覚悟で行動を起こしてくれたからこそ、今(の盛り上がり)がある」と述べ、一連の行動を評価した。中田宏横浜市長ら首長連合を進めるメンバーと東京都内で会合を持った後、記者団に語った。  

首長連合と東国原氏の連携について、橋下知事は「この選挙ではしない」と改めて明言した。また同日の会合では道州制などに関して、首長連合としての見解をインターネット上で公表することも決まった。   

2番目の段落がポイントですね。  

盛り上がったついでに「地方分権」や「道州制」は、キャッチフレーズだけでなくより具体的な中身の議論をしてほしいと思います。

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