一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『チェ 28歳の革命/39歳別れの手紙』

2009-07-08 | キネマ
新彊ウイグル自治区では、実際には何が起きているのでしょうか。
実際のところは後になってからの取材でないと明らかにならないと思いますので、とりあえずは中国の公式発表と断片的な情報を見ているしかないのではないかと。


で、本題の映画。
週末に観たのはチェ・ゲバラを主人公にした連作。
前半の「28歳の革命」はカストロとともにキューバ革命を成し遂げるまで、そして「39歳別れの手紙」はボリビアの革命に従事したものの夢果たせずに死を遂げるまでを描いています。
共同製作者にもなっているベニチオ・デル・トロはチェ・ゲバラの思いが画面を通して伝わってくるような熱演です。

キューバ革命においては、わずが60人でスタートした革命軍がキューバ市民を味方につけながら最後は政府を瓦解に導きますが、ボリビアにおいてはボリビア共産党からの支持も得られず軍の住民への宣伝工作もあって革命軍が孤立していきます。

チェ・ゲバラの理想の高さとそれゆえの規律の厳しさと組織末端や一般民衆とのギャップが「28歳」のラストシーンあたりから暗示されますが、結局革命なり政権転覆を果たすには活動家の努力や理想だけではダメで一般大衆の支持・組織化が必要ということが、チェの孤軍奮闘から逆に浮かび上がります。


また話は冒頭に戻りますが、
新彊ウイグル自治区の暴動に関しても、中国の報道機関は政治不安に結び付けないように一部の活動家による扇動という報道の仕方をしているようですが、被害者のインタビュー映像などを見ると、かえって民族対立がクローズアップされかねない感じもします。

実際にウイグル族と漢民族の人たちは今回の事件をどのように受け止めているのか、また当局はどういうシナリオで収束させようとしているのか、しばらく注目したいと思います。



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